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バーチャル・プロダクション Vol.2|HTC Vive を使ったバーチャル撮影の方法

この記事では、撮影監督 Matt Workman × Unreal Engine によるバーチャル・プロダクションにおける「バーチャル撮影」に関連する情報をまとめていきたいと思います。

バーチャル撮影とは何なのか?明確な定義はありませんが、CG空間の中でアングルを切り取るための「仮想のカメラ機能In-camera)」を使っておこなう撮影をそう定義して、ここでは話を進めていきます。

このバーチャル撮影には、大きく3種類のアプローチがあります。

A. 仮想カメラを CG ソフト上で操作する
B. 仮想カメラをリアル空間のデバイスと連動させて操作する
C. リアル空間でクロマキー撮影した被写体を CG 空間の背景とリアルタイム合成しながら撮影する

この記事では、おもに「B.リアル空間のデバイスとの連動」により、これまでと同じく人間の自由な操作で CG 空間のアングルを切り取るアプローチに関して、掘り下げていきたいと思います。

まずは、このバーチャル撮影を推進する 3D 制作プラットフォーム『Unreal Engine』のデモ映像を見ることで、「ゲーム開発がその領域を超えて、デジタルシネマの世界に足を踏み入れつつある」のが認識できるかと思います。

以下の動画では「A. CGソフト上での操作」による、バーチャル・プロダクションの様子をチラ見することができます。

当記事は、動画制作のオンラインサロン 『UMU TOKYO』で公開されたものです。限定公開を目的に有料化しています。公開日:2020/5/14
https://community.camp-fire.jp/projects/view/231393
※ 2020年10月現在、Premium グループでの限定公開となっております。

1. 個人ができるバーチャル撮影とは?

まず出発点として、Workman 氏自身のバーチャル・プロダクション(以下VP)に対する基本方針を聞くことで、この取り組みが業界内でどのような位置付けのものなのか?を知ることができます。

重要なポイントとしては「これはあくまで低予算なインディーズとしての取り組みである」という点です。

天球体 LED スキャン装置『Light Stage』だったり、高額な MOCAP フェイスリグを使ったりと、ハイエンドな制作はさらにまたこの延長線上にある、という点が強調されています。

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