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僕が「ちいプロ」を始めたわけ

今年の夏、公務員である僕がライフワークとして活動しているまちづくり会社「NPO法人ヨリシロ」で、新たな取組に挑戦している。
それがタイトルにもある「山あいのちいさなプロジェクト(以下「ちいプロ)」といういわゆる農村インターンである。
先日、その第1クールが終了し、自分達なりに手ごたえも感じることができた。
第2クールを9月中旬に迎えるにあたり、第1クールの振り返りと、第2クールに僕らが準備すべきことをまとめるために、久々にnoteを書こうと思う。
自分自身第1クールが楽しく、狙いどおりにいった部分のほか、狙って無かった想定外の良いことなどもいくつかあり、言語化しておこうと思った次第なのだ。久しぶりの長文である。ご容赦を。

ちいプロとは!?

まず、一般的に農村インターンとは、夏休み中の大学生をはじめとした若者に一定期間、農村集落等に滞在し、田舎暮らしを体験していただくというものである。

僕らが取り組んでいるちいプロも概ねこのとおりで、胎内市山間部の農山村「鼓岡・大長谷地区」に夏休み中の若者に滞在してもらう、というものである。

活動のフィールド「鼓岡・大長谷地区」は限界集落が散在

一般的なインターンと違うのは、滞在期間を通じ、自身の人生における、ちょっとした挑戦「ちいさなプロジェクト」を考え、実践してもらうということだ。

ちいさなプロジェクトの例としては、

  • 滞在地域の社会課題を解決する取組

  • 新たなビジネスアイデア

など社会に対し何か働きかけるものから、

  • 自分人生史上一番おいしいおにぎりをつくる

  • 活動地域の川で魚を釣ってたき火で焼いて食べる

といった取組の範囲が極々自分周辺に限られるものまで何でも良い。
大切なのは、自分自身がそのプロジェクトにワクワクできるかどうか、であり、内容はもとより、取組の規模・範囲の大小は問わない。
1人で取り組んでも良いし、意気投合すれば、偶然集まった他の参加者と一緒に取り組んでも良い。
山あいの里山に、初めて会う仲間たちとともに滞在し、自然の空気を肌で感じ、ここに暮らす人々の想いに触れながら、参加者に「ほんのちょっとの冒険」をしてもらいたいのだ。

ちいプロの参加者募集ページを見てもらうと、さらに全体を掴んでいただけると思う。こちらのリンクも是非参考にしてもらいたい。


なぜこのインターンを始めたのか。

この夏、力を入れて取り組んでいるちいプロであるが、どうして開催しようと思ったのか。

それを説明するには、ここ数年来、僕達ヨリシロが「学び」というものに深く関わってきた経緯を避けて通れない。
あまり長くは書けないが、ここ数年来、複数の大学から実習生を受け入れたり、胎内市立小中学校の総合学習に伴走する、といったことに、社としてかなりの労力を割いてきた。


胎内市立中条中学校の取組「まちづくり会社中条中学校社」は文部科学大臣表彰もいただいた。

取組の一部だがnoteにもまとめが載っている。

すごく充実していて、僕個人としてもやっていて非常に楽しく、取組そのものも上手くいったと思っている(昨年度はなんと文部科学大臣表彰もいただいた)。

ここ数年来の取組は、いずれもいわゆるPBL(Project Basede Learnig)という手法に立っており、何らかの課題(ビジネス上の課題、地域課題)を設定した上で、学生・生徒にはこれを解決する施策を立案してもらい、一定期間内にその施策を実際に展開してもらうものだった。
施策を考案するだけでなく、自分たちなりにそれを実際に展開するので、実社会でも活きる実践的な学びが得られた、と思っている。

PBLは現場が命。だから何度も課題の現場に足を運ぶ。

PBLに取り組んだ末に沸いてきた疑問

、、、とそうした取組に数年間没頭する中で、ふと自分の中に湧き上がってきた疑問符があった。

それは、「現代の若者たちは、若者のうちから、社会的な要請に基づいて何かに取り組むことが身に染みているなぁ。」ということである。小学生のうちから授業で「地域の困りごとを解決しましょう」と言われるのだ。

誤解を避けるために敢えて言うが、これが悪いことだとは全く思っていない。地域社会の一員であるという当事者意識・地域への愛着、豊かなキャリア感、課題解決力、そうしたことが育まれるという良い面も有している。

世の中の役に立つ人材、企業が欲しがる人材
そうした人材を育むことは教育の重要な使命のひとつだろうとも思う。だからこれまで没頭してきたPBLには今でも自信を持っている。

その反面、

「社会のためとか就職のためとか考えない、ただただ自分自身の好奇心を満たすための学びも重要なんじゃないか」

とも思うようになってしまったのだ。

それはなぜか。

昨今、社会の様態は日々変化している。これは、社会に求められる人材像、企業に求められる人材像も変化している、ということでもある。
社会のために役に立つ能力・素養を養うことも大切だが、社会が不確かである以上、人は学び続けなければならない。
そのためには、「自分自身のための主体的な学び」も重要なのではないだろうか。
社会から求められる自分を育むのと同じくらい、(社会は一旦おいといて)自分自身がワクワクすることを探し、挑戦し、学ぶということに取組んでもいいのではないか。

この様に考えるに至ったのだ。
言うなればProject Based learningならぬParsonal Based learningである。

ちいプロがいよいよスタート!

前置きが非常に長くなったが、以上がちいプロを始めた理由である。
6月上旬に募集開始をしたところ、新潟県内外から5名の大学生の他、1名のサポートスタッフが集った。


初めて出会うメンバーが集い、いよいよ共同生活をスタート!
田舎暮らしをしながら自身のワクワクを育てていく。
どんな生活を送るのか!?そしてどんなプロジェクトが生み出されるのか、次回以降のnoteでレポートしていこうと思うのでどうぞお楽しみに!

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