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私が好きなことを仕事にするまで。

就活がスタートし始めた頃、「自分のやりたいことがわかってていいね。」って何人かに言われた。その時は、"逆に自分のことなのになんでわかんないの?"と不思議だった。(言わなかったけど。)


コピーライターが将来の夢になったのは大学三年生の時。でも、"自分の好きなことを仕事にしよう"と思ったのは中学生の頃から。結構ふらふらしてきた人生だったけど、その軸はだけはずっとブレずに生きてきた。

だからこそ大学では、絶対やりたいことを見つけようと決めていた。頭の片隅に常にそのことを置きながら、4年間を過ごした。やりたいことを見つからなかった子との違いはきっとそれだけ。意識しているのとしてないのじゃ、過ごし方もそりゃ変わる。


"好きなことを仕事にしよう"と思ったきっかけは、中学生の時のボランティア活動。夏休みの1週間だけ、近所のリサイクル工場に友達とボランティアへ行くことになった。「ボランティア行くと内申に書いてもらえるらしいよ。」という、よこしまな誘い文句から。


作業内容は非常にシンプルで、レーンに大量に流れてくるペットボトルのキャップを外して足元のボックスに入れるだけ。


これがとにかく性に合わなかった。

午前と午後に分かれていたし、休憩もちゃんともらえた。でも1週間毎日8時間、同じことを繰り返すのが私にはめちゃくちゃしんどかった。冷房が効いた涼しい場所なのに、作業中に何度も息が苦しくなって倒れるかと思った。


友達に聞くと、「大変?むしろ楽しいじゃん。涼しいし。」と言ってたから仕事がどうこうではなく、単純に私に向いていないんだなって気づいた。

そしてもう一つ、気づいたことがあった。それは、自分の好きじゃないことを8時間×5日も続けるってこんなにしんどいんだってこと。


そんな感じで15歳でプチ社会を体験した結果、将来の夢よりも先に、"週に5日どうせ働かないといけないんだったら、自分が好きなことに時間を使いたい"という想いが私の中で生まれた。

ここでのどうせっていうのは悲観的なものじゃなくて、"どうせ週5日8時間も使えるなら"の前向きな方のどうせ。


"好きなことを仕事にしよう"と思ったのは私の場合、意識が高かったからとか、幼い頃から表現したいものがあったとかそんなんじゃない。私には向いていないことがあったっていう、ある意味で挫折から始まってる。


その苦い経験があったから、やみくもに"広告が好きだ!広告会社に入ろう!"と飛び込まずに、広告業界が自分に向いているかどうかをまずは確かめた。

大学2年の時は求人の代理店で、3年の時には宣伝会議でそれぞれ一年間バイトした。「週5で朝から夜まで、広告に関わっていても辛くない。これを仕事にしても大丈夫。」と自分で確認した上で、広告業界に挑むことにした。


最近なんとなーく、"好きなことを仕事にすることこそが正しい生き方"っていう風潮が漂っているけどそんなことないと思う。仕事なのか趣味なのか、はたまた家庭なのか。何を大切にするかの基準はそれぞれが決めることだし。


でも就活に入るまでに、その時の自分の基準がぼんやりとわかっていると進むべき道が見えやすいのかなとは思う。基準は変わっていくものだから、その時の自分の気持ちに正直になってみるとたぶんわかる。


「しおりさん意識高いっすね。」と半分バカにされたりすると、いやいや寧ろ"嫌なことに週5も費やしたくない!!!"っていうめちゃくちゃ意識の低い理由なんだけどなって思う。


なんとなくで何かすることって、実はそんなにない。意識してないだけで、全ての物事にはルーツが潜んでるし、全部どっかで繋がってる。

人生って、おもしろいなぁ。