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【「うみとさち」とは? Vol.5】海の匠を支える画期的なテクノロジー ②

19世紀後半から現代に至る約150年の間に、世界の人口は驚くほど急激に増加しました。依然として人口は増え続けており、2050年には世界人口は97億人に達すると予想されています。人口増加はさまざまな問題の引き金となりますが、中でも喫緊の課題と言われているのが食糧不足です。人間が健康に生きていくためには、タンパク質は必要不可欠な栄養素であり、魚は非常にすぐれたタンパク源です。ですから、人口増加、そして食糧問題の観点からも、地球環境に優しい水産養殖を実現することは今後ますます大切になっていくに違いありません。

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さて、前回に続いてウミトロンが誇るテクノロジーのお話です。今回ご紹介する「UMITRON PULSE(ウミトロンパルス)」は、衛星リモートセンシング技術を活用した水産養殖向け海洋データサービスです。衛星リモートセンシングとは、人工衛星に搭載された測定器を使って、宇宙から遠隔で地球をまるごと調査・観測する技術のことです。これによって収集された衛星データは地球全体を網羅していますが、そもそも地球の体表の約7割が海であることを考えると、海洋に関わるデータが圧倒的に多いことがわかりますね。この海洋データを水産養殖の生産者の方たちに利用しやすい形で可視化し、提供するのがウミトロンパルスです。

ウミトロンパルスの画期的なところは、世界中のあらゆるエリアの海洋データをウェブやスマートフォンアプリ上で手軽に確認できるシステムであること。海面・海中の水温、塩分、溶存酸素、クロロフィル濃度、波高が高解像度のデータで提供されるため、狙った場所の情報を一目瞭然に知ることができるのです。海の匠である生産者は、長年の経験知や勘に加えて、ウミトロンパルスを取り入れることで、養殖場付近はもちろん広範囲にいたる海の状態を詳細に把握し、魚たちへの給餌量やタイミングなどを戦略的に考えることが可能になりました。海の状態から読み取るデータは、養殖魚の生産に関わる大切な指標です。例えば、水温が1度違うと魚の食べる餌の量が変わると言われますが、水温を参考に給餌量を調節することができる。また、クロロフィルは海中に存在する藻類を示す指標ですが、広範囲のクロロフィル濃度を知ることで有害な藻類によって発生する赤潮といった魚に及ぶ環境リスクの事前対策に活かすなど、リスクを回避しながら効率よく魚を生育することに貢献できるようになったのです。

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水産養殖の生産者が「海の匠」だとしたら、ウミトロンは「テクノロジーの匠」でありたいと思っています。ウミトロンのテクノロジーやサービスは、つねに「誰のために必要なのか?」を問いかけながら開発されています。それは生産者のためであり、消費者のためであり、間違いなく地球のため。自分たちに何ができるか、どうやったらもっとよくなるのか。大きな可能性の宝庫である海と魚の未来に向けて、ますます夢は膨らんでいます。新たな技術やプロジェクトがまた花開く日をどうぞお楽しみに。

■ウミトロンWebサイト

■ウミトロンの技術を活用している美味しい生産者の魚が届く、お得なクラウドファンディング


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