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自分の悲しみが生徒を救う、という話を聞いて思い出したあの瞬間

私の家は、ハムスター一家だった。

なんて言い方すると大袈裟だけど、母が大好きだったんです、ハムスター。🐹

最初に飼ったハムスターは、縁日の屋台の"ハムスターくじ"(今となっては考えられない!)で迎え入れたジャンガリアンハムスター。

その子はよく脱走するやんちゃ坊主で、ゲージに足を挟んで後ろ脚を切断する手術を受けたにも関わらず、3年弱生きた強靭なハムスターだった。

最初に飼ってたその子の名前はプリン。
2番目に飼った子がキャンディ。

キャンディちゃんが亡くなってから少し間があいて飼ったのが、チョコちゃんだった。

チョコちゃんは顔にほくろ?あざ?があって、今考えると病気を持っていたんでしょう、長生きしたプリンとは比べられないほど短い命だった。

小学校5年生の時、母の「チョコ!!どうしたん!!」という声で目が覚めて、亡くなっているのを発見した。

まさかこんなに早く死んでしまうとは思わなくて、心の整理もつかないまま、
それでも学校には行かなければならないので、涙をこらえて登校した。

教室では何とか泣かないようにしてたけれど、朝の会の後、先生に呼び出された。

「あ、怒られる。私、なんか悪いことしたっけ。」と身構えていたら、先生が「どうしたん」と聞いてきた。

「飼ってたハムスターが死んだ」

言葉にした瞬間、泣き崩れてしまった。

そんな私に先生は、先生が昔飼ってたハムスターの話をしてくれた。

先生は、昔飼ってたハムスターを、自分の不注意で死なせてしまった。ものすごく後悔した。
でも、私は、自分のせいで死なせてしまったわけじゃないだろう。
愛されて幸せだったはずなんだから、落ち込むな、と言われた。

その話を聞いた私は、ものすごく励まされて、その日1日をなんとか乗り切ることができた。


先生としての研修を受ける中で、
「自分が経験した悲しみが、生徒を理解することに繋がる」という言葉をいただいた。

その言葉を聞いた時、真っ先に思い出したのが、この先生の励ましの言葉だった。

あの時の私にとって、先生が語ってくれた話は、救いの手だった。

これだけ生きていれば、悲しいこと、悔しいこと、たくさん経験したけれど、
その悲しみの数だけ、悔しさの数だけ、救える生徒がいるのだと思うと、先生って素晴らしい職業だよなあ、と感じる。

*写真は高校生の時に飼ってた4代目、アルフォートちゃんです🐹

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