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ヲタクに恋は難しいを観て体調がわるくなった

偶には長文を書きたくなるときもある。そんな思いが強まったとき、俺は駄文を垂れ流す。今回はクソ映画のなんかだ。

原作の方はwebで流れてきたときにチラ見した程度。アニメは1話だけ。そんなもんしかみてないが正直俺はこの作品が苦手だ。同族嫌悪的なアレかもしれんがみてて背中が痒くなるような、気持ち悪くなるような感覚を覚えた。兎に角メインキャラの二人が痛々しい。オーバーリアクションの女に少しひいたし、重度のゲーオタという設定にも関わらずギラギラ謎に光るPCとかイスとか持ってない男に少しむかつきもした。じゃあなんで映画観に行ったんだよとか言われたら泣く。

俺は恋愛ものに何をもとめているんだ?

俺は恋愛ものがなかなか好きだ。キモオタらしくテキストで恋愛する感じのゲームは大好物だ。シュタインズゲートとか多分初めてエンディングで泣いちまったゲームだ。エロゲもよくプレイする。学生の頃恋愛とあまり縁がなかったので学園モノをプレイすると少し悲しくはなるが面白いものは面白い。アニメなんかでも去年大ヒットした天気の子は最高だったと思ってる。2回も劇場に足を運んでしまった。

ここでふと思った。俺は恋愛をファンタジィとして楽しんでいるのではないか?俺が好きな恋愛ものは世界がなんかヤバイ作品が多い。その極限状態で育まれる絆、思い、エモーショナル・・・ だからそもそもフツーの世界でフツーに恋愛するこの作品は出来どうこうの前に合わなかったのかもしれない。俺は恋愛もののフィクションはファンタジィと合わさってないと楽しめないのか?

いや普通にかぐや様は告らせたいとか漫画とアニメは好きだしなんなら昔は花より男子とか好きで読んでた。やっぱり単純にこの映画は出来が悪かったのかもしれない。恋愛に俺はファンタジィを求めてはいるが必須ではない。最初にそもそも設定が合わないという話はしたがそもそも作品としての粗もなかなかすごかった。

ノリと勢いだけで押し切らないで欲しい

まず冒頭から俺は面食らう。なんか佐藤二朗が5分くらいくどくどとしゃべるシーンから始まるのだ。これがまたイライラする。銀魂と同じ監督だし入れなきゃという思いはわからんでもない。でもこんなに長く尺をさく必要はない。銀魂では物語上の流れでそんなに不自然なくくどくど喋ってたからまだ面白かったが今回は冒頭いきなりなんの脈絡なくくどくど喋る。実写版かぐや様のときよりはマシだが流石にもううんざりだ。佐藤二朗自体は嫌いじゃないしなんなら結構好きなんだが使い方が下手だ。とりあえずアドリブで喋らせてれば面白いんじゃね?っていうノリと勢いだけで撮っただろ感ある。俺は恋愛ものを見に来ているんだ。コントを見に来た訳じゃない。

恋愛してるところもノリと勢いだけだ。オタクは幼馴染が大好物だからその設定はいい。しかし付き合い始めるまでの過程がなんかテキトーに感じた。ヒロインが転職した先にたまたま幼馴染がいて、それがたまたまオタク友達の異性でコミケを手伝ってもらえるからパートナーとして最適なんではとヒロインは思い・・・これが最初の10分くらいで高速で展開して付き合うことになる。なんかカタルシスってのがない。俺は付き合い出すまでの過程を観察するのがたまらなく好きだ。なのにこの作品はあまりにその過程があっさりしすぎている。社会人なんだからこんなもんだろというのもあるかもしれないがちょっと雑だ。男のほうのすかした態度もアレだしちょー上から目線でものを言うヒロインもアレだ。こんなん1ヶ月もすれば破局するんじゃないかという感じで付き合い出す。

まあそこまではいい。付き合い出すまではなんかさらっと流されてしまったがそこから魅せてくれるのかもしれない。付き合いだしてから本番という作品もたくさんある。オタク同士だからこその苦労の共有、趣味を通じての仲の深まり・・・エモーショナル・・・を感じさせてくれるのだろう。

オタク達のラ・ラ・ランドってなんだよ

しかし現実のスクリーンは非情だ。意味不明で感情移入を妨げる謎のミュージカル要素、10年前で止まってるオタク像を描写しウケを狙う、というしょーもないノリだけを映し出す。恋愛映画ということを制作陣は忘れてるんじゃないか?

恋愛とミュージカル・・・ベストマッチ!って発想自体はまあいいんだがそのミュージカルもなかなかひどい。俳優のワザマエで歌はなかなか上手いがダンスが微妙すぎる。そもそもストーリーのながれをぶった切るように挿入されるからテンポを悪くしている。ノリと勢いでやりたいからやったみたいな感じがプンプンする。やりたいことがあるのは構わないがそれで作品の質を落とし、さらには本題まで霞めないでほしい。

オタク描写だがこの令和も2年になるときにニコニコのコメント風の字幕を流すのは正気を失っているとしか思えない。10年前でも鮮度ギリギリのネタな気がする。オタ芸でミュージカルやるシーンもちょっとオタ芸って古くないかという気にさせてくれる。オタクは流行り廃れが激しいし古いネタはあまり好かない傾向があると思っているのでこれはいかんと思う。今どきネットでオマエモナーとか逝ってよし!とか言ってるヤツがいたら少しひくだろう。

後最初の方でも述べたが男主人公の方が廃人ゲーマーという設定なのにあまりゲーマーらしさを感じなかったのはやっぱりなんかモヤモヤした。Switchを持ち運び、部屋に大きなテレビに繋がれたPS4があるだけってなんか普通の人って感じしかしない。使ってるヘッドセットも無駄に光らないしゲーミングPCを持ってるわけでもない。これではとてもじゃないが廃人ゲーマーには見えない。ここでも制作陣のオタクの認識が少しずれてることを感じさせてくれる。

恋愛要素に結局カタルシスはない

主人公2人の恋愛も一緒に即売会に参加して・・・一緒の部屋でゲームして・・・というまあ無難な展開が待っている。展開としてはいいがそこで描写されるオタク要素も雑だし気持ち悪い。あれでは苦笑いしかできないしなんか恥ずかしくもなってくる。オタクじゃない人がみたら「やっぱオタクってキモいなギャハハ」と笑いが取れるのだろうか?

後半になるとアニオタとゲーオタというジャンル違いからの葛藤と仕事の都合で少しだけ離ればなれになりすれ違うという展開も待っている。まあ恋愛ものにそういう要素は不可欠だろう。雨降って地固まるとう名ゼリフもあるしこれを期に二人の関係性に変化が訪れカタルシスが・・・まあ生まれないんだな。なんかお互いべつの異性といい感じになったとおもったらべつにお互い浮気っぽい行為を咎めるでもなく俺たちの恋愛はこれからだってなっておわる。

なんのカタルシスもない恋愛要素に雑なオタク描写とミュージカルをぶつけられた俺は完全に体調を崩してしまった。勘違い日本描写は健康にいいが勘違いオタク描写は健康にわるい。劇場から出るときにはもうフラフラだった。本当に体調を崩すほどに面白くない作品はあるんだなという事実だけを噛み締めて。

最後になるがオタク同士が恋愛するものが観たいならシュタインズゲートを見ることをオススメする。








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