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瀬戸川うみ

帰りの電車に揺られながら、
とても嫌なものを見た。

ある駅で乗ってきた2人組の女性が
優先席に座る。
すると、隣に元々座っていた男性に
「男性が苦手なので立ってくれません?」
と冷たく言った。

男性はすみません、とばつが悪そうにその場を立つ。

向かいの席でそれを見ていた私は、次で降りる予定だったので席を空けた。2人組の女性は、私と同じ駅で降りたようだった。

悲しくて、涙が出た。

いま一番一緒にいる友人がフェミニストで
私は彼女から男女が平等であることの重要性を
たくさん教えてもらった。

女だというだけでひどい扱いを受けてきた人たちがたくさんいるということも知った。

だけど私は今、
目の前で、男だというだけで、あとから乗ってきた女性に席を立たされてしまった男性を見た。

私はその女性の事情は分からない。
もしかしたら、PTSDを患っているのかもしれない。並々ならぬ事情で男性が苦手なのかもしれない。だとすれば誰も責めることはできない。

おそらく今回席を立つことになった男性は、健常者だったと思うけれど、
だけど、もし、もしその方が障害のある方だったら?

そう考えると悲しくて
涙が止まらなくなってしまったのだ。

優先席で起きたことなので
仕方がないと言えるのだろうか

女性は元々立場が弱いから
それくらいは許される、と言えるのだろうか

もう、分からない。
これを書いていたらまた悲しくて涙が出てきたので、もう考えるのはやめよう。
どうせ正解なんてない。答えなんてない。

私は、男性だというだけで席を立たされてしまったあの男性に
このあと「少しいいこと」が降り注ぐことを
願うくらいしかできない。

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瀬戸川うみ
文月うまれ。感情を言葉に変えて息をしています。おいしいものと、かわいいものが好き。干した梅は食べられません。さまざまな人の人生と交差する瞬間を大切にしたい。目標は、すごい人になることです。