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夢幻の初恋

稚拙な思い

無邪気な日々

ぎこちない別れ


あれから20年

今だに僕は答えを探している


とびきりの笑顔

すこし負けず嫌いな性格

不意に見せる大人びた横顔


お互いに何も知らない18歳


目を閉じ馳せる記憶には

夢幻の日々が鮮明に宿る


2003年3月

とある職場の研修施設


アルバイトと新社会人

そんな関係からすべてが始まる


笑顔ひとつ

不用意な仕草に心奪われ


研修最終日

帰り支度を済ませ入り日の部屋に2人きり


「あの番号教えてくれませんか?」

「え?はい・・・でも交換ですよ?」


それがはじまりだった。


月下

なぜ教えてくれたのか?

浮かんでは消えてく疑問


漠然と日々が過ぎてゆく


きっかけは職場の飲み会だった

地元で割と有名な居酒屋での席

部屋の隅に座る僕らを見て、同期が「お似合い〜」なんて言葉をかけてくる。


思えば、一目見たあの瞬間から彼女を意識していたのは間違いないけど、その思いはまだ不確かだったような気もする。


宴もたけなわ

彼女の車に揺られながらの帰宅

はじめて過ごす二人きりの時間


ごまかすように

悟られないように

流行りの「旅立ち」という曲を口ずさんだ。


深く輝く月の下

今日も本当にいい日でした


胸開

開店間近の新店舗

遅くまで働き玄関で眠るような日々。


何度目かの飲み会での席

人知れず腕を取り見つめる彼女


飛び交う笑い声と

並ぶ空いたグラス

気づくと彼女の膝で目を覚ましていた。


あの時、気づかうように

そっと、覗き込むように

目を丸くし、浮かべていた涙が今も忘れられない。


帰宅し手にした携帯

過ぎてく時間と焦り


「今しかない」


絶えず巡る疑問と答え

持て余す感情が溢れる


“好きやけん付き合ってほしい“


陳腐なメールでの告白

言葉で伝えることが怖くて

無数の思いが交錯していた。


部屋に響く着信音

”メッセージ受信中…”の文字


うん

でも私わがままやけん束縛するかもよ?


震える手

高鳴る心音

そして、このメッセージは今も鮮明に覚えている。


夢幻

2003年4月

越して間もない部屋に僕を招いてくれた彼女。


割と静かな通り沿いで

空港からほど近くの立地


新築マンション

シルバーのセリカ(車)

テーブルに並ぶ教科書と製図版


彼女は建築の専門学校に通う学生だった。


彼女が羨ましかった

なぜ羨ましかったのか?


「後を継ぎなさい」

慕っていた祖父の口癖。

彼もまた建築士だった。


使い古しの製図版で遊んだ幼少の記憶

描いた夢は死別と金銭面から叶わずに


現実と対照的な彼女の環境は

僕が憧れる光景そのものだった


真新しい家具

傷ひとつないフローリング


小さな部屋

期せず始まる暮らし


あのころは当然のように思っていたけど、ひと月前まで高校生だった男女の同棲というと、少し危険な匂いが漂う気もする。


だけど真っすぐだった

「恋」と呼べるのかも分からないほどに


夢を切り売り

寝る間を惜しみ

手探りの日々でも

お互いに、成すべきことと夢にひたむきだった。


“駐車場で待ってるね”

