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忍殺TRPG小説風リプレイ【ユア・デス・ハピネス】

アイサツ

ドーモ、海中劣と申します。こちらの記事はニンジャスレイヤーTRPGの小説風リプレイとなっております。ニンジャスレイヤーTRPGについては下記の記事をご覧ください。

なお本記事はニンジャスレイヤーの二次創作小説でありニンジャスレイヤー本編及び実在の人物・団体とは関係ございません。

今回挑戦させていただいたのはしかなさん作成のソロシナリオ【エンカウント・ユア・デス】です!詳細は下記の記事をご覧ください!

※なお、リプレイにあたりシナリオ描写や設定の一部を改変させていただいております。ご了承ください。

どのニンジャを挑戦させるか迷いましたが……せっかく壁越えニンジャが出来たことですしブレードブレイカー=サンに挑戦してもらいます!

ニンジャ名:ブレードブレイカー
【性別】:男
【カラテ】:9         【体力】:12/12
【ニューロン】:6       【精神力】:6/6
【ワザマエ】:7        【脚力】:6
【ジツ】:3(近接武器)    【万札】:35
【DKK】:0          【名声】:12

【アイテム】:*ブラッドカタナ* 近接攻撃ダイス+1
      :オーガニックスシ:【体力】を3回復(使い捨て)

【サイバネ】:ヒキャク【脚力】+1、回避ダイス+1個

【装備品】:フルヘルムメンポ【体力】+1
     :*高級ヤクザスーツ 
      NPCに対する説得や脅迫時、1つの判定につき1回だけダイスを振り直せる。
      またこのシナリオの後に『カルマ・ロンダリング』を行う場合、1回だけダイスを振りなおせる。

【スキル】:『連続攻撃2』『連射2』『疾駆』
     ●滅多切り ●タツジン(イアイドー) ●頑強なる肉体

【備考】:
ソウカイヤのニンジャ。肩に担いだカタナを扱う。
彼がカタナを振るったものは何故か切断されず、打撃的衝撃によって破壊される。


それではやって行きたいと思います!

本編

今日もネオサイタマの空には黒く穢れた分厚い雲が覆い被さり、しめやかに降り注ぐ重金属酸性雨がコンクリートとアスファルトの地面に染み渡っていく。その地面の上を走るヤクザカマロが一台。

運転しているのはクローンヤクザだ。ネクタイにはクロスカタナの刺繍。裏社会に精通した者が見ればそれは泣く子も黙るソウカイヤのエンブレムであるということが分かるだろう。そして後部座席にも男が一人。

オーダーメイドの高級ヤクザスーツにヤクザシューズ。頭には銅の鎧兜を被り、その額飾りはクローンヤクザのネクタイの刺繍と同じクロスカタナの意匠。脇には赤い漆が塗られたカタナを抱えている。…そしてその口には布製のメンポ。男はニンジャであった。

やがてヤクザカマロがある建物の前で停止する。薄汚いビルだ。ニンジャは顔を顰める。「センセイドーゾ」運転クローンヤクザが素早く降りて後部座席のドアを開けた。ニンジャはカタナを持って車から降りる。

「後で呼ぶから迎えに来い」「ワカリマシタ」短くクローンヤクザに指示を出してビルの入口へ向かう。ヤクザカマロが発進する音を背中越しに聞きながらニンジャは手に持っていたカタナで肩をトントンと叩いた。

「さて、アウトフォール=サンとかいうサンシタはどうなったのかね」ニンジャは……ブレードブレイカーは独り言つ。ソウカイシンジケートに所属する彼に今回与えられたミッションはこのビルにあるビッグ・ベアキャット・ヤクザクランの調査だ。

ビッグ・ベアキャット・ヤクザクランはソウカイヤ傘下のヤクザクランであり、アウトフォールというソウカイヤの末端ニンジャがミカジメ徴収に出向いていた。そのアウトフォールが数十分前に緊急アラートを発信し、その後連絡が取れなくなったのだ。

果たしてアウトフォールの身に何が起こったのか?殺されたのか、それなら下手人は?ネオサイタマの死神か、ヤクザ天狗か、ザイバツの手の者か。「どれでもいいさ。キンボシならなァ」ブレードブレイカーはギラついた目でビルの玄関をくぐった。

と、その時である。ブレードブレイカーのニンジャ第六感は階段手前に居る何者かの存在を感じとった。カタナを手に慎重な足取りで近づく。……そこに居たのはセーラー服を着た少女だ。それだけなら迷子かマイコセンターから来たオイランのどちらかだとブレードブレイカーは思っただろう。

そう思わなかった理由はいくつかある。まず少女の膝から下はオモチ・シリコンの外皮すらない剥き出しのサイバネ『ヒキャク』に置換されていたこと。そして腰に装着したカタナ。最後に…胸に縫い付けられたクロスカタナのバッジ。同僚だ。

相手の少女もブレードブレイカーの存在を察知していたのか腰のカタナに手を置いていたが、ブレードブレイカーの兜のクロスカタナに気が付き、警戒態勢を解いた。「なあんだ。もう他の人が来たんだ? ドーモ。シャープキラーです」少女は笑顔でアイサツした。

