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忍殺TRPG公式サンプルシナリオ二次創作小説風リプレイ【ソウカイ・リヴェンジ(その9)】

アイサツ

ドーモ、海中劣と申します。こちらの記事はニンジャスレイヤーTRPG公式サンプルシナリオを改変してプレイした記録の小説風リプレイとなっております。ニンジャスレイヤーTRPG及び公式サンプルシナリオについては下記の記事をご覧ください。(有料記事となります)

なお本記事はニンジャスレイヤーTRPGのサンプルシナリオを改変しプレイした記録であり一部公式より抜粋、改変させていただいている記述がありますがニンジャスレイヤー本編及び実在の人物・団体とは関係ございません。
また、PLもNMもすべて私が行っております。ご了承ください。

こちらの記事は前回の続きとなっております。よろしければそちらから見てやってください。

ではやっていきたいと思います!

本編

リザルト(ソウカイ・シンジケート)

「ムハハハハ!ムッハハハハハハハハ!」トコロザワピラー天守閣、謁見の間。響き渡るラオモトの哄笑は彼がこの上なく上機嫌であることを意味している。「デカシタ!あの時代遅れの遺物どもをようやくこのネオサイタマから掃除することに成功したという訳だ!ムッハハハハ!このワシのネオサイタマに黴の生えたドージョーなど不要よ!ムッハハハハハ!」

「ハハーッ!ラオモト=サンの仰る通りです!」「ハハーッ!絶対にまったく!その通りで!」ラオモトの座する玉座タタミの前で隣り合ってドゲザするヘルカイトとブレードブレイカー。やや後方にはブラインドとチキンハートの姿がある。この位置関係が意味することとは。

「ムッハハハ……貴様らの働きに褒美をくれてやろう!受け取るがいい!」ラオモトが手を叩くと、彼に侍っていた金髪オイラン達が静かに立ち上がり、黒漆塗りの重箱をヘルカイトとブレードブレイカーの前に恭しく置いた。

B:ドラゴン・ゲンドーソーを爆発四散させることはできなかったが、タケウチを打ち込むことに成功。ニュービーニンジャは全滅させた。またニュークを起爆させ、ドージョーを跡形もなく破壊した。

更にユカノを生け捕りにしたことにより評価+1
A:【万札】100を山分け。全員が【名声:ソウカイヤ】+5

「「アリガタキシアワセーッ!」」ヘルカイトとブレードブレイカーは同時にドゲザした。重箱を両手で持って僅かに自分の側に寄せると、部屋の端で待機していたクローンヤクザに目配せして運ばせる。彼らは既に万札やコーベインを慌てて懐に詰め込むようなサンシタではない。

「ムッハハハ……ときに、ブレードブレイカー=サン。ドラゴンドージョーのニンジャ共のカラテはどうであった。何か俺様の役に立つような収穫はあったか」「ハッ……多少、手こずらされましたが……」ブレードブレイカーは自らの見栄と事実の境界線にある言葉を探す。弱かったとも強かったとも単純には言いにくい。

「…………非ニンジャのユカノがあれだけのワザマエを持っていた以上、そのアーツにいくらかの価値はあるかと」「ほう………ムハハハハ!なるほどな!」ラオモトが機嫌を損ねなかったことにブレードブレイカーは小さく息を吐く。「………では、貴様のカラテはどうだ。ブレードブレイカー=サン」ラオモトが扇子を広げながら不意に言った。「はっ……?それはどういう……」



「「イヤーッ!」」

空気が凝縮し、破裂し、カラテの余韻を残して震えた。


ブレードブレイカーカルマロンダリング:2d6 = (3+3) = 6

出目6:『どれ、ワシがひとつ稽古をつけてやろう』

ラオモトとの稽古によりカラテ12へ(戦闘省略)


その瞬間、何が起きたかを当事者たち以外で完璧に理解した者は横に居たヘルカイトのみであった。ラオモトが投擲した扇子をブレードブレイカーが右手の指の間に挟んで受け止めたのだ。謁見の間に緊張が走る。………やがてラオモトがニヤリと笑い、口を開いた。