とある夜のメッセージ


AM2:00

彼女のもとへ急ぐと、冷えきった運転席で寝静まる姿が目に写る。

同じ職場で働きながら、食事や着替えの準備、学校に勉強、そして送迎まで。


澄んだ寝顔

車中に一人きり

何かが込み上げる。


「ごめん。ありがとう」

「ううん?お疲れさま」


ふと気づけば

枕変わりの彼女の手は僕の涎まみれで


信号を待つ横顔

僕の口元を拭い

彼女が声を上げる


「夢幻の彼方へ!さぁ行くぞー!」


響く車輪と笑い声

重なる夢に満ちる思い


「こんな仕事やけどがんばるよ」

「うん!でも仕事は関係ないよ?」

「うん。めっちゃ応援するけん!」

「うん!がんばろ!」

「落ち着いたらさ?」

「なに??」

「うん・・・また今度言う」


時折、夢に見る光景は今もなお鮮明に

揺れる、夢幻の思いが心に満ちていた


足枷

身を焦がすような恋

陽だまりのような日々


夜更けの食事

車内に流れるTRF・hy・ケツメイシ

壁に立て掛けられたギターと製図版


笑顔の絶えない日々が嬉しくて。

同じ朝を迎ることが本当に幸せだった。


でもすべてが順調でもなく。

ある日、携帯が鳴った。


母だった。

慣れた胸騒ぎがする。


僕には負い目があった。

それは決して外れない足枷のようなもので。


トタン張りの借家

働こうとしない父

毎晩どこかに出かける母


「彼女には見せられない」


抗えない現実と

あてのない日々

そんな過去をさらすことが、僕にとっては彼女との終わりを意味するように思えてならなかった。

もちろん、そんな環境がたまらず家出同然で彼女の部屋に転がり込んだのは言うまでもない。


酒焼けする母の声。

「彼女ができたなら連絡しなさい」


思わず無言で電話を切る。

邪魔だけはされたくなかった。


「ごめん母が逢いたいって・・・」

「え?なんで謝るの?逢おうよ!」


彼女はすごく天然だ。

その笑顔の前ではすべてが無力だった。


車を走らせ20分。

姿を見せる母。


張り詰める憂鬱。

祈りにも似た願い。


外面の良い母が口にする。

「〇〇ちゃん?何かあった時のために〇〇ちゃんの連絡先を聞いていい?大事な息子だから」


携帯を開く彼女

遮る手を振りほどき

「ユウジのお母さんやけん私も仲良くしたい!」


今さら悔いても仕方がない

だけど、あの時にもっと必死に止めていれば、あの手を離さなければ・・・

僕の人生は今とはまた違ったものになっていたかもしれない、と本気で思うことがある。


彼女は喜んでいた

不安な僕をよそに


「不釣り合い」

「息子を返せ」

昼夜を問わず彼女へ届く母からのメール。


しだいに悪化する彼女の心と体

一緒に働いていた職場は退職を余儀なくされた。


母はとても変わった人だった。

裏表のある性格で、常に言うことが変わり、僕の財布から内緒でお金を抜いては、何かと暴力が絶えない人だった。

思い出を問われても、頭が血まみれになるまで食器で殴られたことや、お金をせがんでくる姿しか思い出せない。


一方の父親はというと。

彼も大差ない人間だった。


それからある夜

僕は母から届いてた数々の着信やメール

その痕跡を彼女の携帯から全て削除した。


あれから父や母とは逢っていない

どこで何をしているのかも知らない

それどころか生死すらも


薄情の一言に尽きる。

でも実際に血の繋がりはもちろん、親だからという特別な感情もない。

歳を重ね、自分の顔が母に似てきたかもしれないと感じることはある。


でも、それ以上に彼らに思うことは何もない。

きっと、死ぬまで逢うこともないだろう。


雨後

母との連絡を絶って数日

彼女に笑顔が戻ってきた

平穏な日々が帰ってきたけど、僕は負い目を感じるようになっていた。


迷惑をかけたこと

守れなかったこと

そして何より苦しめてしまったこと。


避けられたはずの災難と後悔

劣等感のようなものが芽生えていた。


前向きな彼女

対照的な自分


「彼女が誇れる男になりたい」


月が変わること2003年の梅雨

彼女の実家に招かれたことがあった。


大きな川が流れる田舎町

3階建ての大きな家

暖かな食事


「〇〇をお願いね?」

「はい僕が守ります」

そんなやりとりをさせて頂いた。


持て余した時間

高校卒業まで彼女が過ごした部屋へ向かうことに。


赤い絨毯

真っ暗な部屋

談笑していた彼女が急にやってくる。


「絶対に見ないで」

秘められた彼女の思い


部屋中に響く雨音

床に散らばるいくつかの写真


「見らんで!嫌われたくない!」

「何で?嫌いになんかならんよ?」


その言葉が意味するもの

それは彼女が抱えるコンプレックスで


「好きだよ?」

「だってさ・・・」

「イイけん良いの」

「背も小さいけん」

「俺は小さいのが好き」

「・・・」


自信がないのは同じ

そんな思いを打ち明けてくれた。


不意に頭をなでてみる

なんだか少し照れくさい


鼻水にまみれる笑顔

見計らったように上がる雨


帰宅の車中

これからどんなことがあっても、彼女と同じ歩幅で歩いてくことを静かに誓った。


成長

繋いだ手を振り

足並みを揃えて


「無限の彼方へ?」

「さあ行くぞー!」


彼女が製図板に向かう時

僕が仕事で悩んでいた時

ちょっとケンカしちゃった時 


「無限の彼方へさあ行くぞ!」


トイストーリ

バズライトイヤーの名言だ。


お金のこと

暮らしのこと

不安定な日々

今思えば、救いのような言葉だった。


人を好きになるということは素晴らしい

それは「成長できるから」に他ならない


目の離せない彼女だったけど、オシャレやメイクに妥協せず、成すべきことに向かう姿は異性から見ていてもカッコよかった。


その姿に励まされ

その笑顔に癒され

彼女と過ごしたあの日々は、恋人という関係を越えた何かがあったようにも思う。


「無限の彼方へ?」

「さあ行くぞー!」


不確かな未来だとしても

「無限に乗り越えていける」

そんな片道切符の恋だった。


追憶

2003年8月

行先は大分の湯布院温泉。


夏休みの彼女

転職したばかりの僕

ちょっとした慰安旅行みたいなものだった。


意気揚々と出発!