「ドーモ、シャープキラー=サン。ブレードブレイカーです」ブレードブレイカーもアイサツを返す。「テメェもミッションか」「ウン!ちょっと用事があってすぐ近くに居たから」シャープキラーは明るい声で言った。

「もう中は調べたのか?」「いや、なんかヤバイなアトモスフィアだったから、入りづらくってさ」ブレードブレイカーの質問にシャープキラーは首を横に振って答えた。「ならとっとと行くぞ。俺の指示に従え。いいな?」「ん、オッケー」シャープキラーは素直に返事した。

「…そうだ、怪しまれないように腕組んでいく?逆に怪しいかな?」冗談めかした言葉をブレードブレイカーは無視した。「アハハ!冗談冗談!ちょっと場を和ませようと思って!」「…チッ」ブレードブレイカーは小さく舌打ちした。

◇◇◇

カツカツカツ………ビルの階段を二人は一段ずつ上っていく。ビッグ・ベアキャット・ヤクザクランの事務所があるのは四階である。(不吉な数字だ)上の階に近づくにつれて圧し掛かるような重苦しいアトモスフィアが強まるように感じる。

「テメェ、何ができるんだ」不意にブレードブレイカーがシャープキラーに尋ねた。ミッションの前に何が出来るか確認しておくのは重要だ。これはスラッシャー時代から染みついた彼の癖のようなものである。

「俺は見ての通りイアイドーだ。テメェもそうか」「ンー。それもそうだけど」シャープキラーは頬に指を当て一度言葉を区切り、「ジツで後衛も出来るからさ。前に立って守ってくれるとウレシイなーって」

ニンジャ名:シャープキラー
【カラテ】:6
【ニューロン】: 3
【ワザマエ】:4
【ジツ】:1(カラテミサイル)
【体力】:6
【精神力】:3
【脚力】:4
【近接攻撃ダイス】:7
【回避ダイス】:7
持ち物など:
・カタナ
▶︎ヒキャク
▷ブースターカラテ・ユニット
○キラーマシーン教育

「じゃあテメェは後ろで援護だ。挟み撃ちを受けたらイアイで何とかしろ」ブレードブレイカーはジツの詳細については尋ねなかった。後衛が出来るということだけ分かればよい。「オッケー。じゃあ前衛はヨロシクネ!」

シャープキラーの口調はまるで緊張を感じさせない見た目相応の軽いものであり、それがかえって彼女の持つカタナや剥き出しのサイバネと合わせて得体の知れないアトモスフィアを醸し出していた………。(フン、変なガキだ)ブレードブレイカーはそれ以上シャープキラーとは会話せず、階段を上り続けた。

前衛に決定

◇◇◇

やがて二人はビルの四階、ビッグ・ベアキャット・ヤクザクランの事務所の扉前に辿り着いた。部屋の扉にはバイオバンブーを持ってイアイをするバイオパンダのイラストが描かれている。バイオバンブー・アクセサリーショップに偽装しているのだ。

ブレードブレイカーは扉にそっと耳を近づけ、部屋の中の音を拾おうとする。……まったくの無音。人の気配も無し。扉には鍵がかかっている。こじ開けるしかあるまい。カラテか、ピッキングか、ハッキングか。

ブレードブレイカーが扉の脇を一瞥するとそこには小型のUNIXが設置されていた。扉の論理鍵を制御しているのだろう。旧式でセキュリティ強度も大したことがなさそうだ。ブレードブレイカーは携帯UNIXを取り出して直結しようとする。

その時。「……ハッキングはやめといたほうがいいと思うな、私」「アア?」シャープキラーがポツリと呟いた言葉にブレードブレイカーが反応した。「どういう意味だ」「ウーン…女の勘?アハハ!」「……チッ!」質問に曖昧な答えを返されてブレードブレイカーは舌打ちした。

ワザマエ判定:7d6>=4 = (2,2,2,1,6,6,4 :成功数:3) = 3

ブレードブレイカーは結局、UNIXの直結を解除しピッキングでの開錠を試みた。カタナで扉を破壊しても良いが激しい音を立てるのはうまくない。十数秒後、結局物理鍵も貧弱な構造であったようでガチャリと音を立てて簡単に扉が開いた。

「流石!さ、いこいこ」シャープキラーがニコニコと笑ってブレードブレイカーを急かした。「……」ブレードブレイカーは何かを言いたげな顔をしたが、「…チッ」口から零れ落ちたものはやはり舌打ちだけであった。

◇◇◇

事務所の玄関扉をくぐり、応接間の扉を開ける。タタミ15枚ほどの広いスペースが取られたその部屋はガラステーブルやソファ、桐タンスやTVなどが置かれ、この事務所のヤクザたちにとっての取引と憩いの場を兼任していたのだろうと思わせる。

だが、もはやそのどちらの用途も成すことは出来ないだろう。死体、死体、死体。合わせて5つの屍が部屋の床に横たわり、カーペットをその血でドス黒く変色させていた。「ワオ」シャープキラーがワザとらしく声を上げた。