「ムハハハハハハ!ワザマエ!オヌシのカラテはもはやアンダーカードなどで遊ばせておくには惜しい!分かるなブレードブレイカー=サン!………今までの働きと今回の任務達成の報酬として、オヌシをシックスゲイツに昇格させてやる!励めよ!ムッハハハハ!」「……ハハーッ!アリガタキシアワセーッ!」

ブレードブレイカー、シックスゲイツに昇格
『心身の充実』『専用トレーニングフロア』をGET

「ムッハハハハ!ではこれにて解散とする!退室してよし!ムハハハハ!」「ハッ!シツレイシマス!」「今後もラオモト=サンのために働きます!」「失礼致します……ブラインド=サン!」「……………フゴッ、オハヨゴザイマス!……じゃなかった、シツレイシマス!」四人のニンジャは謁見の間から去っていった。

◇◇◇

「おめでとうございます、ブレードブレイカー=サン」「オメデト!ブレードブレイカー君!お祝いに何か奢って!」「くたばれアホ女。まあテメェらも礼を言っといてやるよ。この俺の役に立ったからなァ。カハハハッ」この時、ブレードブレイカーには非常に珍しいことに、部下に対する感謝の言葉を口にした。(これでも感謝しているのだ)

「……まあ、アンタにもドーモと言っておきますぜヘルカイト=サン。これからドーゾヨロシク。同僚としてなァ」「……フン」ヘルカイトは面白くなさそうに鼻で息を吐き、ブレードブレイカーを睨みつけたが罵詈雑言を返すようなことはしなかった。(彼なりにブレードブレイカーを認めているのだ)「いいか、一つだけ言っておくぞ」

ヘルカイトはブレードブレイカーへ人差し指を突き付ける。「これがゴールだと思っているならその甘ったれた認識を捨てろ。シックスゲイツとしての自覚を持て。ラオモト=サンの顔に泥を塗るようなことが無いようにな!」「………忠告ドーモ、センパイ」「フン!」ヘルカイトは言いたいことは言い終えたとばかりに、足早に離れていった。

「………さて、これから俺は専用のトレーニングルームに行く。楽しみだぜ。カハハッ」「いいなー。遊びに行っていい?カリブーも一緒に」「死ねアホ女。遊び場じゃねェんだよ。テメェは絶対に部屋に入れねェ」「じゃあ俺は病院に行きます………オタッシャデ」「おう、アバヨ」「バイバーイ!」


…………こうして、命懸けの任務を終えた三人はそれぞれの帰路へと着いた。彼らのこれからの行く末がどうなるのか。絡み合う運命はより一層その複雑さを増し、三人を翻弄する。彼らのインガがどのようにオホーするのか。ドクロめいた月は静かにその時を待つ…………

各自リザルト
ブレードブレイカー【万札:35】
ブラインド【万札:34】
チキンハート【万札:34】
全員が【余暇:6日】GET!

◆◆◆

…………ブレードブレイカーたちの去った後の謁見の間にて、ラオモトと言葉を交わすニンジャが居た。油断ならぬアトモスフィアを湛えた初老の男、ソウカイシンジケート最高幹部、ゲイトキーパー。金髪オイランやクローンヤクザ達は人払いされており、部屋の中に居るのは彼らのみだ。

「……チキンハート=サンは両腕を失ったこと、そして性格を鑑みるとシックスゲイツとしては不適格かと」「では誰にするつもりだ」「……いくつか提案がございます」「ザイバツの動きは」「ダイダロス=サンが電算機室にハッキングを行います……それと、例の組織について」「アマクダリ・セクトか」「ハッ……いかがいたしましょう」「………フム」

◆◆◆

ブレードブレイカー余暇1日目:ワザマエ鍛錬成功→ワザマエ9へ
ブレードブレイカー余暇2日目:モータルハント→【万札:11】GET
ブレードブレイカー余暇3日目:▷オーダーメイドヒキャクカスタム(ブースターカラテ・ユニット読み替え)増設
ブレードブレイカー余暇4日目:スキル習得失敗
ブレードブレイカー余暇5日目:スキル習得成功『◉一瞬の勝機』
ミニオンオイラン:オイラン:1d6 = (2) = 2 【万札:2】GET
ミニオンイタマエ:『オーガニック・スシ』GET※

※イタマエは流石に一人のニンジャだけに握るならカロウシはしないと判断しています。ご了承ください。


ブラインド余暇1日目:ニューロン鍛錬成功→ニューロン11へ
ブラインド余暇2日目:ニューロン鍛錬失敗
ブラインド余暇3日目:ニューロン鍛錬失敗
ブラインド余暇4日目:ニューロン鍛錬失敗
ブラインド余暇5日目:モータルハント→【万札:1】GET
ブラインド余暇6日目:『オーガニック・スシ』購入


………数日後!

