忍殺TRPG小説風リプレイ【ダンス・ダンス・ダンス!(その1)】
アイサツ
ドーモ、海中劣と申します。こちらの記事はニンジャスレイヤーTRPGの小説風リプレイとなっております。ニンジャスレイヤーTRPGについては下記の記事をご覧ください。
なお本記事はニンジャスレイヤーの二次創作小説でありニンジャスレイヤー本編及び実在の人物・団体とは関係ございません。
今回挑戦させていただいたのはしげさん作成のシナリオ【トリック・オア……】です。詳細は下記の記事をご覧ください!
※なお、リプレイにあたりシナリオの描写を一部改変させていただいております。ご了承ください。
ネタ系のシナリオということで今回の挑戦者はうちのネタ系ニンジャ、ブラインド!
ニンジャ名:ブラインド
【性別】:女
【カラテ】:4 【体力】:7/7
【ニューロン】:12 【精神力】:14/12
【ワザマエ】:5 【脚力】:3
【ジツ】:1 【万札】:14
【DKK】:6 【名声】:20
【アイテム】:ウイルス入りフロッピー:
使用するとそのハッキングの難易度がー1される。使用後ダイスを1個振り、
出目が3以下だった場合、このアイテムは失われる。
:オーガニックスシ:【体力】を3回復(使い捨て)
:トロ粉末:【精神力】を2回復(使い捨て)
:ZBRアドレナリン注射器:次の手番まで【脚力】+2、行動不能状態にある仲間の蘇生(使い捨て)
【サイバネ】:▶生体LAN端子+【ニューロン】判定時にダイス+2個、ハッキング時にさらに+4個
▷無線LAN攻撃用ユニットLAN直結を行うことなく「生体LAN端子」持ちの敵に対し遠隔ハッキング攻撃を仕掛けられる。
【装備品】:スゴイテック社製LAN直結攻撃用ケーブル:『特殊近接武器』、『ダメージ0』、『戦闘スタイル:直結攻撃』
:パーソナルメンポ:【精神力】+1
:*キーボード・オブ・ザ・ゴールデン・エイジ*:ハンドヘルド型レリックキーボード。ハッキング絡みの判定時に、ダイスを全て振り直すことができる。
1回の判定につき1回までしかこの振り直しは行えない。また、任意のダイスだけを振り直すこともできない。シナリオ中1回限りの使用。
【生い立ち】:『ピンハネ』
【スキル】:『時間差』『マルチターゲット』
◉『挑発』◉『翻弄』◉『痛覚遮断』
【備考】:アジトに『サイバーカリブー』(『危険生物飼育施設』あり)
アジトに『プール』(【精神力】+1)
ソウカイヤの女ニンジャ。怠惰で無計画。
アイマスクめいたメンポとジャージめいたニンジャ装束を纏う。
ちょっと別のシナリオに行っていたので所持万札とステータスに変化があります。
それではやって行きたいと思います!
ダンゴウ
「そんじゃあチキンハート君お大事にね!もう無理しちゃだめだよ!マジで!」「ええ、わざわざどうもありがとうございました、ブラインド=サン」ブラインドは真っ白なシーツが敷かれたベッドの上で横になるチキンハートへ、ひらひらと手を振りながら病室を後にした。
同じチームに所属するチキンハートが野良ニンジャをスカウトしようとして返り討ちにあったと聞いたブラインドは大急ぎでサイバーカリブーを走らせ、トコロザワピラー内にある医務室へと訪れた。幸いチキンハートの怪我はそこまで深刻なものではなく、安心したブラインドは見舞いの品として持ってきたフルーツを全て一人で平らげた。
「チキンハート君でも失敗するなんてスカウトって大変なんだなあ……ブレードブレイカー君はダイジョブなのかな」独り言を呟きながら廊下をフラフラと歩く。その足の向かう先は出口であるエントランスではなく、ピラーの更に上階へと向かうエレベーターだ。
ポーン。『秘密ブリーフィングルームドスエ』マイコ音声のアナウンスと共に扉が二つに割れ、隙間から漏れたエレベーター内の光が廊下の暗黒を四角形に裂いた。「暗いなー」エレベーターの扉が閉まるともはやニンジャ視力の持ち主でなければ歩くことすら覚束ないほどの暗闇だ。ブラインドは廊下の壁に手をつきながら少しずつ進み、やがて辿り着いたブリーフィングルームのフスマドアを開けて中へと入る。
