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愛がなんだ再び

先日、この作品を観た友人から
『マジで面白さが理解できなかった』と言われた。

はいはい、愛がなんだね。
公開当時、私は若干クズな男にハマっていたので、予告からしてきっと共感出来ちゃう!と張り切って映画館に行ったものの、友人と同じ感想を持った記憶がある。
今、愛がなんだを観たら、また感想も変わるかなぁと思い、原作と映画をあらためて観てみた。

時を経て気付いたこの作品の面白さは、
【テルコの狂気的な執着や行動を、マジで一才理解出来ないようで、どうにも共感してしまう】
というところなんじゃないかなぁと思うのである。
テルコにドン引きしながら、テルコの気持ちが思いがけず分かってしまう。だからこそ、テルコが愛おしい。


映画は、原作に忠実に作られているのだが、
テルコのストーカーっぷり、『5周くらい先回りして気遣う所』、『ゾッとするほど頭悪いことを言う』ところが、原作と比べるとやや伝わりづらいかなと思った。
(岸井ゆきのの表情には、テルコの狂気的な愛情が沢山詰まっているため、私の読み取り不足とも思います)

あとそれでいうと、映画マモちゃんはクズっぷりがやや甘い。故に、テルコの強烈さが霞んで見える気もする。
原作では、スミレさんに渡すチョコレートをテルコに近所まで届けさせたり、風邪を引いているテルコに鍋焼きうどんを振る舞うどころか、平気で居酒屋に連れ出しスミレさんが好きだと言う様なやつなのである。
テルコはそんな田中守でも大好きなのだ。まじで意味わからないわ、と言いたいところだけれど、心当たりがある、私にもある…。

恋をしてるマモちゃんのダサさ加減については、原作も映画も超リアルであっぱれ!だった。恋をしているマモちゃんはどう見てもカッコよくないが、そこがまた人間臭くて良いじゃないの、と逆にテルコの執着を加速させていだと思われる。


この作品の意味が分からない人間というのは、
恋愛沼にハマったことのない人間もしくは
現在進行形で気持ちよく沼を泳いでいる人間なんじゃないかしらという仮説が出来た。

【テルコの狂気的な執着や行動を、マジで一才理解出来ないようで、どうにも共感してしまう】点がこの作品の面白ポイントなのではと書いたが、
前者は【どうにも共感】出来ず、後者は【マジで一歳理解出来ない】こともないのである。

映画館で見た当時、私は後者に該当していたため、
テルコにそのまま共感はしなかったが、ドン引きもしてなかったのである(つまりは同類だった)。クズをクズだと思いながらもなかなか嫌いになれなくて苦しんだけど、その時はそれしかなかった。

そんな私も、そのあと幸運にもクズではない男をゲットし、現在交際5年目だ。この人クズじゃない!!と何度も感激を繰り返した5年間で、それなりに恋愛観も変わった。

私は、元彼を想って聴いていたaikoを今はもう聴きたいとは思わないし、『別の人の彼女になったよ』を聴く時には2番を必ず飛ばしている。
沼にハマった経験がおありの方なら、こんな感じで当時を思い出してやや不快な気持ちになりつつも、この作品を面白く観れるのではないだろうか。
以上、書き殴りの感想、大変失礼いたしました🍵

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