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車は詳しく無いけど「フォードVSフェラーリ」が面白かった

 私は全然車について詳しくない。実際のレースも知らないし、免許は持っているがコンビニの買い物に行くくらいが関の山だしイニシャルDを読んだこともなければゲーセンで湾岸ミッドナイトもやったことが無い。強いて触れたことあるのはマリオカートくらいだ。64とダブルダッシュは面白いよね。
そんな私がクリスチャン・ベールとマット・デイモンがコンビを組み出演してるという理由で観に行った映画が「フォードVSフェラーリ」だ。珍しく映画館の予告で興味を惹かれ鑑賞にまでこぎついた作品だ。実話を基にしたフォード社とフェラーリ社の1966年のル・マン24時間レースでの熱いバトルを描いたレース映画だということだ。クリスチャン・ベールが前作『バイス』でめちゃくちゃ増量してまた今作で減量するという役作りの見事っぷりも気になった
結論だけ先に言おう。

めっっっっちゃ面白かった!!
映画館で観れるうちに行こう!!めっちゃ映画館向きな映画だから!!!

ル・マンでの勝利という、フォード・モーター社の使命を受けたカー・エンジニアのキャロル・シェルビー(マット・デイモン)。常勝チームのフェラーリに勝つためには、フェラーリを超える新しい車の開発、優秀なドライバーが必要だった。彼は、破天荒なイギリス人レーサー、ケン・マイルズ(クリスチャン・ベイル)に目をつける。限られた資金・時間の中、シェルビーとマイルズは、力を合わせて立ちはだかる数々の乗り越え、いよいよ1966年のル・マン24時間耐久レースで長年絶対王者として君臨しているエンツォ・フェラーリ率いるフェラーリ社に挑戦することになる。

フォード?うん名前は聞いたことある。フェラーリ?うん、高級車のクルマメーカーだよね。という程度の知識しかない私だがこの映画はおもしろく観ることが出来た。

まずフォードVSフェラーリというタイトルだが実際のこの映画の対立構造の主な部分はクリスチャン・ベール演じるケン・マイルズとマット・デイモン演じるキャロル・シェルビーのコンビとそれに横槍を入れてくるフォード社の人間だ。 マイルズは腕は誰よりも良いがあまり人格的には良い人間だとは言えない。レースに勝つことを目的としているがそれは最終的に車を売る為であるフォード社としては、マイルズはイメージにはそぐわずあれやこれやとシェルビーを通して彼をマシンの椅子から降ろそうとする。シェルビーとマイルズも時には対立するのだがシェルビーはマイルズの腕を誰よりも信頼している。会社と現場というその板挟みの中で奮闘するシェルビーには社会人には何かしら共感してしまう部分がある。
マイルズとシェルビーのコンビがぶつかり合い、互いに信頼していく姿にはバディものとしてもとても熱くさせてもらった。

そして、何よりレースでの臨場感。この映画の最大の魅力だ。私は映画において没入感はとても重要だと思っていて、家でDVDで観るのではたとえ電気を消してスマホの電源をオフにしてフルスクリーンで観たって劇場で観る方が圧倒的に良いし、なるべくなら映画の世界にのめり込みたい。
この映画はそういう意味では自分がマシンの椅子に座っているかのような気分だった。それは音響の凄まじさから感じ取れる「7000回転の世界」だ。
 フェラーリ社を打ち負かすクルマを作る為にシェルビーとマイルズはマシン製作に試行錯誤をする。ル・マン24時間耐久レースは単純に何周すればゴールというのではなく、24時間かけてレースを行い、サーキット周回数を競う。なので早さはもちろんクルマの頑丈さ、ピットインしてから部品交換の迅速さも重要になる。そういった最高のクルマを作る中で空気の流れが悪いだとか接地性が悪いだとかそういうやりとりが起きるが、用語の意味は分からなくともそれを音響で感じれるのだ。良くないマシンに乗ってる時はなんだか音がガタガタしているように感じるし、レース中ギアをあげれば音で感じ取れる。ギアを変え、メーターが振り切り、一瞬の読み合いの中でマイルズのマシンが時速300kmを越えるとフッと音が澄む。劇中の言葉を借りるなら「7000回転の世界はマシンが消え、肉体だけが残り、時間と空間を移動する」境地に達する。

これをレーサーは体験しているのか……私はあの2時間半の中で、たしかに1966年のフランスのル・マンのレースに参加し、フォードGT40の座席に座っていたのだ。

本物志向の監督が敢えてレースシーンはクラッシュ含めほとんど本物でVFXは観客の数を増やすのに使ったとか、あえて史実とは違う部分があるらしいが、私はすでにいったようにレースに関しては無知なので語れない。今もWikipediaやクルマの画像を観ながら調べている最中だ。

しかし2020年最初に観る映画として、とても良いスタートを切らせてもらった。ドアがきちんと閉まらないというトラブルが起きなければ良いのだけれど。

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