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ステップファミリー|子供がなつかないのに経済力を選び失敗|あせって後悔


麻里奈さん(仮名:30歳)

「2回も結婚に失敗するなんてね」

私が1度目の結婚をしたのは20歳の時でした。高校時代から交際していた彼氏の子供を妊娠したことがきっかけで入籍したの。そして女の子が生まれた。でもこの結婚生活は本当にうまく行かなかったのよ。

彼は働く気が全くない無職のクズ野郎だったから私がキャバクラで働きながら生活費を稼いでいたんです。でも22歳の時、就職活動すらしない旦那に嫌気がさして離婚したのよ。もちろん子供は私が引き取ることになったんだけど娘と2人で生きていく覚悟がなかったから実家に帰ったの。

私と両親は仲が良いから温かく迎えてくれた。ただ両親にお世話になりっぱなしは申し訳ないから私は銀行の契約社員として働き出したの。

その勤務先の銀行で1人の男性と「縁」があったのよ。当時26歳の私に対して彼の年齢は40歳。体型はかなり肥満体型で清潔感がない男性だったけど年収550万円くらいはあったの。正直、彼の見た目も性格もタイプじゃなかったし彼に対して「好き」という感情は全くなかったけど、浮気やギャンブルをしない「堅実」なタイプだったから「こういう人が結婚には向いているのかな」と思って交際をスタートしたのよ。

次の再婚相手には「経済的に援助して欲しい」って気持ちだけだった。最初の結婚で働かない男を選んで後悔したからね。でも大きな問題があったのよ。

娘が彼に全くなつかなかった

娘は6歳になって物心も付いていたし彼をはっきりと「この人はパパじゃない」と分かっていたからね。それに娘はディズニーのプリンセスにあこがれていて、彼を受け入れられなかったんだと思う。とにかく娘は彼に心を開かなかった。大人だったらお金でなんとか割り切れるところもあるけどね。私の両親も彼との再婚に対してはこう言っていたわ。

「子供がなつかない男と再婚しても絶対に幸せになれない」

そう何度も私に説教してきたけど私は「早く再婚したい」という「あせり」があって両親には「私が彼を変える」と言って、なかば強引に彼と入籍をしたの。

マンションを借りて新しい旦那、私、娘の3人で生活することになった。これで経済的に安心と思っていたけど現実はそんなに甘くはなかった。まさかあんなことになるなんて思いもしなかった。

まずは想像していた以上に彼がお金に関して「きっちり」していた。夫婦の財布は完全に別で毎月私に3万円だけ渡して後は私の収入でやりくりしろと言ってきた。彼は

「連れ子の服代や習い事の費用をなんで自分が出さないといけないんだ?」

そういつも言っていた。まあ簡単にいうと超ケチだった。その時に気づいたの。

「年収が良いこととそれを家庭に入れてくれるかは別の話」ってことにね。

仮に年収1,000万円で家庭にお金を入れてくれない人よりも年収300万円でも家庭にしっかりお金を入れてくれる男性の方が奥さんは助かるわ。誰でも分かる単純な話よ。

でも、それ以上に娘が旦那に心を開かないことがやっぱり1番の問題だった。娘は旦那のことを陰では「気持ち悪いおっさん」と呼んでいたからね。最初は打ち解けようと頑張っていた旦那も娘の態度に腹を立てて目も合わせないようになった。その時、両親の言葉が頭に浮かんだ。

「子供が相手になつかない再婚は絶対にうまくいかない」

これが真実だったのよ。娘は精神的に不安定になって小学2年生から不登校になったり髪の毛が抜け落ちたりしたからね。娘を心療内科にも連れて行ったけどお医者さんからは

「娘さんに強いストレスがかかっている」

と言われた。私が強引に入籍した「結婚相手」が娘を苦しめていたのよ。結局、新しい旦那との結婚生活は2年で破綻した。

旦那は娘を私の実家に預けて2人だけで生活しようって提案してきた。でも私は別に彼のことを好きで結婚した訳ではなくて「私と娘を経済的に支えてくれる人」を求めていただけだからね。娘と仲良くやれない、お金も援助してくれない男と結婚を維持する「メリット」はなかったもん。あっさりと離婚したわ。幸いだったのは彼との間に子供ができなかったことよ。

反省すべき点はたくさんあるけど、私が「寂しいから早く再婚したい」「経済的に支えてくれる男性と再婚したい」ってあせって、娘が全く心を開かない男性と強引に再婚したことが1番の間違いだった。冷静に分析してくれていた両親の意見をしっかりと聞いておけば良かったと反省したわ。

今はまた実家にお世話になりながら働いているわよ。離婚後、娘の精神状態も安定して今は元気に小学校に通ってくれている。無理に再婚するよりも母子手当をもらって生活する方が私には向いているのよ。2回目は好きでもないのに経済力を選んで失敗したけど逆に好きな彼氏を作って一緒にいられれば結婚にこだわらなくても良いのかなって最近は考えるようになった。私はもう結婚はこりごりよ。


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