バーチャファイターの新プロジェクトと、14年間孤独だった私。

私の地元に大型のゲームセンターが出来たのは、
小学校に入るか入らないかの時だった。
そこでバーチャ4に出会った。

小学生なんて「仮面ライダー大好き!」みたいな時だから、
カッコよくてリアルなキャラクターが闘っている。
キレの良い技で相手を打ち負かしている。
「かっけ~~!!」
たったこれだけの要素でプレイしたくなるのは必然だった。

今でもバーチャ4以上の爽快さを感じる格ゲーは無いと思う。
華麗な技の数々。
打撃音とはまた違う甲高いヒット音。
オレンジのK.Oの文字。
すべてが軽やかというかスポーティーな印象があった。
2~3回アーケードでプレイして
6歳の私は完全に虜になっていた。

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程なくしてPS2版のバーチャ4を買ってもらい、
それこそ学校から帰ってきたら親に怒られるまでやっていた。

一人で。

私はバーチャファイターを一度も他人とプレイしたことがない。
周りに格ゲーをする人間は誰一人いなかった。

SNSもない。
ここが好きなんだと共感してくれる術はなく、
「アキラがカッコいい」「影丸が強い」と言っても
「なんの話をしているの?」と怪訝な顔をされたこともある。
ゲーセンに行っても、
攻略もコンボも分からない小学生なんか相手にしてくれない。
勝率の養分になるだけ。

だから家で一人でCPUと闘い続けた。
あの当時、私の世界で私だけが愛したゲーム。
それが「バーチャファイター4」だった。


「バーチャファイター」1993年に世界初の3D格闘ゲームとして産声を上げ、
翌1994年に「バーチャファイター2」が空前の大ヒット。
ゲームセンターで3D格闘ブームを起こし、それこそ歴史を変えたゲームだった。
大規模な大会が開かれ、皆猛者の戦いに熱狂した。

これらは後で知った歴史である。
当時の私に、ひと回りもふた回りも年上の熱狂など知るわけがない。


時は流れて中学生の時、ゲーセンに一緒に行く友人もできた。
少しヤンチャしていた先輩にも格ゲーを通してかわいがってもらった。

しかし、そのゲーセンにあったのは
「鉄拳6」「ストリートファイター4」「ガンダムエクストリームVS」


そこに「バーチャファイター」の姿は無い。
いつの間にか完全に終わったコンテンツだった。

次第にゲーセンに格ゲーそのものが置かれなくなった。
外から家へ。
情報や交流はリアルからネットへ。
ゲーム大会はeスポーツと姿を変え、プロゲーマーも生まれた。

時代は変わった。
そして、

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「バーチャファイター 新プロジェクト」

震えがきた。
このアナウンスだけでもいい。
バーチャの新作なんて有り得ないと思った。
いつ鉄拳のゲストキャラにアキラが出てくるんだろうと思っていた。
本当は人とバーチャがやりたかった。
嬉しい思いがしたかった。
悔しい思いがしたかった。

今ならできる。
小学生の時の自分の思いを叶えることができる。
人生のIfストーリーをまた一つ消すことができる。

もっと強い奴と闘いたい。
バーチャファイター6がやりたい。


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