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《マーケティング》発表から販売までの期間は短い方がいいのか?

フリーゲームプロデューサー、うきょうです。

先日こんなニュースがありました。

任天堂は2020年9月3日、「スーパーマリオブラザーズ35周年Direct」を配信。マリオ35周年の発表を大々的に行い、特設サイトを公開。同時に各種商品の販売を即日予約開始しました。

「スーパーマリオブラザーズ35周年」特設サイト
https://www.nintendo.co.jp/character/mario/

数多くのサービスが発表されましたが、中には即日配信や、翌週に新発売となるサービスもありました。その一部をご紹介。

●『スーパーマリオコレクション』
プラットフォーム:Nintendo Switch
配信日:配信中(2020年9月3日)
価格:Nintendo Switch Online加入料金
●『スーパーマリオ 3Dコレクション』
プラットフォーム:Nintendo Switch
発売日:2020年9月18日
※パッケージ版は2021年3月末までの期間限定生産、ダウンロード版は2021年3月31日までの期間限定販売です。

この怒涛の発表に対して
世界の任天堂ファンは

クレイジー!
発売までが早すぎる!
さすがNintendo!

という発表からリリースまでのスパンが早すぎる、その発売アイテムについても称賛の声が多く飛び交いました。

その中の目玉商品がこの「ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ」

●ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ
発売日:2020年11月13日
※2021年3月末までの期間限定生産です。
価格:5478円

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この、プロダクトの新製品発表から発売までのスパンについてですが、「だったらうちも早くすればいいんじゃないの?」とか「だったら早くした方がいいよね」とかいう声もあるかと思いますが、そこには「ちょっと待った!」となるわけです。

もちろん、発表から発売期間を短くした方が、一般的には販売の機会損失を減らすことはできると思います。じゃぁ、シンプルに期間を短くすればいいのか?というと、それもまた違うわけです。

それは商品の特性、価格帯、今持っている社内リソースや、認知度、その商品そのものの特徴にあった情報公開をさせているかによって変わってくるからです。


発表から発売までの期間よりも
大事な「売れる要素」

そもそも商品が売れる
直接的な最大の理由は
発売までの期間とは関係ありません

売れる商品は
発表から発売までの期間に
関係なく売れます。

たとえばiphoneが初めて発表されてから
発売が1年後だったとしても
きっと売れていたでしょう。

逆に今のご時世、
最新のガラケーが発表されて、
明日発売です
って言われても
きっと売れないでしょう。

でも上記の例、iphoneが発売された年に
近いことが実際起きたこんですよね。

もちろん、発売期間を長く設定することによって間接的に売れにくくなる要因は膨らんでいくと思います。それはシンプルにその情報自体を忘れる、真似される、代替品が先に出回ってしまうといったことが出てくるからです。

しかしそれらの要素を除いて
商品やサービスが売れる
最大の理由はオファー
(商品の魅力そのものの提案内容)
です。

ただ、現実問題として、発表した瞬間に人の購買熱が上がりやすいことは確かではあります。ただ、それにはいくつかの前提が必要であることも先に添えておきます。

※この記事で書いている「売れる」の定義は、商業的に大ヒットすることと定義します。


発表〜発売サイクルを
短くしても売れる方法

任天堂が今回行った販売戦略、
新商品の発表〜発売までを
短期間で行ったことは(行える実行力と決断)、
数多くの「前提」があり、
それを実現しても売れる確信が
あったことが良くわかります。

それはNintendoが卓越したブランド力と
クリエイティブ力、市場に積み重ねてきた
確かな実績と安心があるからです。

そして、なによりも「マリオ」です。

説明不要です。

まずはここまでの前提がある上で
さらには情報の秘匿性を徹底し、

情報の出し方、
誰と組んで発信するか?
どこで発信するか?
SNSの使い方

1つをとっても
すべてが抜かりない戦略で展開しています。

まさに神は細部に宿るの名の如く、
徹底した企業戦略によって
新サービスが展開されました。


つまりは
これを一般企業や一般のサービスが
真似したところで確実にうまく行かないということは自明ですし、戦術を真似たとしてもNintendoのようにうまくいくことはないですね。


Nintendoは今回のために何をしてきたのかではなく、
毎日何を積み重ねているか?の方が重要

今回の事例ですが発表〜即発売のプロダクトサイクルが実現でき、さらにその商品が大ヒットするためには、相当な準備や仕込み、徹底した情報戦略(Nintendoの場合は世界までを含んだ市場浸透戦略までも含む)が必要です。

そしてそれを今回も見事に実現したNintendoは本当にすごい。しかしながら、Nintendoにとってはそれは当たり前のことであり、それよりも日々何を積み重ねているのか?を会社として意識していることの方を重要視しています。

「任天堂に関わるすべての人を笑顔にする活動」

Nintendoの理念はこれです。

そのために日々積み上げてきたもの、積み上げてきているものが徹底されてきています。安全と安心。楽しさ、感動、興奮。それを提供するNintendoの理念をプロダクト、情報発信1つをとっても徹底されています。

そういう長い歴史が積み重ねてきた企業文化とプロダクトが行ってきた経済活動、社会活動があるからこそ「マリオ」って聞いたら「ジャンプ、赤い髭、楽しい、ワクワク」、Nintendoって聞いたら「安全、安心、子供に進められる、世界でも人気」というイメージがすぐに想像できます。

つまりそこまでイメージやブランドが浸透しているからこそできること、取れる戦略もある。

しかしながらそれができない場合は、時間をかけてお客様などに説明していく時間、興味を持ってもらう時間が必要です。


発表から販売までの期間は
どれぐらいが適切か?

これについては、商品の価格や用途、商品の種類によってとるべき戦略が全く異なります。

仮に同じ新作ゲームの販売を行うにしても、会社や販売するゲームの種類などによって、時間を取った方がいいもの、時間を取らずに即発売した方がいいものなどもまったく異なります。

それはNintendoの例でも挙げましたが、社風、スタッフ、プロダクトの特徴、価格帯、誰がメインターゲットなのか?どういうものか?わかりやすさはあるのか?といった商品そのものが持つオファーにも影響されてくるからです。

ゆえに、これがうまく言っているからという短絡的な理由で、その手法や戦術を安易に取り入れてしまっても結果は出づらいこともありますから注意が必要ですね。


PS
子供の頃にファミコンは買ってもらえなかったけど、親が買ってきてくれたスーパーマリオの攻略本は今でも鮮明に覚えています。

【執筆者:うきょう】
ゲームプロデューサー & 事業プロデューサー。ソフトバンク、LINE、NHNを経て2回目の起業。オンライン、オフライン問わずに幅広い職種でも対応できる事業戦略や商品、集客企画が強み。

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