「イヤーッ!イヤーッ!」チキンハートはソウカイヤのトレーニングルームで木人相手に左右のチョップを打っていた。そう、チョップである。彼の失われた筈の両腕は既にゴイリヨウ化学の経営する病院で医療用サイバネへと置換されていた。今行っているトレーニングは新しい腕の慣らし運転であり、新たな力を手に入れるための鍛錬でもあった。

「イヤーッ!イヤーッ!……フー」前回のイクサのブザマを反省した彼はこれを機に己のワガママを通すための力……殺さないための力を身に付けようとした。幸いトレーニングは順調で、自分の思い描く通りの技を習得することが出来た。チキンハートはタオルで汗をぬぐい、ペットボトルのミネラルウォーターを飲み干す。

「大分コツが掴めたぞ……後は実戦で役に立てられるようにしないとな……」数十秒のインターバルを終え、もうワンセット同じトレーニングを行おうとベンチから立ち上がったその時、部屋の自動フスマが開いて白衣を着用したクローンヤクザがエントリーしてきた。(何だ……?)チキンハートは怪訝な目を向ける。ヤクザと目が合った。「え」

周囲でトレーニングを行っているソウカイニンジャ達は気が付いていないのか、あるいは気付いていないフリをしているのか見向きもしない。クローンヤクザたちはチキンハートへと真っ直ぐに近付く。そして。「チキンハート=サン。リー先生がお呼びです。今すぐリー先生のラボへ来てください」「え」チキンハートは固まった。

◆◆◆

「………という訳である程度任務をこなしたニンジャのデータは私のラボに送られて来るんだネェー。その中で私の知的好奇心を刺激するようなニンジャが居ればラボに拉致……もとい招待するということだ!誰でも無作為に選んでいるという訳ではない。光栄に思いたまえ!」「……はぁ」チキンハートは力無く返事をした。

目の前で熱弁を振るう血で汚れた薄汚い白衣を纏った男の胸には『リー・アラキ先生』と書かれた灰色のネームカード。彼こそは非ニンジャでありながらラオモトより巨額の資金提供を受け、ソウカイヤにおいてある程度の地位を認められた狂気の天才科学者、リー・アラキ。ニンジャサイエンスの第一人者であり、トコロザワピラーに設立されたこの悪夢的ラボの主である。

部屋の中では白衣を着たクローンヤクザや防護服を着た奴隷スモトリ達が忙しなく動き回り、何やら時折悲鳴のようなものまで聞こえてくる。鼻を突くケミカル臭で涙が浮かび、歩く度に床に薄く広がった粘着性の何かが靴底にへばりいて足を取られそうになる。モータルならばこの空間に1時間も居れば発狂するだろう。

「君が使うヘンゲヨーカイ・ジツについてだが、どうやらソウルを制御しきれていないようだ!カラテの消耗が激しいと見えるがどうかネェー?」前を歩いていたリー先生がチキンハートへ顔をグイと近づける。チキンハートは若干後ずさりながら何とか返事を返した。「……確かに、それは感じています。足だけヘンゲしていた時は感じなかったんですが……」

ザイバツシテンノの一人、レッドゴリラとのイクサを経てチキンハートのヘンゲヨーカイ・ジツは以前の物より格段に『深い』領域まで辿り着いた。しかしその分、精神力の消費が激しくなったのもまた事実であった。「その悩みを解消するために実験……施術を行おうと君を呼びつけたという訳だ!理解したかネェー?」「……アッハイ」

リー先生は説明を続けながらスライド式の鋼鉄フスマドアを開く。そこはやや広めの小部屋であり、中央には電動式の外科用手術台。部屋の中ではオレンジ色の髪をボブカットにした女性……フブキ・ナハタ女医が手術台とケーブルで直結されたUNIXの操作を行っていた。「アーン、お待ちしておりましたわセンセイ。準備はバッチリですわ!」「イヒヒー!流石だフブキ君!後でご褒美を上げよう!」「アーン、いけませんわセンセイ」