部屋の中はやはりと言うべきか、廊下と同じ暗闇に包まれていた。「ソニックブーム=サーン。来ましたよー。何の用ですかー」ブラインドの間延びした声が部屋の中に反響する。そう、ブラインドがソウカイヤの中でも選りすぐりのニンジャしか使用できない秘密ブリーフィングルームへ訪れた理由は、上司でありシックスゲイツの一人でもあるソニックブームからの呼び出しが原因であった。
「来たか………」やがて闇の中からドスの効いた男の声が聞こえてきた。少し遅れて、声のした方からヤクザスーツにリーゼントヘアのニンジャが姿を現す。ソニックブームだ。バン!バン!バン!部屋の照明が一斉に点灯し、スポットライトめいてソニックブームの姿を照らし出す。
「ドーモ、ソニックブームです」ソニックブームはアイサツをした。陽気なサンバを踊りながら。ズッズッズズッ、ズッズッズズッ。軽快なリズムのBGMが流れ、ソニックブームの後ろでところどころに貴金属のあしらわれたカベッサやタンガで着飾ったオイランダンサーたちが、七色の孔雀めいたコステロを羽ばたかせた。「ドーモ、ブラインドです」ブラインドもアイサツを返す。
「いいか、先に一つだけ言っておく」ソニックブームは踊りながら、目を威圧的に細めた。「これは、シリアスなミッションだ」そしてサイケデリックにグラデーションするLEDダンスフロアパネルの上でダンス・パフォーマンスを行い、人差し指を天井へ突き出し、尻を横に突き出した。「何をすればいいんです?」ブラインドは姿勢を正して質問する。
「つい昨日のことだ。俺様は野良ニンジャをスカウトしに行った。相手は大したカラテの持ち主じゃあなかったが、どうやらグレーター級……ひょっとするとアーチ級のソウルを宿してやがったらしい。ヤツが指を鳴らすと、俺はいつの間にか……グワーッ!?」ソニックブームはムーンウォークからの三回転半ターンを決めた。見事なバックスライドだ。オーディエンスから黄色い声が上がる。
「ンン―……よく分かんないけど、つまりそのニンジャがターゲットなんです?」「……詳しくは話せねぇ。そういうノロイを受けたからだ。とにかく俺はそこである勝負に負け、踊り続けねば死ぬ身体にされちまった」見事なターンからの前後開脚、そしてストリッパーめいて艶めかしく後方に仰け反る。誰かがヒュウと口笛を吹いた。いつの間にかスーツのズボンにチップがねじ込まれている。
「エエ!?ソニックブーム=サンが負けるようなニンジャ、私じゃ勝てませんよ!」「いいや、逆だ。お前にしか勝てねえ」ソニックブームは膝を曲げ、腰を深く下ろした。「むしろ他のシックスゲイツやダークニンジャ=サンが行けば餌食になる。ソウカイヤの中でお前なら勝てると踏んだからお前を呼んだんだ」東アジアの武術を原型とするホパークの軽快なステップがソニックブームのリーゼントを揺らす。
「いいか、ブラインド=サン。お前の任務はあのクソニンジャ……クソッ、名前を言う事すら制限されてやがる!とにかくヤツをぶっ殺し、このノロイを解く事だ。ヤツの潜伏場所はココだ。とっとと行け!」立ち上がり、美しい開脚ジャンプを決めながら一枚のメモ用紙を小指を立てたまま投げる。メモ用紙は会場を大きく旋回し、狙いすましたかのようにブラインドの手元に落ちた。拍手喝采!
「エート?クラブ・アースガルズ?………うげー、こっから遠い!カリブーに乗ってこーっと」ブラインドは装束の懐にメモ用紙をしまった。「いいか、これは俺のソンケイがかかった任務だ……!くれぐれも口外するんじゃねぇぞ。その代わり報酬は弾む。必ず成し遂げろ……!」
ソニックブームはそう言い放つと、人間の骨格では構造上不可能なネコネコカワイイ・ジャンプを決めてみせた。「カワイイヤッター!」「イヤーッ!」「アバーッ!」ソニックカラテネコネコカワイイストレートだ!ヤジを飛ばした観客死亡!