「爆発四散痕は無いな」部屋を見回したブレードブレイカーが呟いた。「アウトフォール=サンだっけ?ここで死んだわけじゃないみたいだね!…アッ!まだ死んだって決まってないか!」「いや、死んでるだろうよ」「アハハ!」

ブレードブレイカーは入ってきた扉とは別の扉を見やる。奥にはこのクランのオヤブンの執務室があるはずだ。アウトフォールがミカジメ徴収に来たのならばそちらに通されるか。「俺は奥に行く。テメェはここにいろ」ブレードブレイカーはシャープキラーに指示を出す。

「あ、ブレードブレイカー=サン」扉を開けようとしていたブレードブレイカーの背中にシャープキラーが声をかけた。「なんだよ」「オヤブンの部屋で金庫が無事だったら……」シャープキラーはそこで言葉を止めた。

血の匂いが染みついた部屋に静寂が流れる。「…なんだよ」ブレードブレイカーが沈黙を破り、同じ言葉を繰り返した。「…犯人はカネ目当てじゃないってことだよね!」シャープキラーはにこやかに言った。「…そうだな」ブレードブレイカーは扉の奥へと歩いていった。

一人部屋に残されたシャープキラーは少しの間、ブレードブレイカーが入っていった扉を眺めていたが、やがてコツンと自分の頭を叩いてペロッと舌を出した。「失敗失敗。そーいうの気にするタイプか」

シャープキラーは気分を切り替え、再び部屋を見回す。死体が五つ。若いヤクザ、古傷の多いヤクザ、体格の良いヤクザ(グレーターヤクザだろう)、白髪の目立つ老ヤクザ、……そしてうつ伏せの死体。シャープキラーは笑みを深めた。

◇◇◇

シャープキラーと別れたブレードブレイカーは廊下を進む。突き当りにある大きな扉の向こうがオヤブンの部屋だろう。ブレードブレイカーはまず扉を小さく開けて部屋の中を確認し、安全を確認してからエントリーする。

熊めいた体格と強面の持ち主。ビッグ・ベアキャット・ヤクザクランのオヤブンはそこに居た。額と胸に風穴を開けて、呆けた顔で。これでビッグ・ベアキャット・ヤクザクランは壊滅だろう。

ブレードブレイカーは部屋の中央に近づく。そこには焼け焦げたような痕跡。ニンジャの爆発四散痕だ。「やっぱりくたばってやがったか。アウトフォール=サン」近くに落ちていた割れたクロスカタナのバッジを見てブレードブレイカーはそう結論付けた。

1.オヤブンの死体を調べる
2.爆発四散痕を調べる

※少々特殊ですが両方を調べてアイテムを取得しません。

ブレードブレイカーは部屋全体の調査を開始する。そこから下手人の正体と、戦法、目的を推理する。まずこの部屋で何が起こったのか?ブレードブレイカーはオヤブンの死体に近づいた。

オヤブンはヤクザデスクの椅子に深く腰掛けたまま死んでいる。恐らく犯人はこの部屋に入ってまず最初にオヤブンを撃ち殺した。ブレードブレイカーはオヤブンの後ろの壁を調べる。貫通した銃弾が壁にめり込んでいた。

銃弾をほじくり返して銃の口径を確認。その後オヤブンの死体と壁の弾痕から発砲した方向を計算する。「窓か…」おそらく犯人はオヤブンの座るヤクザデスクの正面にある窓から部屋に侵入し、発砲したのだろう。

「オヤブンが死んだときアウトフォール=サンも居た筈だ。アンブッシュでオヤブンを殺してから二人はアイサツした……」ブレードブレイカーは携帯UNIXを使用してソウカイネットに繋ぎ、アウトフォールの情報を調べる。

少ししてアウトフォールの情報が画面に映し出された。マインドブラスト・ジツの使い手。カラテには乏しい。数か月前にソウカイヤ入りしたばかり。左胸にはクロスカタナのバッジを付けていた。「……フン、イクサにもならなかったろうよ」

ブレードブレイカーは床に落ちたクロスカタナのバッジを拾い上げる。先ほど手に入れた銃弾と照らし合わせて、同じ銃で撃たれてバッジが割れたことを確認。更にバッジの裏側には僅かに血が付着している。アウトフォールはバッジごと心臓を撃たれたのだろう。

アウトフォールがサンシタであったことを考慮しても犯人はかなりのワザマエの持ち主である。恐らく拳銃使いだ。ブレードブレイカーの脳内に再現VTRめいてこの部屋で起きたことが再生される。

まず、犯人は窓から侵入し背中を見せていたアウトフォールには構わずデスクに座っていたオヤブンを射殺。振り返ったアウトフォールに先制アイサツを繰り出し、アウトフォールがアイサツを返し終えたところで即座に心臓に向けて発砲。

「そしてアウトフォール=サンを爆発四散させた…」その後は先程の応接間に行ってブラッドバスを作り出したということだろう。……ではその後は?既に犯人はこの事務所から逃げたのか、もしも逃げていないのなら……ブレードブレイカーがそこまで考えた、その時。