「………」チキンハートはこれから自分の身に起こる事象を想像し、冷や汗を流す。そしてリー先生はモンドムヨーであった。「ソウルが馴染めば君の感じている消耗も抑えられる筈だネェー。早速手術台に横になりたまえ。時間の浪費は許可しないネェー」「……ワカリマシタ」チキンハートは観念して言われた通りにする。

チキンハートが手術台の上に寝そべるとフブキ女医が無表情で両腕と両足をベルト拘束する。流石に何か言おうとしたチキンハートであったが、それより早くフブキ女医の手に握られた極太注射器から謎の薬品がチキンハートの腕の静脈へと投与される!「エッ!ちょっ!リー先生!?」「さあ!実験開始だネェー!」リー先生はチキンハートの抗議の声を完全無視!

「いいかねチキンハート=サン!君に宿ったソウルはニワトリ・ニンジャクランのものであることは揺ぎ無い事実。そして文献などの記述を信じるとすればだが恐らくグレーター級の……」リー先生は熱の籠った説明を続けていたが、チキンハートは薬の影響か、徐々に意識が遠のいていき、リー先生の言葉は彼の頭上を浮雲めいて通り過ぎていった………

◆◆◆

チキンハート余暇1日目:医療用サイバネで欠損部位治療
チキンハート余暇2日目:スキル習得成功『●ミネウチ』
チキンハート余暇3~6日目:リー先生のラボでジツ拡張→ジツ6へ


リザルト(ドラゴンドージョー)

ネオサイタマ自然公園、このマッポーの世に置いて電子ネットワークが齎す恩恵と弊害のどちらとも無縁なこの土地にドラゴンドージョーの隠し庵は存在する。ひっそりと佇む前時代的な建物の中にニンジャスレイヤー、ドラゴンチック、そしてゲンドーソーの姿があった。

「スゥーッ…ハァーッ…」ゲンドーソーはフートンにその身を包み、虫の羽音のようなチャド―呼吸を繰り返している。既にウイルスは彼の全身に回り、肉体と精神を極限まで蝕んでいた。

◆ドラゴン・ゲンドーソー : ドラゴン・ダイイング   (種別:ニンジャ)
カラテ        3        体力        3
ニューロン     5        精神力       5
ワザマエ      3        脚力         2
ジツ        1        万札        10

装備や特記事項
 装備:伝統的ニンジャ装束(回避ダイス+1個)
 スキル:『◉チャドー呼吸』。『●浮世離れ』
 アーチ級能力:「★★★老いたる龍の教え」

『★★★老いたる龍の教え』
 ドラゴンニンジャ・クランの長の存在は、弟子たちの士気を大いに高揚させる。
 このため、同じマップ上にドラゴン・ゲンドーソーが存在している場合(行動不能状態を含む)、
 ドラゴン・ドージョーに所属する全てのニンジャ(最大12人まで)は、
 『近接攻撃ダイス』、『遠隔攻撃ダイス』、『回避ダイス』がそれぞれ+1個される。
 加えて、ドラゴン・ゲンドーソーはターン開始時に1人だけ重点インストラクション相手を決めること。
 このキャラは、そのターン中『近接攻撃ダイス』、『遠隔攻撃ダイス』、『回避ダイス』がさらに+2個される。

◉チャドー呼吸
 その場で神秘的なアグラを組み、チャドー呼吸を開始する。
 移動したターンには使用不可。『その他の行動』として使用。
 直ちに【ニューロン】+【ジツ】判定を行い、出目6だったダイスの個数だけ自らの【体力】を回復する。
 これによる回復の上限は、自らの【体力】初期値の半分(切り上げ)までである。

●浮世離れ
 ドラゴン・ゲンドーソーとドラゴン・ユカノは、長らく人里離れた山奥でドージョーを営んできた。
 このため、UNIXやIRCなどの最新テックを用いたハッキング判定に難易度+2のペナルティを受ける。

