見出し画像

注射痕感傷麻薬中毒患者


■2019/05/16 木

歯を抜く日。
最後の晩餐とばかりにカレーをたべる。昨日のリベンジのためにサンテリア。安定のキーマ。
そして臨む抜歯。

けっこう待ち時間がながい。出てきた先生は若い女性で、あきらかに経験がそんなにない感じ……だ、大丈夫なのか。
麻酔からスタート。切開、までは順調。そのあとドリルみたいなのでガリガリやられる。めっちゃがくがくする。終わったかなと思ったら、
「いまから歯を砕いていきますね」
いまのはなんだったんだ。どうやら歯を砕く前に顎の骨を削っていたらしい。
ドリルの種類がかわったらしく、ものすごい工業製品の臭いが。油のこげるような臭いがする。じっと耐える。耐える。が、
「ぎゃあ!」
神経にふれてとびあがる。麻酔増加。
耐える。人類にはなぜ親知らずなどというものがあるのだろうか。なぜ歯が横にはえるだけでこんな目に合わなくてはならないのだろうか。親知らずとはそもそもなんなんだ。存在の意味がわからない。親知らずについて考えているとだんだんゲシュタルト崩壊してくる。そのうちアルグールアルグールという言葉が浮かんでは消える。なんだっけアルグールって……なんだかわらないけれどアルグール。さらにはあごがだるくなってくることにちなんで、二十年くらいまえにどっかのファミレスでギャルが「一時間くらいフェラしたから今日は顎がいたい」という話をしていたのを思い出して、あ、いま俺その気持を味わってるんだな。フェラって大変だな。という崇高な気分になってくる。
「ぎゃあああああ!」
また神経に……麻酔追加。
「もうちょっとかかりますね」
もはや待つしかない。待つしかないのだ。俺は無力だ。
「根本が肥大していて、なかなか……」
「○○先生呼びますか」
「大丈夫です」
あ、なんかこれはけっこう面倒なやつかな。俺大丈夫なのかな。さらにドリルとかなんかでガリガリされる。
「はい抜けましたー!」
やっと抜けた……もうだめだ……。
「虫歯が痛かったのかもしれませんね。奥歯がたぶん虫歯なのでまた治療してください」
まじですか……さらにまだ治療ですか。確かにそこ痛かったけど一回治療したんですよね……。
なんとか終わったのだが、妙に痛い。歯ではなく顎の内側がいたい。どんどん痛くなってくる。なんだこれ……痛いな。
帰って夕食は昨日買っておいたウィダーインゼリー。助かった……。それにしてもいてえ。だんだん痛くなってきたのでロキソニンを投入する。
夜中痛くなったらやだなあ。

▼ダークソウル

ここから先は

2,599字

¥ 100

よりよい生活のために役立てます。