BLAM!BLAM!BLAM!「ンアーッ!?」聞こえてきた銃声は三発。悲鳴はシャープキラーのものだ。下手人はまだこの建物に…もっと言えば先ほどの部屋に潜んでいたか。「……」ブレードブレイカーはニンジャ野伏力を発揮して慎重に先程の部屋へ戻る。

◇◇◇

微かに開かれた部屋のドアから中の様子を窺うと血を流す右肩を押さえているシャープキラーと青ざめた顔の黒衣の男が相対していた。男は両手に拳銃を握っている。「ンンッ……ドーモ……お久しぶりです。アヤム=センセイ。死んだかと思ってました」

シャープキラーが引きつった笑みを浮かべながらアイサツする。どうやら知り合いのようだ。(アヤム?どっかで聞いたことがあるな…)ブレードブレイカーは記憶を手繰り、思い出そうとする。

「死んだとも」相対する黒衣の男は不可思議な構えを取った。中腰になり、両手に握った拳銃をクロスさせた独特の構え。ブレードブレイカーは目を見張った。(あの構えは……!)おお、それこそはかつてテッポウ・ニンジャクランによって生み出され、長い歴史を経て洗練されたカラテ体系の一つ、暗黒武道ピストルカラテ!

「アヤム・アシサノは死んだ。お前と同じようにな、イバ・マツガヤ=サン。ここにいるのはもはやただのつまらぬニンジャだ。お前と同じ……ドーモ。私はユアデス。……お前たちの死だ。ソウカイヤ」

シャープキラーは…イバ・マツガヤと呼ばれた少女はその言葉を聞いて何を思ったか浮かべていた笑みを引っ込めてアイサツを返した。「……ドーモ。『はじめまして』ユアデス=サン。シャープキラーです」

「フム…」興味深そうにシャープキラーを見やったユアデスはBLAMBLAMBLAM!両手に持った違法改造拳銃二丁による三連射をシャープキラーに向けて放った!「イヤーッ!」シャープキラーは眉間を狙った一発目の銃弾をブリッジ回避!そのままバック転!

「イヤーッ!」SLASH!シャープキラーは二発目の銃弾をカタナで斬り落とす!そのまま窓へ向けて駆ける!だが彼女が窓の外に飛び出るより三発目の銃弾が彼女の脳漿を床にぶちまける方が早い!

「イヤーッ!」だが、おお見よ!シャープキラーは脚部サイバネのブースターを稼働させ急加速した!三発目の銃弾は果たすべき目的を果たすことなく事務所の壁にめり込む!

「イヤーッ!」KRAAAASH!シャープキラーは窓ガラスを割って事務所の外に飛び出て、近隣ビルの壁や看板を足場にして飛び離れていった。どんどんその姿が小さくなる。ユアデスは追いかけることもせずにその背中を見送った。

「生を選んだか。あの死にたがりが。イバ・マツガヤ=サン。お前が己の道を見つけたことを嬉しく思う」ユアデスは何らかの感傷めいたことを呟いた。背中を向けており、ブレードブレイカーからはその表情は見えなかった。「さて…」そして、その全身から強烈なキリングオーラが迸る。

ユアデスはくるりと振り返ってドアを凝視する。その向こうに居る、ブレードブレイカーを。既に気付いていたのだ。「……」ブレードブレイカーはドアを開けて部屋の中にエントリーした。虚無的な瞳でユアデスが凝視してくる。

「ドーモ、ユアデスです」「ドーモ、ユアデス=サン。ブレードブレイカーです」二人のニンジャはアイサツを行った。

ニンジャ名:ユアデス
【カラテ】:8
【ニューロン】: 7
【ワザマエ】:9
【ジツ】:0
【体力】:9
【精神力】:7
【脚力】:6
【回避ダイス】:10
【DKK】:5
【万札】;10
『*アシサノ違法改造拳銃*×2』
遠隔武器、ダメージ1、連射2、時間差、二挺拳銃
『●タツジン:ピストル・カラテ』『●疾駆』『●連続攻撃2』
『●連射2』『●時間差』『●マルチターゲット』

「アヤム・アシサノ……確かソニックブーム=サンが潰してやったバカなアサシン養成施設のアホ指導者だったか」ブレードブレイカーは既にユアデスのモータル時代の素性を思い出していた。

かつてソウカイヤに敵対するヤクザクランが経営していたその施設はシックスゲイツであるソニックブーム率いる数名のニンジャを交えた部隊によってヤクザクランの構成員ごと皆殺しにされた。

だがその際に数名の塾生がニンジャソウルを宿し、ニンジャとなったらしい。塾生には女性が多く、今はソウカイヤのニンジャとしてスカウトされていた筈だ。(確かあの女が何人か面倒見てるんだったか。まァどうでもいい)

ブレードブレイカーは油断無くカタナを構えたまま話を続ける。「まさかテメェまでニンジャになってやがったとはなァ。それでもう一度殺されにノコノコ姿を見せたってわけだ。ご苦労なこったなァ?カハハハッ!」

ブレードブレイカーの挑発にもユアデスは眉一つ動かさない。ただ殺意を研ぎ澄ましている。まるで死人のような光を飲み込むその瞳。「生憎だが」ユアデスは決断的に言い放った。「お前達と交わす言葉は持たない。お前に用意してやれるのはジゴクへの道だけだ。ソウカイヤ」

