夏と戦争

まもなく迎える8月15日。ちょうど、8月6日は広島原爆、今日8月9日は長崎原爆の日。この時期になると、例年であれば夏休みの特番に混じって戦争体験を特集する番組が増える。今年はコロナによってすっかり狂わされてしまった格好になったが、番組は例年通り戦争を語る番組が編成され始めた。
今日は珍しく、NHKが読売グループ総帥のかのナベツネ氏の独占インタビューを1時間にわたって放送。日テレではなく、NHKであることが重要。
戦争を肌で体験し、戦争体験世代の政治家を記者として追い続けたナベツネ氏自身の戦争観、語り続けることの意義を語る番組であった。
読売新聞というとどうしても権力べったり、改憲大賛成、というイメージで語られる新聞社であるが、一方で2000年代初期には1年間にわたって戦争責任の検証を行う特集をしたりと、自民党に必ずしもべったりとも言えない一面も見せる。

中でもちょっと意外だったのは、ナベツネ氏自身が共産党に入党していたことがあるということ。最終的に、組織とうまくいかず除名されたそうだが、組織の動かし方の何たるかはすべて共産党で学んだ、と述べている。共産党というのはある意味強力な組織力を戦前から持ち合わせていたということがよくわかる。
そのほか、吉田内閣、池田内閣をはじめとする日本を大きく変貌させた政権を記者の目から見続けてきた話、実は総理大臣の靖国公式参拝は最後まで反対したという話、もろもろ、これまでのイメージを大きく覆す特集であった。繰り返すが、NHKが特集しているのである。

このインタビューを一番見てほしいのは、今の政治家たち。そして、政治を妄信している人たち。このインタビューに、今のコロナ禍を脱するヒントが隠れているはずである。

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