【介護】母との暮らしにもだいぶ慣れて
子育てもそうだけれど、介護も最初は戸惑うことばかりだった。
心身ともに弱っていた母と暮らしはじめた数年前、母は2か月ほどほんとうに寝てばかりいた。
あの頃、母の傍へ行っては、幼い娘が熱をだした時のように、鼻の近くに手をかざし息をしているか何度も確かめた。そんなわたしの気配に母が飛び起きることもよくあった。
今では母の居る暮らしに随分慣れたと思う。
母の食事のほどよい量や、低気圧や台風で足がキリキリと痛むことや、痛みを訴えない性格の人であることや、それでも起き上がれない日は恐ろしく痛むのだろうということなど、色々と分かってきた。
ただ、昨夜は久しぶりにちょっとだけ慌てた。
我が家には高血圧の人はいない。それなのに母の血圧が200だというのだ。
持病の検査をする半月ほど前、血圧の記録をとるようにといわれ、先週新しい血圧計を買って来てきたばかりだった。567が流行った数年前買い求めた血圧計は壊れていると母がいうのだ。ところが昨夜、つい最近買ったばかりの新しい血圧計も壊れているといいだした。
そんなバカなと測ってみると、確かに壊れている。大きな文字で母の血圧が200と表示される。
立て続けに壊れるなんて…と思い、試しに自分の血圧を測ってみると、なんと正常値ではないか。
そこから慌てて、夜間の病院へ問い合わせがはじまった。
そんなわけで、今日は早朝から病院へ向かい、数種類の検査をしていただいた。結果、幸いにも入院することなく帰ってこれた。
以前のわたしならワタワタとしていたのだけれど、昨夜は落ち着いて対処できた。
わたしたち家族に気を使い、遠慮の塊だった母は、何かとわたしたちに謝ってばかりいた。
けれど近頃母は謝らない。
ダイニングテーブルにも、ソファーにも、母の定位置ができている。そう、いつの間にか母はもう家族の一員になっている。
子育ても介護もちょっとだけ時間がかかる。
思わぬ形で我が家に加わった母。
家族が一人増えたことで動きにくくなったし、外食の機会もめっきり減ってしまった。けれど、それでも笑うことも、嬉しい話で盛り上がることも増えた気がする。
※最後までお読みいただきありがとうございました。
※スタエフでもお話ししています。
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