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営業の美学(4)インプレッション

あらゆるジャンルに通用する営業の手引き=営業の美学。
営業に携わる方に少しでも参考になれば幸いです。


第4回 インプレッション

今回のテーマは、インプレッション(印象)。

営業パーソンにとって、相手にどのような印象を持たれるのかということはビジネスの成否への影響力が非常に大きい要素です。

人間には、「一貫性の原理」が備わっています。
一貫性の原理とは、「自らの行動や発言、態度、信念などに対して一貫したものとしたいという心理のこと」を指します。

つまり、最初に感じたこと・言ったこと・取った態度がベースになるということです。もちろん、途中で変わることはありますが、最初の印象によってアドバンテージを取るかハンデを負うかが決まるのです。

やってはいけない「3K」

① 怖い
わざと怖い態度を取る人はいないと思いますが、表情が固かったり、不愛想だったりすると、怖いという気持ちが芽生えます。
そうなると、関わりたくないという思考が生まれます。この場合、トラブルも嫌という思いからとりあえず話だけは聞いてもらえますが、一切耳には入らないという事態に。大げさかもしれませんが、猛獣を前にして、まともに話など聞けるはずがありません。
威勢を示そうとして、怖いと思われないように注意が必要です。

②暗い
「とにかく明るい人」である必要はありませんが、暗い印象を持たれてしまうと、商品やサービスの提案にも伝播してしまいます。
相手側からすると、常に不安と隣り合わせの状態となりますので、リスクばかりに目がいきがちになります。
いつもリスクばかりを指摘されるなぁと感じる方は、「相手がそういう性格だから仕方ない」と割り切る前に、自分自身の姿勢についても見直してみると良いかもしれません。

③詭弁
詭弁とは、間違っていることを強引に正しく見せかけ、ことさらに自己主張したり,相手を論破することを指します。
一生懸命であるが故に、「相手の指摘を完璧に返して、説得しなくては!」となる方は要注意です。質問への回答と意見への対応はしっかり分別しましょう。
この人は、何を言っても言い返してくるなと思われてしまうと、「No」しか返ってこなくなります。「No」の理由を言うと、また反論攻勢が始まるのが面倒だからです。
こうなってしまうと、いつまで経っても深い関係を作ることができず、疎遠になっていきます。

好印象を与えるための「3S」

先ほどとは打って変わって、英語の頭文字になりますが、ご了承ください。

①笑顔(Smile)

相手との心理的な距離感を縮めるということは、密度の高いコミュニケーションを実現するために重要なことです。
シリアスな場面に笑顔は不要ですが、インプレッションということに関して言えば、笑顔は絶大なる効果を発揮します。笑顔の多い人とのコミュニケーションはストレスが少ないため、また会いたいなと思う要因にもなります。
また、笑顔はリラックス効果やポジティブな気持ちになる効果があると言われているので、自分自身にとってもプラスの効果があります。
緊張する場面や苦手意識がある相手ほど、笑顔を出せると良いです。ただ、無理に笑顔を作りすぎても疲れてしまうので、そこは自分の中で調整していく力も必要です。

②共感(Sympathy)

冒頭にも述べた通り、人には一貫性の原理が働きます。つまり、自分の行動や考えがずらされると気持ち悪く感じるのです。
それを緩和するには、共感が大事です。
方法としては、共感していることを具体的に言葉や態度に表すことです。

良く共感ばかりしていては、先に進まないという人がいますが、それは共感という言葉の意味を少し取り違えているかもしれません。

・自分も同じ考えであるということが同感
・自分の考えはさておき、相手の考えを理解することが共感

つまり、共感することは、相手の意見を採用することではないのです。
相手の考えにズケズケと入り込み、同感を求めるやり方では、心を閉ざすだけ。相手をコントロールしようとしないこと、その中で自分の意見を主張することが何よりも大事です。
また、共感することによって、新たな着地点を見つけようという思考も生まれるので、ビジネスチャンスを掴むことが格段に増えていきます。

③自己開示(Self-disclosure)

話しやすい人という印象を持ってもらう。
そうすることで、相手の本音に迫ることが出来るようになり、提案の精度が飛躍的に高まります。結果として、成約率の向上にもつながります。

自己開示には、相手との間にある心理的なハードルを引き下げる効果があります。開示された側は、自分も開示しなければならないという心理が働くと言われています(返報性の法則)。

お互いの立場上、本音を隠してコミュニケーションをしなければならないことがあると思います。とりわけBtoBビジネスの場合には、多いかもしれません。
特に建前だけではなく、本音をぶつけることで、相手の本音を引き出すことが出来るのです。相手に求めるだけではなく、まずはこちらから心を開いて開示しましょう。

ここで注意が必要なのは、ここで言う自己開示=相手にメリットのある情報の開示ではありません。開示した内容に意味があるのではなく、開示することに意味があるということを忘れないようにしてください。
言ってはいけないこと、自分以外の人の事などは勝手に開示しないように。あなたへの信頼が揺らぎますので、単なる秘密を暴露する人になってはいけません。

なんだか、気疲ればかりしそうだなと思った方もいるかもしれませんが、相手も自分に対して時間を確保してくれているのです。お互いにとって有意義な時間になるように、自身のインプレッションについて振り返ってみてほしいと思います。

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