ブレードブレイカーは額に青筋を浮かべてユアデスを睨み返す。「……舐めた口叩いてんじゃねェぞくたばりぞこないのカスが…そんなに死にてェならもう一度殺してやる!」二人のニンジャのキリングオーラが応接間を埋め尽くす。

ブレードブレイカーはカタナを肩に担ぐように振り上げ、ユアデスは暗黒武道ピストルカラテの構え。二人はそのままタタミ3枚の距離で睨み合い、動かない。ビルの壁に叩きつけられる重金属酸性雨の音だけが室内に響く………………そして。


「「イヤーッ!」」二人が動いたのは全く同時!ユアデスが改造銃による三連射をブレードブレイカーの眉間、心臓、股間へ向けて撃つ!「イヤーッ!」ブレードブレイカーは最小限の動きで紙一重回避!そのまま横なぎにカタナを振るう!

「イヤーッ!」ユアデスは回避のための行動を取らない…否!その体が宙に浮いてカタナの斬撃範囲から逃れた!先程の三連射を行う際に小さく飛び跳ね、銃の反動で後ろに下がったのだ!

「イヤーッ!」ブレードブレイカーは更に一歩踏み込み追撃の右切り上げ!「イヤーッ!」BLAM!ユアデスはブレードブレイカーの顔面に向けて発砲!ブレードブレイカーは首を傾けて回避!

「イヤーッ!」ユアデスは発砲の反動を殺さずに右腕を振るい、その手に持った拳銃でカタナを弾く!「イヤーッ!」カタナを弾かれたブレードブレイカーは右ローキック!

「イヤーッ!」ユアデスはローキックを側転で跨ぐように回避!そのまま逆立ちでのキックを繰り出す!アウー・バチゥド!「イヤーッ!」ブレードブレイカーはブリッジ回避!

「「イヤーッ!」」同時に立ち上がった二人は互いに右ストレートを相手の顔面目掛けて放つ!お互い上半身を左側に傾けて回避!「イヤーッ!」BLAM!ユアデスは左手の拳銃でブレードブレイカーの横腹を撃つ!

「イヤーッ!」ブレードブレイカーは左手のカタナでこの至近弾を叩き落とす!「イィヤーッ!」だがここからがピストルカラテの真骨頂!発砲した反動で身体を一回転させたユアデスは強烈な回し蹴りをブレードブレイカーの側頭部へ叩き込まんとする!

「イヤーッ!」ブレードブレイカーは右手で支えた左腕を頭の横に掲げて防御!「イヤーッ!」そのまま左手に持ったカタナをユアデスの足に振り下ろす!「イヤーッ!」BLAM!ユアデスは股下から発砲!「チィ―ッ!」ブレードブレイカーは攻撃を諦めて飛びのいて回避!

「イヤーッ!」BLAM!BLAMBLAM!距離を取ったブレードブレイカーへ向けてユアデスは連射!「イィーヤヤヤヤ!」ガキン!ガキン!ガキン!ブレードブレイカーは全てカタナで叩き落とす!

「イヤーッ!」ブレードブレイカーはカタナを持った手を弓めいて後ろに引いてユアデスに接近!突進の勢いを乗せたフェンシングめいた突きを繰り出す!

「イヤーッ!」BLAM!ユアデスは銃弾を撃って牽制し、反動で回避!「イヤーッ!」そのまま連続側転!そして部屋に倒れていた若ヤクザの死体へ手を伸ばし……「イヤーッ!イヤーッ!」BLAM!BLAM!BLAM!BLAM!

フーリンカザン!ユアデスは若ヤクザの死体から回収したチャカ・ガンで弾丸を補充したのである!銃弾が計算され尽くした軌道でブレードブレイカー目掛けて螺旋回転しながら迫る!「イヤーッ!」

フーリンカザン!ブレードブレイカーは部屋にあったグレーターヤクザの死体を持ち上げて盾にした!「イィヤァーッ!」死体を片手に持ったままユアデスに突撃する!死体を使ったシールドチャージだ!

「イヤーッ!」ユアデスはガラステーブルを足場に跳躍!「イヤーッ!」そしてブレードブレイカーが掲げた死体を足場に更に跳躍!「イヤーッ!」BLAMBLAM!空中から眼下のブレードブレイカー目掛け発砲!

「イヤーッ!」ブレードブレイカーは咄嗟にグレーターヤクザの死体を頭上に掲げて銃弾を受ける!「イヤーッ!」ユアデスは発砲の反動で空中で姿勢制御を行い、回転踵落としを繰り出す!

「イヤーッ!」ブレードブレイカーは荷物になったグレーターヤクザの死体を投げ捨て、腕をクロスさせて踵落としを防御!「イヤーッ!」ユアデスは防御したブレードブレイカーの腕を蹴って再び跳躍してから着地!

ユアデスが着地した地点には古傷ヤクザの死体!ユアデスは再び死体に手を伸ばす!弾の補充か!?否!それだけではない!「イヤーッ!」ユアデスが投擲したものは古傷ヤクザの持っていたドスダガー!奇襲!

