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キャンプめし

週末、キャンプに挑戦してきました。初心者向けのキャンプ教室です。

インストラクターの方が、テントの張り方や食事の作り方などを1から丁寧に教えてくれます。しかも、道具も貸していただける。そんな素晴らしい教室に、運良く参加することができました。

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夕食は、自分たちで火をおこし、飯盒(はんごう)を使って、お米を炊くというものでした。

飯盒で作るメニューは、なんと「秋鮭とキノコのバターしょうゆ味の炊き込みごはん」。

秋の味覚の炊き込みごはんとは、なんとも洒落ています。上手く炊くことができれば、間違いなさそうです。

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火おこしは、マッチから始めました。まずは新聞紙に引火させ、拾ってきた枯れ葉や枝を使って、徐々に火を大きくしていきます。でもこれらの火は勢いはいいけど一時的なもの。

うまいこと、くべた薪に火を移らせないと、ほどなく消えてしまいます。コツを教えてもらいながら、何とか火をおこすことができました。

しかし、何でしょうね。たき火って楽しいですね。薪の大きさやくべ方で、火をコントロールしたいけど、絶妙に言うことを聞いてくれません。そんな予測不能で、ゆらめく炎は、見ていてずっと飽きません。

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飯盒ごはんの炊き上がりですが、これを見極めるのが難しい。フタの隙間から湧き出る水蒸気を眺めたり、手に持った薪で沸騰の振動を感じたり、いろいろなやり方があるそうです。でも、僕らは最終手段として、フタを開けて中を直接確認するという力技に打って出ました。

そうして無事に炊き上がり、蒸らしも完了。いよいよ、ご対面です。

フタを開けます。

「わぁーーー!」

おいしい湯気が立ちこめます。ちゃんと炊けてる!!

しゃもじでかき回します。

「おぉーーー!」

なんとも、香ばしい匂いが、あたり一面に広がりました。

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「秋鮭とキノコのバターしょうゆ味の炊き込みごはん」

そのできあがりは、

お米の芯が残って固いところ、水分を含んでやわらかいところ、少し焦げていて香ばしいところ。

非常に炊きムラがありました。

つまり、それは、「不均質」な、ごはんでした。

でも、逆にそれがよかった。抜群にうまいんです。

醤油が染みているところ、バターのコクが深まっているところ、キノコの出汁を感じるところ、秋鮭の甘塩っぱさも重なってきます。

食感も、味も、不均質。しかしそれらは、口の中で絡み合って1つになる。もう最高です。

秀逸なのは、バターと醤油の組み合わせ。すなわち、悪魔の組み合わせ。いったい誰が発明したのでしょうか。

全部残らずおいしくいただきました。

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自然の中で自分たちで作ったごはんを食べる。それだけで、もちろんおいしいと思います。キャンプめしとはそういうものだと思っていました。

でも、今回、それだけではないと、気づかされました。

飯盒で炊いたあんなに不均質なごはんは、電子ジャーでは絶対に作れない。

知りませんでした。キャンプでないと作れない料理がある。たぶん、それが、キャンプめし。

はじめての経験でしたが、とても楽しくおいしかった。また、キャンプに行きたい! 心から、そう思いました。



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