そんな矢先の急報。


母だった

あれから母と連絡は取っていなかったが、父が倒れたという知らせを受け、やむなく温泉に向かうその足で病院へと向かった。


夕陽が差し込む病室

目を覚まし起き上がる父

二人で話をしたいと彼女を外に連れ出した。


待つこと10分

二人が戻ってくる

父は僕の胸を叩き「俺はダメやったけど絶対にあの子を泣かすな」と釘を刺してきた。

「言われるまでもない」と思う反面、あの言葉は僕にとってなぜか胸にくるものがあった。


いったい何を話したのか?

それは彼女にしか分からないけど、それからなぜか僕を年下のように扱うようになった。



思い出は他にもある

そういえば死にかけたこともあった


職場からの帰宅

福岡市内の国道

助手席に僕を乗せた彼女は、対向車線からくる車と衝突し、100メートルくらい吹き飛ばされてしまった。


車は大破

後の検証で、現場には激しいタイヤ痕が残っていて車は廃車、命を落としていてもおかしくないほどの事故だった。


僕にはあの瞬間の記憶がない

それはきっと彼女も同じだろう

拾った命に感謝し眠ったことを覚えている。


そしてやってきた

ディズニーランド旅行。


彼女の念願

そして僕の目標でもあった。


東京への便は早朝7時

朝5時に目覚ましをセット

ふと目覚めると、部屋の明かりも点けずに座りこみ彼女がうつむいていた。


「どうしたと?」

「ないの!」

「何が!?」

「デジカメがない!」

「写ルンですあるやん。寝よ?」

「デジカメがいると!」


あわてて携帯を手に取る彼女

「ちょっと〇〇!?今すぐ起きて!今からデジカメを持ってきて!・・・いいけん持ってきて!」


時刻は夜明け前3時

電話の相手は彼女の妹だった

タクシーを飛ばしても2時間はかかる。


「妹も寝てるし遅いし・・・」

「私には今日しかないと!思い出いっぱい残さんと絶対に後悔するやん!」


やっぱり僕は彼女の前では無力で

その言葉・表情に何も返せなかった


トゥーンタウン

プリンセスのナイトショー

ミラコスタでのピノキオ探し

思い出は他にもたくさんあるけど、不思議なことにこの一件がいちばん印象に残っている。


涙をこらえ言葉を投げかけていた彼女

どれだけの思いで待ってくれていたのか


2004年2月

まだ陽も昇らない暗闇と乾いた空気の中、大切そうにデジカメを握る彼女の手を引き、近くの空港へと向かった。


やっと連れて行ける

少しは胸を張れる

ずっと二人で歩いていけると思っていた。


信念

2004年4月

出逢いから1年

穏やかな日々が続いていた。


広い家に越したこと

僕が会社の寮を借りたこと

変わったことは環境の変化くらいで。


それ以外には何の変化もなかった

いや・・・正確には気づけなかった


時間の不規則な仕事

彼女の待つ家に帰れない日々が続く。


減っていく二人の時間

「時には犠牲も必要」

そんな思いを抱えながら


新しい住まいは2LDK

それまで、身を寄せ合うように暮らしていた彼女にとってあの部屋は広く感じたかもしれない。


偽る本音

儚い信念


不安にさせたくない

ふさわしい男になりたい

願いに応えられる将来性を手にしたい


もうすぐ彼女は建築士になる

〇〇が落ち着くころには俺も・・・


あの時

あの夜、伝えることができなかった思い


若さを恨み

今を見失い

それでも、密かな理想が僕を突き動かしていた。


不一致

2004年6月

20回目の誕生日

手作りケーキで祝ってくれたことを覚えている。


もっと側に居たかった

でも、できなかった


すれ違いの日々

でも不満はなかった。


夢は必ずどこかで交わる

今より笑いあえる日々が来る

そう信じて疑わなかったから。


でも逢えない夜は寂しくて

カーテンのない部屋に一人。


内緒で貯めていた学費と

思い出の写真を数えながら

夜空を見上げる日々が続く。


当時は分からなかった

どこで何を間違えたのか・・・


答えを急ぐように

空白を埋めるように

「あんまり逢えなくてごめんね。今日は帰るから待っててね。離れてても〇〇のことを大切に思ってるから。」


しばらくし携帯が鳴る

「うん。でも私はこのままだといけない気がする。少し距離を置いたほうがいいと思う。」


何を思っていたのか・・・

長い魔法解けていくような


仕事はしていたのか?

