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計画を立てることの意味

駆け出しのプロジェクトマネージャーに向けて書きます。
私は計画を立てるのが嫌いでした。
WBSは絶対書かない。
ルールに縛られるのは嫌。
どうせ差し込みの仕事も入ってくるし。
目的が達成出来ればいいじゃないですか。

でも、ある失敗を経て、綿密な計画を立てるようになりました。

突然やってきた現実

まずきっかけをシェアします。

自分で言うのもなんだけど、当時はどんなオーダーがあっても、どんな割り込みがあっても、逃げないで、最後までこなす自信のある優秀なプレイヤーでした。

仕事をどんどん消化のが自分の中で優先度が高くて、計画を書く時間があったら手を動かしたい。
計画出せって言われて、すげぇラフなものだけ書いて、過ごしてました。

そんな中、ある時、事件がおきたのです。

それは新規に受注した大規模プロジェクトのPMを任された時です。
今思えば、提案の時から手応えもあり、優秀なメンバーを揃えてもらい、会社からも、顧客からも期待されていました。

なので、一生懸命がんばりました。
でも、毎日タスクが終わらないのです。
一日に30個のタスクをこなすのに、40個のタスクが増えていく。
私はみるみるうちに回らなくなり、わずか2週間でパンク。
そのままPM交代となりました。

プロジェクト開始前後のこともありメンタルもボロボロでしたが、それより何よりとっても悔しかったです。

原因は計画の甘さ

私がそのプロジェクトをマネジメント出来なかった大きな理由は、計画が甘かったことが大きな要因でした。

確かにWBSは書いていたし、体制も潤沢だった。
でも、それだけだったのです。

・みんなが的確に動くためにはどうするのか。
・予想外のことが起きた時、どうするか。
ということの解像度が粗かった。

本当ならば、計画の時点で、適切な視点で、できるだけ具体的に、イメージできている計画が必要だったのです。

計画とは目的に安全に辿り着くための企て

そもそも、プロジェクトというのは「新規性、有機有限」が鉄則です。
つまり、「誰にも経験がないのに、期限が決まっている大事な仕事」なわけです。
やりたいことは山ほどあるけど、未知の領域がとても多い。

なので、計画の段階で、既に分かっていることや、共通的な認識が必要なことだけは最低限、文書に落とし込んで、地に足を着けている状態にしておきたい。
これが出来るだけで、成功率はぐっと上がります。

特に大規模プロジェクトの場合は顕著です。
なぜなら、関わる人が多いから。
(関わる人が多いということは、色んな考えの人がいます。すると議論が発散して、収集がつきません。
例えば、報告書1個とっても、バラバラなフォーマットをかき集めらたどうなるか?
「何が書いてあるのか?」を読み解くだけでも多大な時間を要することになります。)

どこまで考えたらいいの?

計画を立てる時は、ゴールまでを全体を満遍なく、できるだけリアリティを持ってイメージすることが、必要です。

プロジェクト完了の最終日をどのように迎えているのか。
そのためにやることを、箸の上げ下げレベルまで考えているか。です。

ここまで考える必要ありますか?と言われるぐらいが丁度いい。

具体的には「全員が毎日やることを1時間単位で決めきれている」状態をよいしています。

よく考えて、計画を記しておけば、
それが作業のガイドとなって、迷うことが無くなります。

もちろん、計画の中には順調に行く時のことだけでなく、
未来に起きるであろうリスクも予見しておくことで、成功率はぐっと上がります。

(もし、諸事情で計画書に盛り込めないとしても、自分の考えたことをどこかにメモしておいたり、誰かに喋っておけば、必ず役に立つでしょう。)

ちなみに私は計画の抜け漏れを無くすために、PMBOKの10のマネジメントエリアを軸に、情報の整理をします。

やらないことを決める

計画の中でもうひとつ大事なことは「やらないことを決める」です。

プロジェクトの計画を思案している時にアレコレ考えてしまうこともあるでしょう。
あんなやり方、こんなやり方、こんな工夫をしたら、もっと良くなるかも。
これらはじゃんじゃん盛り込んでいきたいところです。

逆にこれを実現するために、
こんなオーダーが来たらめんどくさいな。嫌だな。
こんなこと起きたらやりたくないな。
なんてことを考えてしまいます。

そんなことは「やらないこと」リストを作っておきましょう。
まあ、無下に断ることをできないと思うので、「基本的にはやらないが、やるとしたら計画変更するよ」というリストを整えて置くと良いと思います。

そして、計画ができた段階で、関係者と合意しておきましょう。
「これはやりませんよ」って。
人は計画の段階でやらないって言われたら、
すんなり納得するんですが、後から断られると嫌な気持ちになるのです。

計画が上手く立てられた時に起こること

ここまで綿密な計画できていると、
実行前のプロジェクトは頭の中で完了しているでしょう。
そして、何が起きても、もう知っている状態になります。

そして綿密な計画が立っていると、メンバーが作業の途中で迷うことがなくなります。
したがって、生産性が劇的に上がります。

その結果、プロジェクトは余裕を持って、納期通りに終わることになります。
前倒しで終わるという奇跡に近い状態も私は経験しました。

計画が上手く立てられているかどうかのチェックポイントは「計画を見て、自分やメンバーが安心できているかどうか?」にしておくとよいでしょう。

最後に

今回は私の失敗談から計画の大事さをお伝えしました。
方法論は沢山ありますが、計画の意味をわかって立てる事が何より重要です。

皆さんも、素敵なプロジェクトライフを。

以上



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