81冊目:バジリスク~甲賀忍法帖/山田風太郎・せがわまさき

こんばんは、Umenogummiです。

今日は甲賀・伊賀の忍者たちの厳しい死闘を描いた作品です。


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バジリスク~甲賀忍法帖/山田風太郎 原作・せがわまさき 漫画


山田風太郎氏の甲賀忍法帖が、せがわまさき氏によって大胆にコミカライズされています。

服部半蔵に仕える甲賀卍谷の一族と・伊賀鍔隠れの一族の長きにわたる敵対から和解がなされようとしていたころ、徳川家康の命により徳川家3代目の後継者を、甲賀と伊賀の忍術争いによって決まることとなります。
甲賀が勝てば国千代、伊賀が勝てば竹千代が後継者になります。

甲賀・伊賀の忍者・それぞれ10名の精鋭が選出され、死闘が繰り広げられます。そのなかには敵同士でありながら祝言を挙げる予定であった甲賀の弦之介と伊賀のの名前もありました。


自滅させる瞳術や膠のような粘着質を持つ痰、虫や小動物を使った幻術、不死の術、情欲の吐息が毒になるなどさまざまな忍術が出てきます。徳川家の命運が託されているうえ、もともと憎みあうほどの相手ですから、一人、また一人と命を落としていきます。命がけで繰り広げられる忍術合戦のなんと美しく、儚いこと。


弦之介と朧が出会う前日譚もあるのですが、忍者たちの生き生きとしている普段の姿が垣間見え、もの悲しいです。
徳川家が阿呆な提案をしなければ、弦之介と朧の祝言を機に伊賀と甲賀は歩み寄るはずだった、そんな未来が見え隠れします。


忍者たちの、権力者による抗えない哀しき運命と命の物語です。

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