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企業向けDXテックに注目!2021年1Qのアフリカのスタートアップ投資

アフリカへのスタートアップ投資が引き続き活発です。

当社は、アフリカのスタートアップへの投資・資金調達実績を、2016年から5年分蓄積しています。ひとまず今回、最新の今年の第1四半期(1~4月)のデータを無料で公開しました。

こちらからダウンロードしてください。


今年の第1四半期は、業務支援系のスタートアップへの投資が件数的にはもっとも多かったです。具体的には、小売店向けの営業支援だったり、現地メーカーやSMEs(中小零細企業)などへの販売管理、顧客管理、マーケティング支援など。

また、ソフトウエアをAPIにて事業者に提供するスタートアップへの投資もありました。決済ゲートウエイや銀行APIなどです。

どちらも、企業向けのBtoBテックですね。企業のデジタルへの業務支援であり、企業向けDXテックとも言ってよいかと思います。

コロナ以降のスタートアップへの投資では、世界で、消費者向けのアプリよりも、企業向けテックの伸び率が高いようです。

決済ゲートウエイのスタートアップでは、ナイジェリアのFlutterwaveが先頭を走っています。この第1四半期の投資にて評価額10億ドルを超え、いわゆるユニコーンとなりました。

同社は、消費者にモバイルやネットでの決済を提供している企業に対して、さまざまな決済手段を受け入れることができるように決済ゲートウエイとなるソフトウエアをAPIで提供しているスタートアップです。eコマースのJumiaや配車アプリUber、中国アリババも彼らの顧客のようです。

クリーンテックと呼ばれる太陽光発電に関わるスタートアップへの投資は引き続き活発です。日本企業も多くがこの分野に投資しています。

日本企業のスタートアップ投資

さらには今四半期は、SHYFT Power Solutionsのような企業も調達を行っています。ここは、太陽光発電など分散型のオフグリッド電力を供給するスタートアップ向けに、その運用効率やサービス最適化をするためのIoTソフトウエアを提供しています。

スタートアップに対して業務支援するということですね。

同じ文脈では、アフリカでコロナによってどっと増えた、宅配アプリ。アプリを使って、小売店や飲食店から食品や食事を消費者の自宅に宅配するサービスですが、コロナで人を運ぶニーズが減った後、Uberなど配車アプリや物流アプリをやっていた事業者が、代わりに増えたモノを運ぶニーズを見込んで参入しました。そしてついに、宅配アプリを提供する事業者に宅配アプリ・ソフトウエアを提供するスタートアップなんかもでてきました。

業務支援やソフトウエアAPIを提供する、アフリカの企業向けDXテックスタートアップに、今後注目です。

なおSHYFT Power Solutions、リストには諸般の事情により入っていませんが、次のバージョンでは追加します。

その他、この4カ月の投資の傾向は、こちらからご覧ください。


アフリカのスタートアップ業界において、2019年は大型の投資が出現し、熱い時期でした

しかし2020年、コロナが広まった頃、アフリカのスタートアップ投資は下火になるだろうと思われていました。世界中で不確実性が増し、アフリカの優先度が下がると見られていたし、やはり、アフリカへの投資は、確たる市場拡大の見込みがあるというよりも、人々の夢や将来への明るい展望といったマインドに投資が支えられている部分が大きいからです。

事実、上半期は、海外投資家が自国に帰ってしまったり、スタートアップ自身も規模を縮小したりしており、スタートアップや投資家が入居するインキュベーションハブも閑散としていました。

しかし、予想外に、下半期から投資は戻ってきています。資金注入による低金利により、スタートアップに資金が回っているという世界の潮流も背景にあるでしょう。

こちらでは、2019年からコロナを経たアフリカのスタートアップ投資の状況についても、簡単に説明をしています。


アフリカのスタートアップについての記事は、以下にまとめています。


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