ブレードブレイカー目掛けギラリと光る刃が飛び来り……「イィヤアーーッ!」ナ、ナムアミダブツ!ブレードブレイカーは足元の老ヤクザの死体をカタナですくい上げるように斬り払った!一体何を!?

「ヌウッ…!?」ユアデスがその虚無的な目を見開く!ブレードブレイカーが斬りつけた老ヤクザの死体は切断されることなく、まるでハンマーで叩かれたパイナップルめいて粉砕!死体の破片が空中のドスダガーを弾き飛ばした!

更に肉と骨の散弾はユアデスにも降りかかる!ユアデスは咄嗟に腕を交差させて顔面を防御!「イヤーッ!」「グワーッ!」その隙に接近したブレードブレイカーが強烈な前蹴りをユアデスの腹に叩き込んだ!

「イ…ヤーッ!」ユアデスはニューロンを総動員させて痛みを遮断!銃を持った手でセイケンヅキを繰り出す!「イヤーッ!」ブレードブレイカーは銃身をカタナを持っていない手で逸らす!

「イヤーッ!」BLAM!ユアデスは逸らされた手に持っていた銃の弾をあえてそのまま発砲!反動で勢いを増した肘打を繰り出す!「グワーッ!」ブレードブレイカーの胸にヒット!二人はそのままワン・インチ距離に!

「イヤーッ!」ユアデスの銃身でのセイケンヅキ!彼の持つアシサノ違法改造拳銃は例え銃弾が込められていなくとも凶器として十二分の殺傷力を持つ!ましてニンジャの彼が使うのならば!

「イヤーッ!」ブレードブレイカーは……ナ、ナムサン!カタナの刀身を持つことでカタナを短く持ち、ワン・インチ距離の攻撃に対処する!刃物で切り傷を付けることの出来ない彼ならではの芸当だ!

「イヤーッ!」セイケンヅキ!「イヤーッ!」弾く!「イヤーッ!」ナイフめいた切り払い!「イヤーッ!」銃身で防御!「イヤーッ!」ケリ・キック!「イヤーッ!」しゃがみ回避!「イヤーッ!」足払い!「イヤーッ!」小ジャンプ回避!

「イヤーッ!」空中回し蹴り!「イヤーッ!」地面スレスレに伏せて回避!「イヤーッ!」そのままブレイクダンスじみた蹴り!「イヤーッ!」アルマーダ・マテーロ!相殺!「「イヤーッ!」」カタナを、拳銃を相手に叩き込む!

CRASH!カタナと二丁拳銃が同時に弾かれた!ブレードブレイカーとユアデスはお互い何も持たぬまま至近距離で対峙する!武器を取りに行くか?否!その無防備な背中を相手は逃さないだろう!ならば!「「イヤーッ!」」素手のカラテだ!

「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」

「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」

「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」


凄まじいカラテ・ラリーを制したのは……ブレードブレイカー!左フックがユアデスの顔面を捉えた!「イィヤァーッ!」「グワーッ!」ブレードブレイカーはそのまま殴りぬける!吹き飛ぶユアデス!

ユアデスが吹き飛んだ先にはブレードブレイカーのカタナ!「イヤーッ!」ブレードブレイカーはそのまま素早くカタナを拾い、床に伏せたユアデスの身体に圧し掛かった!マウントポジションである!

「イヤーッ!」「グワーッ!」そしてカタナの柄と切っ先を持って刀身をユアデスの首にギロチンめいて押し付けた!ミシミシと骨の軋む音が響く!「カハハ……カッハハハハ!」ブレードブレイカーは勝利を確信し嘲笑う!


だが!「イヤーッ!」BLAMBLAM!「グワーッ!?」ユアデスは隠し持っていた三丁目の違法改造拳銃でブレードブレイカーの横腹を撃った!「イ……ヤーッ!」「グワーッ!」しかしブレードブレイカーはメンポの下で血を吐きながらもカタナを離さぬ!

ユアデスはブレードブレイカーの兜に守られていない額を撃とうと「イヤーッ!」「グワーッ!」ブレードブレイカーの強烈な頭突きがユアデスの顔面に叩き込まれた!鼻骨と前歯が折れる!

「イヤーッ!」「グワーッ!」頭突き!「イヤーッ!」「グワーッ!」頭突き!「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」………ユアデスの手から拳銃が落ちた。

「グワーッ……」ユアデスの青ざめた顔からますます血の気が引いた。もはやこの部屋に転がるヤクザの死体以上に死体らしい顔だ。「……お前が、カハッ。お前が、育てた生徒共は」ブレードブレイカーが口から零れる血を吐き出しながら話し始める。

「お前の生徒共は、ゴホッ、ニンジャとなって、カハハッ。ソウカイヤの勢力拡大のために使われるだろう。カハッ」「グワーッ…」「このヤクザクランも、ゴホッ!アウト、フォール、も、どうせ数日後には、代わり、が、見つかる。カハハッ!」「グワーッ…」


「そして俺は、ゴホッゴホッ!カハハッ!お前を殺して、報酬を、受け取る。お前の、カハッ!お前の人生に価値があるとすれば、ゴホッ、それだけだ…!カハハッ!カッハハハハ!」「グワーッ…」「死ね…!お前の死が俺の幸福だ……!」


