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『鳥山明⚪︎作劇場』(1983年)/鳥山明

鳥山明の漫画短編集。23歳の頃のデビュー作『ワンダーアイランド』が収録されているけれども、これが全然面白くない。実際、当時の読者投票でもダントツで人気がなかったらしい。

それから約1年間ボツが続く。(ページ数にして約500)、久しぶりに載った作品もパッとしない。ただ当人はこの期間を苦にしてなかったようで「この1年間はなかなか勉強になっておもしろかった」と後から振り返る。天才にも下積み期間はあった。

『鳥山明⚪︎作劇場』の魅力は、著者の試行錯誤を一緒に体感できることにある。「鳥山明にもこういう時期があったのか」と神様を身近に感じられる。デビュー作で人気投票ビリの状態から「答え」(『Dr.スランプ』や『ドラゴンボール』)に辿り着くまでの過程で、段々と"鳥山明っぽく"なっていく様子が見て取れる。

ギャル刑事トマト

外車が好き。宇宙とか宇宙人がよく出る。ドジなヒーロー。島に住んでるじいちゃんがいて、メカに強い天才博士がいて、めちゃ強い子供がいて、マイペースな女の子とか、ドラゴンボールっぽい要素は初期の作品から登場する。こういうのって多分鳥山先生が根っから好きなもので、彼自身のパーソナリティ。先生らしさが1番濃く出たのが『ドラゴンボール』なんだろう。


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