「センセイ……」「……」フートンの横で正座するドラゴンチック、ニンジャスレイヤーは沈痛な面持ちでゲンドーソーを見守る。このまま手をこまねいていればどうなるかは火を見るよりも明らかだろう。一刻も早く解毒を行わなければゲンドーソーの命は無い。だが一体どうやって?彼らには何の手掛かりも無いというのに。

「………」ドラゴンチックはぎゅっと目を瞑り、涙が出るのを堪える。無力感が彼女の背中に重く圧し掛かり、弱り切った心を押し潰そうとしていた。「私が何とかする」その時、ドラゴンチックのニューロンに素っ気無いが決断的な意思を込めた言葉が染み入った。「ニンジャスレイヤー=サン……?」フジキドはゲンドーソーを、そしてツクの顔を見た。

「リアルニンジャを無力化するほど強力な毒を作れる個人や組織がそう多くあるとは思えぬ。そして敵の首魁……ラオモトがこの毒に対して何の対抗策も用意していない筈がない。必ずや解毒薬が存在する」それは半ば願望の入り混じった推測であったが、実際的を射た推理であった。「私がそれを手に入れる。そしてセンセイを救う」

「………ありがとう、ニンジャスレイヤー=サン」ツクは小さく肩を震わせ、目の周りを指の先で拭った後、小さく礼を言った。この時、フジキドですらそれを自覚出来なかったが………仲間を失い、敬愛する姉弟子を奪われ、尊敬する師さえも倒れたことで傷ついた少女の心は、例え僅かでも確かに救われたのだ。フジキドの言葉によって。


…………「ニンジャスレイヤー=サン、これを」ゲンドーソーが眠りについたことを確認し、隠し庵から出発しようとしたフジキドにドラゴンチックはあるものを渡した。「これは?」フジキドは紐で口を閉じられた小袋を受け取る。「ニンジャピルです。一粒食べれば元気になって毒も消えます……センセイには効かなかったけど」ドラゴンチックはバツが悪そうに言った。

「何かの役に立つと思います。持っていって下さい」「……頂こう。感謝する」フジキドは礼を言った後、小袋を懐へと入れた。

「ニンジャピルの小袋」はニンジャスレイヤーへ

「ユカノ=サンはあたしが探します」ドラゴンチックはニンジャスレイヤーの目を見据え、宣言した。ニンジャスレイヤーは見つめ返した。「承知した」「お気を付けて、ニンジャスレイヤー=サン」「ああ」短い言葉を交わし、ドラゴンドージョーの門下生たちはそれぞれの道へ別れていった。

◇◇◇

ニンジャスレイヤーは己の殺意を研ぎ澄ませる。今までは情報収集も一人で行ってきた。だが、ニンジャスレイヤーは今回の件で協力者……それも腕の立つ情報屋の必要性を感じ取っていた。(敵の情報は勿論、センセイを救うための解毒薬の在処……私一人ではやはり限界がある)

ニンジャスレイヤー地獄の猟犬:1d6 = (1) = 1
出目1:『●入念なる下調べ』:
『Wasshoi!判定』の出目が今後つねに+1される。
また『Wasshoi!判定』でニンジャスレイヤーの到着が決定した場合、
NMはそのエントリー方法判定のダイスを1個ではなく2個振り、好きな方の出目を採用できる。

(まずは適当なソウカイニンジャを捕らえ、インタビューする。その情報をもとに情報屋を雇い、解毒薬を手に入れる……!)まるで波に飲まれた針一本を探すために大海の水を全て汲み出すような途方も無い話である。だが、やるしかない。

(私を迎え入れてくれたセンセイたちのためにも必ず成し遂げる……必ず……!)ニンジャスレイヤーはネオサイタマ自然公園から都市部へと戻っていく。ネオンの海へ。ケオスの街へ。ニンジャどもの巣へと。「Wasshoi!」今、ニンジャスレイヤーの新たな戦いが始まった。

◆◆◆

一方、ドラゴンチックもニンジャスレイヤーとは別に行動を開始していた。ゲンドーソーを一人残していくのは心配だが、全てをニンジャスレイヤーに任せきりにすることは出来ない。「イヤーッ!」ドラゴンチックは自然公園のバンブー林を掻き分けながらネオサイタマ都市部へと走る。