………ユアデスはもはや動く気力も無かった。冷たい死が彼の隣に横たわっていた。「グワーッ……」「ゴホッ、カハハッ!ハイクを、詠めよ。すぐに、ゴホッ!忘れてやるからよ!カハハッ!」「…………」


ユアデスは静かに口を開き、この世の誰の記憶にも残らぬハイクを詠んだ。「残すべきものもなく/託すべき子もなし/インガオホー……」「イヤーッ!」ブレードブレイカーはカタナでユアデスの首の骨をへし折り、肉を無理やり千切った。「サヨナラ!」ユアデスは爆発四散した。

ユアデス銃撃:3d6>=5+
3d6>=5+3d6>=5 = (6,5,1 :成功数:2) + 
(3,2,2 :成功数:0) + (5,2,6 :成功数:2) = 4
ブレードブレイカー回避:4d6>=4+4d6>=4 = (5,5,2,4 :成功数:3) +
 (2,6,4,4 :成功数:3) = 6

防御的イアイドー:3d6>=4+4d6>=4 = (3,5,5 :成功数:2) + (1,3,1,4 :成功数:1) = 3
ユアデス回避:5d6>=4+5d6>=4 = (6,5,3,5,5 :成功数:4) + 
(5,4,4,1,6 :成功数:4) = 8 カウンター!&カウンター!
ブレードブレイカー回避:2d6>=3+1d6>=3 = (6,6 :成功数:2) + (5 :成功数:1) = 3

ユアデスセイケンヅキ射撃:4d6>=4+4d6>=4 = (6,5,6,2 :成功数:3) +
 (4,5,2,6 :成功数:3) = 6 サツバツ!
ブレードブレイカー回避:4d6>=3+3d6>=3 = (5,6,6,4 :成功数:4) +
 (1,1,6 :成功数:1) = 5 カウンター!
ユアデス回避:3d6>=4 = (4,5,6 :成功数:3) = 3

防御的イアイドー:3d6>=4+4d6>=4 = (6,6,1 :成功数:2) + (6,1,6,1 :成功数:2) = 4
ユアデス回避:4d6>=4+3d6>=4 = (6,5,6,5 :成功数:4) +
 (4,6,2 :成功数:2) = 6 カウンター!
ブレードブレイカー回避:4d6>=3 = (2,4,2,6 :成功数:2) = 2

アトモスフィアハードモード突入

ユアデスセイケンヅキ:4d6>=4+4d6>=4 = (2,6,1,1 :成功数:1) + 
(5,4,2,4 :成功数:3) = 4
ブレードブレイカー回避:6d6>=5+5d6>=5 = (5,2,4,3,3,1 :成功数:1) +
 (5,3,2,4,2 :成功数:1) = 2

フェイント攻撃:7d6>=4+7d6>=4 = (3,4,4,6,1,2,3 :成功数:3) +
 (3,5,1,3,4,5,3 :成功数:3) = 6
ユアデス回避:4d6>=5+5d6>=5 = (3,1,3,3 :成功数:0) +
 (4,5,3,2,5 :成功数:2) = 2
ユアデス体力8

ユアデスセイケンヅキ:4d6>=4+4d6>=4 = (5,6,6,6 :成功数:4) + 
(1,5,5,1 :成功数:2) = 6 サツバツ!
ブレードブレイカー回避一発目精神力使用:1d6>=5+10d6>=5 = (2 :成功数:0) +
 (4,4,5,1,4,5,3,6,6,2 :成功数:4) = 4 カウンター!
ブレードブレイカー精神力5
ユアデス回避:3d6>=5 = (3,3,4 :成功数:0) = 0
ユアデス体力ユアデス体力6

強攻撃:7d6>=4+7d6>=4 = (3,2,1,6,1,3,4 :成功数:2) +
 (6,1,6,3,3,2,3 :成功数:2) = 4 サツバツ!
ユアデス回避一発目は受ける:7d6>=5 = (3,4,1,2,1,3,2 :成功数:0) = 0

サツバツ:1d6 = (2) = 2 「イヤーッ!」頭部への痛烈なカラテ!
サツバツ万札:1d3 = (1) = 1

ユアデス体力2【ニューロン】と【ワザマエ】1減少

フェイント攻撃:7d6>=4+7d6>=4 = (3,2,5,4,3,5,3 :成功数:3) + 
(2,6,3,2,4,6,6 :成功数:4) = 7 サツバツ!
ユアデス回避:2d6>=5+6d6>=5 = (4,6 :成功数:1) + 
(6,5,6,3,6,5 :成功数:5) = 6 カウンター!

ブレードブレイカー体力11

ユアデスセイケンヅキ:4d6>=4+4d6>=4 = (2,6,6,4 :成功数:3) +
 (3,5,1,1 :成功数:1) = 4 サツバツ!
 ブレードブレイカー回避一発目精神力使用:1d6>=5+10d6>=5 = (3 :成功数:0) + 
(6,3,6,5,3,3,5,1,5,5 :成功数:6) = 6 カウンター!
ブレードブレイカー精神力4
ユアデス体力0!爆発四散!


