老い

 祖父母に感じる老いが濃くなってきた。
 実家に帰る度に、老いたなと思う。いつからこんなに弱々しくなったのかと思う。背中も丸くなった。車の運転も危なくなった。力もなくなってきた。ちゃんと自覚して、孫に頼むようになったり、免許返納を決めたりしているだけ、うちの祖父母はえらいと思う。
 自覚しているからこそ、「もう歳だから」と、少し寂しそうに言う。孫に渡すお小遣いも増えた。
 お兄さん夫婦が亡くなったことが影響してるんだろうなと想像している。それまで元気だと思っていた人が、急に居なくなった。しかもそれが兄だったら、「自分の死も近いのかもしれない」と思うのは当然だろう。側から見ても、これまでよりも強く死を意識している気がしてならない。

 これまで元気だったおじいちゃんおばあちゃんが、これまでと明らかに違うことは私にとっても戸惑いがある。これからどう接しようかなとか、どんな思い出作れるかなとか、もっと一緒にいられる時間がを大切にしなきゃなとか、すごく考えるようになった。

 最期に立ち会えるといいな。

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