「とっとと行けゴラー!終わるまで帰ってくるんじゃねえぞゴラー!」「ハイヨロコンデー!」ブラインドはダンスホールと化したブリーフィングルームを後にした。
◆◆◆
まるで誰からも忘れ去られた墓地のような寂寥感を感じさせるストリートの一画、そこに『アースガルズ』はポツンと建っていた。虹をモチーフにしたネオン看板は電気が途絶え、ここがかつては根拠のない自信と実現性の無い夢に溺れる若者たちで賑わっていたことを思わせる。ブラインドはサイバーカリブーを表で待たせ、ガラスの壊れたドアから店内にエントリーした。
「エッホエホ!埃っぽい!誰かいませんかー?」電気系統の死んだ店内は薄暗く、バーカウンターには空き瓶が散乱し、埃の積もったダンスホールには落下してひび割れたミラーボールが眠りについていた。「よう」年代物のDJブースから気軽な声が掛けられる。ブラインドは電撃的速度で振り向く!………そこに1人の男が腰掛けていた。
「イヤーッ!」「アイエッ!」ブースから回転ジャンプで飛び降りた男はブラインドの目の前に降り立ち、不意を突かれて驚くブラインドの慌てっぷりを楽しむようにへらへらと笑いながらアイサツした。「ドーモ、ローズルです」「ド、ドーモ、ブラインドです」ブラインドもアイサツを返す。合わせた両手の平が汗で僅かに滑った。
◆ローズル (種別:ニンジャ)
カラテ 3 体力 3
ニューロン 6 精神力 6
ワザマエ 6 脚力 3
ジツ 7 万札 0
◇装備や特記事項
装備なし、ジツ:『???』、『???』
目の前のローズルは軽薄そうな見た目、そして態度ではあるが……相対して初めてわかる、強烈なニンジャ存在感。ブラインドは唾を飲んだ。「アンタ、さっきの……なんていったか?なんたらブーム=サンの部下か何かだろ」「ナンタラブーム=サンじゃなくてソニックブーム=サンだよ」「オット、こりゃシツレイ。ヒヒヒ……」名前うろ覚え!少しシツレイ!
「あの人とのイクサもなかなか楽しめたが、実際踊り足りなくてな。また誰か来るように仕向けたのさ」「踊り?」「そう、ダンスさ」ローズルがパチンと指を鳴らす。するとどうしたことか。電気が途絶えていたと思われたスポットライトが光り、ローズルとブラインドを照らし出す。そして天井に黄金のミラーボールが……否、黄金の立方体が……!
「俺はちょっと遊びたいだけなのさ」再びローズルがパチンと指を鳴らすとDJ機材がひとりでに動き出した!スピーカーから激しい16ビートが流れ出す!ローズルはリズムに乗せて踊りだし……「アイエッ!?」ブラインドの身体も合わせるように動きだした!
「さあ、まずはダンスバトルだ。負けた方のニューロンがちょっと焼ける。そういうゲームだ。踊ってくれるかい?お嬢さん」「ダンスなら得意だよ!ハイスクールでチアマイコ部だったからね!」「嘘つけよ」「ホントなのに……」レッツ・ダンシング!
◆特殊戦闘ルール◆
ターン毎、【カラテ】【ニューロン】【ワザマエ】いずれかで難易度HARDの判定を行い
その成功数を数える。尚、出目6は成功数2として数える。
ローズルと自分のニンジャで成功数を競い合い、成功数の少なかった方は
【精神力:1】のダメージを受ける(回避不能)。
【精神力:2】ぶんのダメージをローズルに与えれば勝利。
尚、判定毎に【カラテ】ならブレイクダンス、【ニューロン】なら日本舞踊、
【ワザマエ】ならロボットダンス……等々、適宜適切と思われるロールをする事。
◇◇◇
「イヨオーッ……!」ブラインドは力強く足を踏み出すと、両手を前後に広げ、大袈裟に首を旋回させる。「イヨッ!イヨオッ!」カカン!そして軽快なツケの音に合わせてピタリと動きを止めた。ヨンダイメ!「ヌゥーッ……!チアマイコとか言ってたクセにカブキとは……!出来る!」ローズルが唸る!
ニューロンブラインド:11d6>=5 = (5,6,2,5,5,5,3,6,3,5,2 :成功数:7) = 7
ニューロンローズル:6d6>=5 = (4,1,4,2,5,3 :成功数:1) = 1
勝利!