「カハハハハ……!ゴホッ!ゴホッ!カッハハハ!カッハハハハハハ!」ブレードブレイカーは嘲笑と共に立ち上がった。ふらつきながらユアデスの爆発四散痕を見下ろし、踏み躙った。「クズめ!負け犬のクズ!」

そしてブレードブレイカーは周囲のビッグ・ベアキャット・ヤクザクランの死体を見回す。「テメェらもだ!揃いも揃ってマケグミども!……俺は違うぞ!俺は手に入れた!このカタナ!このスーツ!このカラテ!」彼は狂ったオーケストラの指揮者のように体を動かしながら侮蔑の言葉を吐き散らかした。

「カッハハハハハ!俺の勝ちだ!カッハハハ!カッハハハハハハ!」………この時、ブレードブレイカーが激しいイクサの余韻によって熱に浮かされていたことは想像に難くない。彼は傷の痛みも忘れ、気が済むまで笑い続けていた。


◆◆◆


「あ、無事だったんだ。ヨカッタネ!」トコロザワピラーに帰還したブレードブレイカーを出迎えたのは明るく笑うシャープキラーであった。肩には先程のイクサでの傷を処置したのであろう、包帯が巻いてあった。

ブレードブレイカーは無言でシャープキラーに近づく。「なんか知ったやり口だったから、てっきり昔の同僚かと思ったんだけど……まさかセンセイだったとはね!アハハ!さすがに私じゃ無理だよ、あの人は」「オイ」

ブレードブレイカーはシャープキラーの目を見ながらぞっとするような冷たい声で言った。「あのヤロウを手引きしたのはテメェか?」少しでもおかしな動きを見せたら殺す。ブレードブレイカーの目はそう言っていた。シャープキラーはその目を真っ直ぐ見返す。

「……ノー、だって。いや、本当に偶然!私だってびっくりしたんだからさ!」「……」「それにさ、今の生活って結構気に入ってるんだよ、私。ソウカイヤに歯向かうような真似しないって!信じて、おねがーい!」「……」

ブレードブレイカーはしばらくシャープキラーの顔を見つめ、「…チッ」やがて舌打ちをしてその場を去って行った。「あ、報酬あるって!受け取って来なよ!」背中にかけられたシャープキラーの言葉に彼は反応を返さなかった。


………シャープキラーはふと窓の外、ネオン輝くネオサイタマの街並みを見た。「サヨナラ。…………。」少女が誰の名前を呼んだのか、そして少女がどんな表情でその言葉を言ったのか、誰も知ることは無かった。

数日後、ビッグ・ベアキャット・ヤクザクランの事務所があった建物と土地はネコソギ・ファンドの所有物となり、ラオモトの優れた手腕によりソウカイヤに多くの利益をもたらした。


後書き

ということで無事にユアデス=サンを撃破!

今回はダイスを振ってその結果を描写に反映させて……ということはせずに最終的な勝敗だけ合わせて戦闘描写は好き勝手に書きました。カラテ解像度を上げるための試みですね。

ところでピストルカラテには『戦闘スタイル:射撃反動カラテ』というものがあってこれは射撃の後に近接攻撃を繰り出せるというものですがこちらを使用したユアデス=サンとの戦闘を試しに行ったところ、どうにか勝利できました。
「二丁拳銃」の射撃難易度+1、近接攻撃の難易度+1で攻撃判定に失敗しやすいところと、回避ダイスの減少、銃器での攻撃はアトモスフィアがハードになっても回避難易度が上がらない点が有利に働いた感じでした。
ただし、全攻撃判定に成功すると驚異の六連続攻撃!こうなるとブレードブレイカー=サンも無傷では済まなかったですね。

シナリオをクリアして余暇を使ってこんな感じになります!

・達成度S:ユアデスを撃破する
 【万札】30、【名声】3、【余暇】4
ニンジャ名:ブレードブレイカー
【性別】:男
【カラテ】:10         【体力】:13/13
【ニューロン】:6       【精神力】:6/6
【ワザマエ】:8        【脚力】:6
【ジツ】:3(近接武器)    【万札】:25
【DKK】:0          【名声】:15

【アイテム】:*ブラッドカタナ* 近接攻撃ダイス+1
      :オーガニックスシ:【体力】を3回復(使い捨て)

【サイバネ】:ヒキャク【脚力】+1、回避ダイス+1個

【装備品】:フルヘルムメンポ【体力】+1
     :*高級ヤクザスーツ NPCに対する説得や脅迫時、1つの判定につき1回だけダイスを振り直せる。またこのシナリオの後に『カルマ・ロンダリング』を行う場合、1回だけダイスを振りなおせる。

【スキル】:『連続攻撃2』
     ●滅多切り ●タツジン(イアイドー) ●頑強なる肉体

【備考】:
ソウカイヤのニンジャ。肩に担いだカタナを扱う。
彼がカタナを振るったものは何故か切断されず、打撃的衝撃によって破壊される。

名声15!遥か遠くにあったシックスゲイツ及びシックスゲイツ候補生の椅子が見えてきました!


それではここまで読んでくださってありがとうございました!