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【生産者ご紹介】養殖業界に革命を起こす、新時代の生産者「赤坂水産」

愛媛県西予市、近くには日本ジオパークに認定された須崎海岸もある美しい自然の中で水産業を行う「赤坂水産」。創業1953年と歴史がありながら、次々と革新的試みに挑戦し、進化し続ける新しい感覚を持った生産者です。今回はそんな赤坂水産の三代目(予定)、赤坂竜太郎さんにお話をお聞きしました。

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赤坂水産が創業した頃は、漁に出て魚を獲るのが当たり前の時代でした。しかし、天然魚が少しずつ減っていることに当時から気づいていた一代目(赤坂さんの祖父)は、自ら資源を作って海と共存するべく、ヒラメの養殖を開始します。魚の病気や時に猛威を振るう自然と真摯に向きあい続けた二代目の奮闘もあり、赤坂水産はやがて愛媛県最大のヒラメ養殖業者へと躍進します。そして現在、三代目(予定)の赤坂さんは別業種の会社勤務を経て家業に戻り、新たに始めた真鯛の養殖事業でも実績を上げつつ、次なる養殖の形を模索して試行錯誤を続けています。

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赤坂水産の他にはない強みの一つが、育てた魚を生きたまま自社の活魚運搬車で運搬し、直送直売していること。それも365日即日納品体制で行っています。これは大変珍しいことで、一般的には養殖魚が一定のサイズまで育ったところで出荷をしますが、赤坂水産では、お客様の要望に応えて、指定されるサイズの魚をその都度生け簀から選んで出荷しているのです。効率と手間を考えるとなかなか実現しづらいこの出荷体制を可能にしているのは、あくまでも市場のニーズ、要望に応えたいという想いです。市場と直接取引をし、お客様が何を求めているかを知ることによって、魚の味や品質の向上にもつながっています。

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「白寿真鯛」と「横綱ヒラメ」は、赤坂水産が誇るブランド魚です。これらの魚たちも長年培われてきた経験と高い養殖技術、そしてお客様の声から生まれました。白寿真鯛は白ゴマを使った独自飼料で育てられているため、身に抗酸化作用を持つセサミンが蓄積されています。子どもから高齢の方まですべての人が安心して食べられる、鮮度と健康を保つ魚です。陸上養殖で育てられている横綱ヒラメは、安全で美しい身質と、日本一の厚みを備えています。白寿真鯛、横綱ヒラメはともに評価が高く、まさに現在の赤坂水産を象徴するブランド魚といえるでしょう。

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赤坂さんは大学では数学を学び、会社員時代には資産運用の定量分析などを担当していたそうです。学生の頃から夏休みには家業を手伝っていたため、養殖業のキツさ、大変さはよくわかっていたとか。しかし、社会に出て経験を積む中で、「キツいなりにも養殖の魅力に改めて気づくことができた」と笑います。また、家業に転職した際には、それまでの仕事を通して磨き上げたデータ分析の力を「意地でも養殖に生かしてやる!」と思ったそうです。実際、データ分析をしていた経験から、新しいことや変化を恐れるのではなく、それに伴うリスクを測りつつ試行錯誤し、進化していきたいと考えています。

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そんな赤坂さんは、スマートAI給餌機・ウミトロンセルの利用の仕方もユニークです。餌やりが楽になる、養殖が効率化するというだけでなく、さまざまな使い方を実験的に試してみて、どの方法でどんな成果が出るか、最適な給餌方法を模索しています。2020年のウミトロンセル導入前に、なんとご自身で似たようなものを作ろうとしていたというから驚きです。また、最近の新たな試みとして、魚の成長を促進する目的で養殖ヒラメの生け簀に緑色ライトの照射を始めました。この挑戦がまた新しいヒラメの誕生につながるかもしれません。

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「魚食文化、日本の魚の品質は今でも世界で評価されています」という赤坂さん。とはいえ、漁獲量は下がる一方、水産業が元気をなくしている日本の現状に歯がゆい思いも抱いています。「日本はこんなに素晴らしい環境があるのに水産業が成長できていない。生産者自体が試行錯誤して、変わっていく、進化させていく、という意識を持たないといけないのだと思います」。白寿真鯛も横綱ヒラメも評価は得ているけれど、それを破壊するぐらいの勢いで失敗しながら、試行錯誤し続けていきたいと赤坂さんは言います。「失敗して、そこから何を学ぶのか。安定を維持するのでなく、その先を見据えて変わり続けていかないと進化することはできません。日本の養殖はまだまだできることがあるはずです」

赤坂さんとの会話の中で、「試行錯誤」「進化」という言葉が何度も出てきました。失敗を恐れずに挑戦を続けるその姿勢と行動は、きっと日本の海と養殖業の未来を変えていくに違いありません。

うみとさち取扱ポリシー(白寿真鯛0/赤坂水産)

※取扱ポリシーについてはこちらをご覧ください。

赤坂水産_集合写真軽

■「うみとさち」公式Webサイト


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