「あの男の人達……昔の門下生だったのかな」ドラゴンチックはドージョーの庫裏二階で見た写真のことを思い出していた。写真だけ、ということは既に故人となっているのかもしれない。生憎ゲンドーソーはすぐに意識を失ってしまったため、話を聞くことは出来なかったが………「もし生きてたら……ユカノ=サンの事を話したら……協力してくれるかな」ドラゴンチックの当面の目的が決まった。

「イヤーッ!」自然公園の敷地から出たドラゴンチックは夜の摩天楼を駆ける。彼女の首飾りがじゃらりと揺れた。アミュレット・オブ・クレオパトラ。ドージョーから脱出する際、彼女が持ち帰った秘宝である。「イヤーッ!」熱によって赤く染まった宝石と黄金が月光を反射し、煌めいた。

「マキモノ・オブ・シークレット・ニンジャアーツ」2個と「見事な松ボンサイ」は売却
【万札:21】GET

報酬:なし
余暇:なし


◆◆◆

………………フートンの上で眠りから覚醒したゲンドーソーは一枚の写真を眺めていた。その手に持つのはドラゴンチックが回収した若かりし日のゲンドーソーと彼の師が写った写真である。ドラゴンチックが枕元に置いていったのだ。その目は昔日を思い浮かべているかのようだった。「ユカノ……どうか無事でいてくれ……」彼は孫娘の名前を呼んだ。


「そして申し訳ございませぬ……センセイ」そこまで言ってゲンドーソーは意識を失うように再び眠りへと落ちた。彼の右手から写真が滑り、ひらひらと舞ってフートンの上に重なった。写真に写るのは若かりし日のゲンドーソー、そしてユカノによく似た女性………

まるで、瓜二つの………



後書き

はい、長くなってしまいましたがドラゴンドージョー襲撃シナリオ終了となります。

それぞれのステータスはこう!

ニンジャ名:ブレードブレイカー
【性別】:男
【カラテ】:12         【体力】:15/15
【ニューロン】:6       【精神力】:7/6
【ワザマエ】:9        【脚力】:7
【ジツ】:3(近接武器)    【万札】:10
【DKK】:2          【名声】:27

【アイテム】:**イチガツ**(カタナ)
       近接攻撃ダイス+2 『射撃基本難易度:HARD』、『連続側転難易度+1』
      :オーガニックスシ:【体力】を3回復(使い捨て)
      :ZBRアドレナリン注射器:次の手番まで【脚力】+2、行動不能状態にある仲間の蘇生(使い捨て)
      :トロ粉末:【精神力】を2回復(使い捨て)

【サイバネ】:▶ヒキャク:【脚力】+1、回避ダイス+1個
       ▷オーダーメイドカスタム(ブースターカラテ・ユニット読み替え):近接攻撃ダイス+1個

【装備品】:フルヘルムメンポ【体力】+1
     :*高級ヤクザスーツ NPCに対する説得や脅迫時、1つの判定につき1回だけダイスを振り直せる。
      またこのシナリオの後に『カルマ・ロンダリング』を行う場合、1回だけダイスを振りなおせる。

【スキル】:『連続攻撃2』『連射2』『疾駆』
      ●ツジギリ ●タツジン(イアイドー) ●頑強なる肉体
      ◉ヒサツ・ワザ(マキアゲ) ◉一瞬の勝機

【備考】:アジトに『風呂』【精神力】+1

ソウカイ・シックスゲイツの一人。肩に担いだ妖刀『イチガツ』を扱う。
彼がカタナを振るったものは何故か切断されず、打撃的衝撃によって破壊される。


ニンジャ名:ブラインド
【性別】:女
【カラテ】:4        【体力】:7/7        
【ニューロン】:11     【精神力】:13/13
【ワザマエ】:5       【脚力】:3
【ジツ】:0         【万札】:5
【DKK】:6         【名声】:17

【アイテム】:ウイルス入りフロッピー:
       使用するとそのハッキングの難易度がー1される。使用後ダイスを1個振り、
       出目が3以下だった場合、このアイテムは失われる。
      :オーガニックスシ:【体力】を3回復(使い捨て)
      :トロ粉末:【精神力】を2回復(使い捨て)
      :ZBRアドレナリン注射器:次の手番まで【脚力】+2、行動不能状態にある仲間の蘇生(使い捨て)

