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「原体験をくすぐる」広告代理店マーケターの頭の中 #朝note

毎朝出社後、打刻する前に15分noteを書くを実行中。今は広告代理店マーケターではないのですが・・現職でも昔とった杵柄を頻繁に担ぐ機会があります。頭の中を整理。

大人になっても頭の奥底でうずく、子供の頃の体験

「子供の頃、テレ東のアニメで育ちました!」という声を沢山頂きます。私も幼少期、「12chは自分の番組!」という意識を持っていました。小学校から帰ってきて、17時・18時。12chをつけるといつもアニメや子供たちがファミコンで競っているような番組がやっていました。弟と一緒に仲良く並んで視るのですが・・夕食時になると、父母にチャンネルを変えられてしまう。幼少期の似たような体験・思い出の声を多数目にします。こんなような原体験が、「何となく、判官贔屓的に弱小テレ東を応援したくなる」「俺たちのテレ東」に繋がっている・・?幼少期の原体験って、本当に重要。大人になった今でも、選択や行動の奥底に、じわじわ原体験が眠っていたりします。

幼少期の思い出を刺激する、カップ麺のマーケティング戦略

幼少期の原体験が超重要。商品販売促進の重要なカギになる!という案件が、広告代理店時代のある大手食品メーカー様でありました。某カップうどんなのですが・・商品名を聞いただけで、舌の奥底の方に、しょっぱめの汁の味、チリチリする味が再現されてしまう。太めの麺の独特の噛み心地が再現されてしまう(特に私は固麺派、調理時間5分なら3分、3分なら1分でフタをオープンしてしまう超せっかちタイプなので、麺の固い噛み心地=インスタントの方程式が余計に強い)。この「チリチリする味」や「独特の噛み心地」をお客さまに”再現”して頂くというのが、コミュニケーション上の最重要ポイントでした。誰もが知っている定番商品、今更TVCMでブランド名を連呼する必要もなし。最近食べていないような方に、「そういえば、食べてないな」と記憶再生、体験再現をさせよう!というプロモーションをバンバンやりました。

自宅でドカッと腰を落ち着けて、TVをつけて。ここでカップ麺のCMをみても、記憶再生、体験再現が弱いんです。夕食後の時間帯とかだと特にそう。お腹いっぱいなので、ダメ。なので、記憶再生・体験再現のプロモーションは、屋外メディアで展開しました。通勤通学の行き帰り、お腹空いたなーというタイミングに、電車の中で違和感ありありのカップ麺広告があったり、駅ホームでカップ麺が食べられる飲食コーナーがあったり。お腹空いたなーの移動中に、それまで記憶の片隅にあっても、センターを陣取ってはいなかったカップ麺記憶群が、ぐぐいっと呼び覚まされます。そして屋外の素敵なところは、「今日の帰りにコンビニで買って帰ろう」とその場ですぐに購入まで促せることです。自宅でTVでは、こうはいきません。わざわざコンビニまで買いに家を出るの、面倒ですもんね。

そして困った、原体験がない若い世代

カップ麺案件で困ったのが、20代以下の若い世代の新人類。幼少期にカップ麺、食べてなかったのです。呼び覚ます原体験がない。再現させたい体験・記憶セットがインプットされていない。

30代以降の我々世代は、みんなカップ麺を食べた原体験を持っています。何故か?子供のころを思い出してください。自宅の棚の中に、カップ麺が買い置きされていませんでしたか?もしくは、袋麺があったはず。母親がスーパーなどで購入、買い置きがあったのです。それを、お湯を注いで食べた、袋麺を調理してもらって食べた、それが原体験になっています。

今の20代以下の若い世代には、この原体験がない!!何故か。今の20代以下の若い世代の親世代は、我々原体験を持っている世代のはずです。それなのに、原体験がない。その理由がオモシロイ。犯人は、コンビニエンスストアでした。今の若い世代の子供たちは、お腹が空いたら母親から「お金あげるから好きなモノ、コンビニで自分で買ってきなさい」というのが多いようです。コンビニで自分が好きなモノを手にとる・・・の選択肢に、カップ麺のうどんは全くあがってこない。だから、原体験がすっぽりと抜けてしまっていました。これはこれで由々しきマーケティング課題。原体験を刺激するプロモーションと別に、如何にして原体験のないカップ麺を若い人たちに食べてもらうか?というプロモーションが企画され、実行されました。

なかなか新しい記憶、新しい理解、新しい意向を築くのが難しい昨今。「原体験を引き出す、刺激する」というマーケティング・プロモーションは超有効な手立てになります。

毎朝出社打刻前15分のnote活動

毎朝出社後、打刻する前に15分noteを書く、を実施中。実際にやってみると、メール処理などがあって大変。。仕事激務時はお休みします。※「それならもっと早くに出社すれば良いのでは?」というお声に対しては、既にニア始発出社であることを言い訳併記。


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