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【香炉庵】<後編>時代に合わせて進化するやさしい和菓子

※この記事は【前編】からの続きです。

一番人気の秘密は計算された「もう1個食べたいな」

--続いて商品について伺っていきます。一番人気の商品というとやはり…

黒糖どらやきですね。最中も人気かな。」

--原材料にもかなりこだわっているとか。黒糖どらやきは北海道のつぶあん、沖縄の黒糖など、材料によって産地も変えていますよね。

「食べる人のことを考えて安心安全は絶対にはずせません国産の原材料にこだわり、極力着色料や保存料などは使わないというポリシーです。つまり小さいお子様から高齢者のお客様まで安心して食べていただけるようにというこだわりですね。

どらやきだと、手のひらにおさまる大きさとふわふわ感。女性でも食べきれる大きさで、生地になじむつぶあんのみずみずしさが絶妙になるように配合しています。食べ終わる頃に「もう1個食べたいな」と思ってもらえるちょうどよさがポイントかな(笑)

あとは全体的な香炉庵のお菓子の特徴として、見た目のかわいさにもかなりこだわっています。味がおいしいことが第一優先ですが、まずは見て「かわいい」って言ってもらえるのがなによりうれしいですね。どうしても和菓子は見た目が素朴になりがちなので、見た目のかわいさで選んでさらに味もおいしいというダブルの喜びを味わってもらえるのが理想です。」

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--ご自分がお客さんとして購入するとしたらどれを選びますか?

「私もやっぱりどらやきはおいしいなと思います。うちの家族もみんな好きです。あと春夏限定のあんプリン。「和菓子屋さんのおいしいプリンをつくりたい」という思いがはじまりです。原材料にこだわっていますし、通常のプリンではカラメルを入れるところ、あんプリンはあずき入りの黒蜜を入れています。寒天をつかった卵プリンになっています。」

距離を超えてつくりたてのおいしさを運ぶNEW PORT

--NEW PORTではどらやきやおこわ弁当をデリバリーしています。デリバリーに参画した背景は?

朝焼いたどらやきをその日のうちに届けられることが本当にいい!一番のメリットです。宅配便だと到着する前日につくったものなのでどうしても1日ロスしてしまいますから。小さいお子様がいる方や高齢者など、外に出るのが大変なお客様が専門店の和菓子を食べたいと思った時に家にいながら新鮮なうちに食べられるというのは画期的です。自社のポーターさんに運んでもらえる点も安心感があります。お客様との関係性を築けるんじゃないかな。常連のお客様をつくりやすい仕組みだと思います。」

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新作も接客も「おもしろい」が基本

--香炉庵が目指すのはどんなお店でしょうか?

経営方針として「お・も・し・ろ・い」を掲げています。

「お」…オリジナルの商品を創ります。
「も」…元町発の企業として日々進化します。
「し」…社員とともに活躍・成長します。
「ろ」…ローカルブランドとして社会に貢献します。
「い」…いちばん店を目指します。

近い将来、私たちは地域一番手になりたいんです。横浜を代表する和菓子みやげ店として成長していきたいですね。幼少期に培った食へのこだわりをもとに横浜ならではの独創性の高い和菓子をつくり、手作り感を出しながらお菓子の美味しさと楽しさをお伝えしたいと思っています。また、地域に愛される店舗づくり、ブランドづくりをしていきたいですね。」

--季節ごとに登場する商品が印象的ですが、どのように生み出されているのですか?

新作は若手スタッフを中心にアイデアを出すことから始めます。香炉庵は平均年齢30歳です。この若さをもって、スピードや発想力とともに、お客様に喜んでもらえる和菓子は何かを探求しながら新しい文化を創造していくのが強みです。スタッフはだれよりも香炉庵のファンであるべきですし、来てくださるお客様にも香炉庵ファンになっていただけるよう日々努力を重ね、商品化につなげています。」

地域とのつながりを大切に、横浜みやげを育てたい

--創業してからの印象的な出来事は何ですか?

「2018年9月に発売したフェリス女学院大学とのコラボレーションした最中菓子「浜恋路(はまこいたび)」です。学校より1本の電話があり、「150周年記念事業として百人一首で和菓子をつくりたい」と。最初はどうつなげようかなと思ったのですが、おもしろそうだなという直感でお受けしました。上の句と下の句で成り立つことにかけて、合わせるという点で最中を選び、取り札のコーヒー味と読み札のきんかん味の2種類を販売しました。おかげさまで日経はじめ各種新聞にとりあげていただくなど話題になりましたね。

2019年は横浜の三渓園の新しいみやげ菓子を共同で開発しました。三渓園を創設した原三渓が愛した紋様の四弁花文を焼印にしたどらやきで、三渓園や横浜のおみやげを取り扱うショップなどで販売されています。

横浜みやげは洋菓子のイメージが強いですが、和菓子は最近増えてきたジャンルでもあるので、横浜のみなさまにも横浜に来た方にも手にとってもらえる横浜みやげを育てていきたいという思いはますます強くなっています。」

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齋藤さんは香炉庵の歴史からフェリス女学院大学とのコラボレーションの話まで、終始目を輝かせてはつらつと語ってくださいました。そのいきいきとした様子から香炉庵の商品への自信と未来の夢とがあふれ出ており、NEW PORTスタッフも一緒にワクワクに包まれました。香炉庵への参画を決めた時も、未来の事業アイデアを考える時も、おもしろいことを実現したいという思いが土台になっているそうです。「自分が喜んで楽しくやらないとお客様にも楽しんでもらえない」とおっしゃっており、その言葉をまさに体現している方でした。

編集後記

NEW PORTスタッフも、両親が来た際に香炉庵のおこわ弁当と黒糖どらやきを注文。子どもにも両親にも安心して食べてもらえるのがその理由です。おこわはもちもち感とふっくら感とともに甘さが広がるやさしい味わい。デリバリーでもみずみずしさが保たれていました。どらやきは「ふわふわ」を超えて「ふわっふわ」と形容したくなる食感。原材料も配合もサイズ感も、子どもから大人まで老若男女に愛される理由がひとくちでわかります。

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朝焼かれたどら焼きが数時間経たずして家から出ずに自宅で楽しめるのは、物流がこれだけ発展した今でもNEW PORTのデリバリーだけ。急遽決まった明日の来客でも、前日17時までに注文すれば家まで持ってきてもらえます。朝できたどらやきを当日食べられるのがNEW PORTのデリバリー。こちらのページから注文可能です。

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