ローズル精神力5
◇◇◇
…………「イヤーッ!」負けじとローズルが床に手をつき、両足をコンパスめいて旋回させる!ブレイクダンスだ!装束が照明を反射し、光の渦を巻く!「ンアーッ!」ブラインドは堪らず膝をつく!
カラテブラインド:4d6>=5 = (1,3,2,2 :成功数:0) = 0
カラテローズル:3d6>=5 = (2,1,6 :成功数:1) = 1
敗北
ブラインド精神力13
◇◇◇
…………「ドードードーモ、モーターブラインドデスデスデス」「ピガ―ッ、ピガガーッ、私は偶然ここにきて踊っています。オムラ・インダストリとは無関係」その後のロボットダンスでは両者甲乙つけがたし!
ワザマエブラインド:5d6>=5 = (5,2,2,6,2 :成功数:2) = 2
ワザマエローズル:6d6>=5 = (1,5,2,4,6,1 :成功数:2) = 2
引き分け!
◇◇◇
…………「ヨイショー!」「イヤーッ!」「ヨイショー!」「イヤーッ!」二人のボルテージがアガッていき、汗粒が黄金立方体の輝きを受けて光の粒となってダンスフロアに煌めいた!最終的にスポットライトを独占する栄誉を得たのは………「ヨッシャ!イェー!ウィーピピー!」ブラインド!
ニューロンブラインド:11d6>=5 = (2,1,6,3,5,5,4,2,5,6,6 :成功数:6) = 6
ニューロンローズル:6d6>=5 = (4,6,1,6,2,4 :成功数:2) = 2
勝利!
ローズル精神力4
「グワーッ!……ヒヒヒ、いいねぇ!あのソニックなんたら=サンは恥ずかしがって勝負にならなかったからねぇ!」ダンス勝負で敗北したローズルはむしろ喜色の色を強める。まるで欲しかったオモチャを手に入れた子供めいて。「エッヘン!」褒められたと思ったブラインドは自慢げに胸を張ってふんぞり返った。そのバストは平坦だった。
「じゃあここからは……ニンジャらしくカラテしようぜ!ただし条件付きでな!」ローズルは三度パチンと指を鳴らす。「ムムム!今度は何だ!」ブラインドは思わず身構えた。…………が、何も起きない。「ンン―?」ブラインドは首を傾げる。
謎のダイス:1d6 = (1) = 1
エエ……
「ヒヒヒ、自慢じゃあないが、俺は生前、このジツで幾人ものニンジャを葬って来たんだぜ!……グワーッ♡」どうしたことか?ローズルが突然悲鳴とも嬌声ともとれない声を上げる。「???」ブラインドは訳が分からず更に深く首を傾げた。「俺としたことがうっかりしたぜ♡」ローズルが妙な声のトーンで説明を始める。
ローズル精神力3
「このジツは語尾に♡をつけないとニューロンが焼ける、そういうジツだ♡ 威厳を保とうとすればニューロンが焼け、羞恥を捨ててもどこか気の抜けたカラテになる♡これによって満足にカラテ出来なくなったニンジャを大勢コケにしてやったものさ♡」「マジで♡」「適応ハヤイな♡」ナムサン♡なんたる絶妙に恥ずかしいジツか♡
◆ローズル (種別:ニンジャ)
カラテ 3 体力 3
ニューロン 6 精神力 3
ワザマエ 6 脚力 3
ジツ 7 万札 0
◇装備や特記事項
装備なし、ジツ:『トリックスター』『ドク・スリケン』『不滅』
◇トリックスター:ローカルコトダマ空間内において、自分の定めたルールを相手に強要するアーチ級のジツ。
◇ドク・スリケン:スリケンのダメージを受けた相手は次のターンの「ターンの終了フェイズ」にさらに毒による1ダメージを受ける(回避不可)。
◇不滅:このキャラクターは爆発四散しない。
「さぁ……行くぜ♡」ローズルがカラテを構える♡「……カモーン♡」ブラインドは前に突き出した右手の指を曲げ挑発的に手招きした♡スピーカーから大音量で流れるBGMすらもはや二人の耳には届かない♡一触即発アトモスフィア♡「イヤーッ♡」「ヨイショー♡」カラテが激突し♡ダンスフロアの天上にてミラーボールめいて回る黄金立方体の輝きがますます強まった♡