【サイバネ】:▶生体LAN端子+【ニューロン】判定時にダイス+2個、ハッキング時にさらに+4個
       ▷無線LAN攻撃用ユニットLAN直結を行うことなく「生体LAN端子」持ちの敵に対し遠隔ハッキング攻撃を仕掛けられる。

【装備品】:スゴイテック社製LAN直結攻撃用ケーブル:『特殊近接武器』、『ダメージ0』、『戦闘スタイル:直結攻撃』
     :パーソナルメンポ:【精神力】+1
     :*キーボード・オブ・ザ・ゴールデン・エイジ*:ハンドヘルド型レリックキーボード。ハッキング絡みの判定時に、ダイスを全て振り直すことができる。
       1回の判定につき1回までしかこの振り直しは行えない。また、任意のダイスだけを振り直すこともできない。シナリオ中1回限りの使用。

【生い立ち】:『ピンハネ』

【スキル】:『時間差』『マルチターゲット』
      ◉『挑発』◉『翻弄』◉『痛覚遮断』

【備考】:アジトに『サイバーカリブー』(『危険生物飼育施設』あり)
     アジトに『プール』(【精神力】+1)

ソウカイヤの女ニンジャ。怠惰で無計画。
アイマスクめいたメンポとジャージめいたニンジャ装束を纏う。


【ニンジャネーム】:チキンハート
【性別】:男       
【カラテ】:6         【体力】:7/7
【ニューロン】:5       【精神力】:6/6
【ワザマエ】:10        【脚力】:7
【ジツ】:6(ヘンゲヨーカイ) 【万札】:16
【DKK】:1           【名声】:22

【アイテム】:家族の写真

【ジツ】:★肉体破壊 ★★グレーター・ヘンゲヨーカイ・ジツ
     ★弾き飛ばし ★ヘンゲ・マスタリー

【サイバネ】:▶クロームハート:【体力】+1、【精神力】+1
       ▷第二の心臓:『サツバツ!』の出目6を受けた場合、即死をまぬがれ、
              本来のダメージ+D6ダメージを受けるだけで済む。
              1回限りの使用(使い捨てで再増設が必要)。  
                                  
【装備品】:伝統的ニンジャ装束:回避ダイス+1個

【生い立ち】:○実家のカネ

【スキル】:『連射2』『疾駆』
      ●『ミネウチ』
      ◉『トライアングル・リープキック』◉『常人の三倍の脚力』
      
【備考】:カラテの壁突破鍛錬蓄積2(センセイ役:ブレードブレイカー)

下流カチグミ家庭の青年カナオリ・ショウジにニンジャソウルが憑依。
唯一の友にして家族、ヒナイの写真を常に懐に忍ばせている。


【ニンジャネーム】:ドラゴンチック
【性別】:女
【カラテ】:9          【体力】:10/10
【ニューロン】:8        【精神力】:12/12
【ワザマエ】:8         【脚力】:5
【ジツ】:3(カトン・ジツ)   【万札】:106
【DKK】:0           【名声(ドラゴン)】:18

【アイテム】:オンセン宿泊招待券
       オーガニックスシ:【体力】を3回復(使い捨て)

【装備品】 :生成装束(伝統的ニンジャ装束【回避ダイス+1】【精神力+1】)
       生成メンポ(パーソナルメンポ【精神力+2】)
       **アミュレット・オブ・クレオパトラ** 【精神力】【体力】+1

【生い立ち】:○未覚醒のアーチ級ニンジャソウル憑依者

【ジツ】  :★★★共振装束生成 
       ★カトン・ドレスアップ(カトン・パンチ読み替え)(未熟、発動時【精神力】更に+1必要) 
       「難易度:NORMAL」で判定。『素手』および『バイオサイバネ』で繰り出したダメージ全てに、
       炎による+1の修正が入る。さらに『近接攻撃』時のダイスが+1個される。

【スキル】 :『連続攻撃2』『時間差』『マルチターゲット』『連射2』『疾駆』
       ●ミネウチ
       ◉タツジン(ジュージツ)

【備考】  :

おかしいな、任務に失敗したドラゴンチック=サンが一番実入りがいい気がするぞ。まあいいか。ブレードブレイカー=サンも念願のシックスゲイツになりましたしね。

それでは、ここまで読んで下さってありがとうございました!