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ジャスミンの魔力

ジャスミンや金木犀、バラの花など、お花を使って香り付けをした『花茶』はふんわりと香るお花の匂いに癒やされるお茶ですが、人によっては「なんだか苦いし、お茶から花の匂いがするのはちょっと…」と苦手に思われることも。でも、花茶のおいしいいれ方を知る事ができたら、今よりもっと花茶が好きになれるかもしれません。今回はそんな花茶の代表、ジャスミン茶のお話です。

 中華料理屋さんや街のスーパー、沖縄のさんぴん茶など、日本で見かけるジャスミン茶は、一般的に中国や台湾で作られる緑茶の茶葉を使って作られています。中国茶なら烏龍茶の茶葉じゃないの?と思われるかもしれませんが、これは緑茶が中国で一番よく飲まれているお茶で、生産量も多いからだと思います。

でも、中国緑茶は日本の緑茶に比べて少しクセのあるお茶。

私たち日本人にとってはあまり馴染みのない茶葉なせいもありますが、烏龍茶のように熱湯でサッといれてしまうと甘みやお花の香りよりも先に苦み成分が抽出されてしまって香りの弱い苦いお茶になってしまうんです。

だから、ぜひ美味しくいれるコツを掴んで、香りよくジャスミン茶を楽しんでくださいね。


繊細なジャスミン茶、ぬるいお湯で優しくいれて

どこのお店で購入したジャスミン茶でも、美味しくいれるための共通のコツ。
それは、熱湯を使わない事。
熱湯を使うと緑茶の中のカテキンが多く抽出されてしまって苦みが増す原因になってしまうんです。

温かいジャスミン茶をいれる時は、70~85℃くらいのぬるめのお湯を使うようにしてください。ぬるめのお湯と言われてもピンとこないかもしれませんが、85℃と言えば、日本茶をいれるのに最適な温度。
電気ポットの設定温度にもよくある熱湯より少しぬるめの温度です。

ケトルなどでお湯を沸かす場合は、沸かしたての熱湯を湯冷まし→カップ→ティーポットへと3回、移し替えて下さい。これでお湯が適温に下がります。
茶器のあたためにもなるのでこの方法がお薦めです。

ティーポットにお湯を注いだ状態でジャスミン茶の茶葉をふんわりと乗せて、蓋をし5~10分ほどよく蒸らします。
長いと感じるかもしれませんが、低温のお湯でいれる時は抽出に時間がかかるのでのんびりと待ってあげてください。ゆっくり抽出することでお花の香りを飛ばさず、また苦み成分のカテキンよりも旨味成分のテアニンが多く抽出されるようになります。

茶葉がお湯に沈んでいく様子を楽しんでみるのもいいものですよ。

蓋を開けた時にふわりとお花の香りがたったら、出来上がり。
そっとティーカップに注いでお飲みください。

理想をいうなら、お茶を半分くらいまで注いで飲んで、またお湯を足して…と繰り返しお湯を足していくこと。ティーポットに半分くらい、お茶を残すようにしてお湯を注ぎ足していくと長く楽しめます。

香料を使っていないお花の香りだけの茶葉なら3煎程度は楽しめます。
香料を使ったフレーバーティーは1煎で香りが全て流れてしまうので、2煎目以降は香りは続かないでしょう。





ジャスミン茶って実はとても手間のかかるお茶

せっかくなので、ジャスミン茶の作り手さんの現場の話を少しだけ…
お茶うけの話のタネによかったらどうぞ。

ジャスミン茶や桂花茶など、香料を使わず天然のお花の香りを移して作る花茶は実はとても手間のかかるお茶です。

「低品質の茶葉をお花の香りで誤魔化しているんでしょ」と思われがちですが(そういうお茶もある事はあるのですが…)良い茶葉と良い花を組み合わせた高級花茶の手間は相当なもの。

お花の選定も製造行程もすごく時間をかけられています。

ジャスミンの花はまだ開ききらないつぼみの状態が一番香りが良いと言われているので、半開きの状態のものを使います。

薫花と呼ばれる工程で、茶葉→お花→茶葉→お花…とお花を茶葉に何層も重ねて加熱と乾燥を繰り返し、茶葉に香りを染みこませていきます。
手作業でお花を取り替えながら、だいたい3~7回ほど繰り返したところで最後にお花を取り除いて完成!

時間をかけて丁寧に香りを移したジャスミン茶は、お茶の袋の封を切った途端花の香りが溢れて、何煎も花の香が続きます。

茶葉との相性も吟味して作られているので、花の香りだけではなく茶葉のしっとりとした味わいも感じられるはず。逆に低品質の花茶は2煎目以降、すぐに香りが飛んでしまったり、渋みが際立ったりと残念な味わいの事が多いので、2煎目、3煎目もおいしく飲み続けられるかどうかがひとつの目安になるでしょう。

昔は、茶葉にお花を重ねて香りを移したあとお花をひとつ残らず取り除いた状態で出荷するのが最良と言われたジャスミン茶ですが、最近はお花をほんの少し残した状態で売られている物をよく見かけます。これは「茶葉に花が混ざっているとお茶が薄くなる」という味わい重視の考え方から、お花の雰囲気を残しつつ、お茶はふんわりと香るのが美味しいという形に好みが変化してきたからなのかもしれません。

 お茶の香りや味わいを決めるのは茶葉を生産する作り手の意識によるところも大きいですが、最終的にはその茶葉を手にして飲まれるお茶好きの皆さんたちの好みが決定していくものなのでしょうね。

時代の移り変わりによって変化していくお茶の味わいや香りを毎年飲み比べながらゆっくりと愉しんでいただけたら幸いです。


ジャスミン茶は女性に嬉しい効果がいっぱい!

あまり知られていませんが、ジャスミン茶の香り成分「ベンジルアセテート」は、鼻から脳に直接届いて右脳の働きを活性化させる作用があります。

ベンジルアセテートはイランイランやクチナシ、ヒヤシンスなどにも含まれる甘い香りの成分で、ホルモンバランスを整えて緊張を解いてくれる癒やしの香り。女性の身体をやさしくいたわってくれる香りなんです。

ぜひ、重い月経痛で気分がすぐれない時に、温かいジャスミン茶を飲んでみてください。痛みやストレスでこりかたまってしまった身体をほぐしてのんびりくつろげるかと思います。

お花の香りでリラックスもできるので、辛い時だけではなく、お風呂上がりのゆったりタイムにもお薦めです。

ちなみに当店の一番人気「ジャスミン白茶」は、緑茶ではなく白茶をベースにしたジャスミン茶です。

利尿効果が高く、身体のむくみをとってくれる白茶をベースにすることでより身体にやさしいお茶に仕上げました。
白茶は緑茶と違って苦みや渋みもほとんどないので、お花の香りを壊すことなくふわりと香るジャスミン茶になっています。

ベースとなる茶葉が高級白茶なのはもちろん、お花の香りを移す薫花の工程も7回行われている最高級品。お茶とジャスミンの花の香が溶け合った癒やしのジャスミン茶をよかったら一度、お試しくださいね。



今回ご紹介したお茶やの薦めるジャスミン白茶は
こちらで購入いただけます♪

■ジャスミン白茶(50g) / 1,000円(税・送料込)■

~ ふわりと優しく香る白茶ベースのジャスミン茶です ~


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