どうやって帰宅したのか?

記憶にない。


我慢を知らない子供のように

気づけば彼女が目の前にいた。


暗闇の中

外灯に照らさられる彼女の姿

歩み寄ろうにも直感が許さない。


見て取れない表情

不慣れな言葉づかい


「ごめん疲れてるよね」

「ううん?どうしたと?」

「ごめんねユウジ」

「・・・何かあった?」


黙って首を振る彼女


「何もない・・・ごめん」

「わかってるつもりやけん」

「うん・・・ごめん」


装う平然

心にもない台詞

自分の性格が嫌になる


「謝んなくていい」

「だって私わがままやけん」

「わがままな〇〇が好き」

「何でユウジは怒らんの?」

「だって怒る理由がないやん」


うつむく姿

飽和していく空気


「何でそんなんなん?」

「ごめん・・・分かんない」

「怒ってよ。怒ればいいやん。」

「・・・」


立ち尽くすまま

選ぶ言葉も見つからず


「何でよ!わたし最低やん」

「そんなこと言う〇〇嫌い」

「バカやん。何で怒らんの?」

「だって笑った顔が好きやもん」

「何で?ユウジは優し過ぎるよ」


決意

彼女と過ごした1年と4か月。

思えばケンカをしたことは一度も無かった。


優しい・・・?

思わず言葉に詰まる。


そもそも不満が何もない

久しぶりに逢えたことが嬉しいくらいで


怒る理由なんてない

あるはずがない


ごめん・・・何も言えんくて」

「そんなんいつか傷つくよ?」

「一緒に居られるならいい」

「それじゃダメになるから」


言葉が宙を舞う

自ら降りるように


「距離を置くって?」

「ユウジのことは好きだけど・・・」

「・・・うん」

「これ以上傷つけたくない。ごめん」

「なんで?俺が悪いんよ」

「私やけん。私が悪いから」


今でも後悔することがある


「悪いのは私」と彼女が口にしたこの瞬間

なぜ潔く身をひくことができなかったのか


あの時は分からなかった

でも今なら分かる


それは・・・

自分のことだけを考えていたからで


ずっと一緒に居たい

誰にも渡したくない

彼女と別れたくない

そんな身勝手に捉われ、何より大切な彼女の決意を尊重せず、自分の幸せだけを考えていたから、自ら別れを切り出せずにいたのだと思う。


あの時、惨めで子供だった自分に

涙を流し、夜道を歩いてた自分に 


声を掛けることができるなら・・・

死ぬほど殴ってやりたいとさえ思う。


「〇〇?寂しくさせてごめんね」

「ううん。やっぱり私が悪いと」

「ううん。俺が悪かったけん」

「ユウジじゃない。私やけん」

「〇〇・・・俺さ?」

「ごめん。ごめんなさい」


もう僕の声は届かなかった。

いや、届くはずがなかった。


浮遊

あれから何度かの恋をし

その数だけ別れがあった


ただ彼女だけは

あの別れから完全に縁が切れるまでの数日間

自分の身に起こったことを何も覚えていない


あんなにも好きだったのに・・・

現実感の無さにただ茫然としていた


「ユウジは優しいから幸せになれるよ」


塗り替えられた現実

残してくれた言葉

最後の笑顔


解けない問いを

夢幻の答えを探す日々が始まった


優しさだけじゃ生きてゆけない

でも優しい人が好きなの

夢をかなえることは素敵で

でも何か物足りなくなってゆく


後悔

目を見て告白できなかったこと

ずっと側にいられなかったこと


光の数だけ影があるように

思い出の数だけ後悔がある


もっと好きと言えなかったこと

たくさん笑い合えなかったこと

車の助手席に乗せれなかったこと

遊園地でおいてけぼりにしたこと

別れの際に泣かせてしまったこと

夢幻の彼方へ行けなかったこと


軌跡をたどれば

その数は限りなく


これからこの先、彼女がこの思いに触れる日が来るのかは分からない。

だけど「今を大切にする」ということを教えてくれた彼女に、感謝が尽きることもない。


あのころよりは大人になった

人の気持ちも分かるようになった

そして、その分だけ歳も取った


後悔の数だけ進むことができ

後悔の数だけ成長することができ

あれから数えること20年・・・


僕が今、自分の決断に後悔のない人生を歩むことができているのは、彼女の存在と決断があったからに他ならない。


ありがとう

本当にありがとう


約束

見上げる視線

空港の夜景

白い息


映画を見た日の帰り道


握る手を

震える手を

そっと胸に掛けてくれた言葉がある。


「ね~ユウジ?」

「どうしたん?」

「ずっと一緒がいい」

「うん」

「いちばん近くにおりたい」

「うん」

「生まれ変わってもまた私を見つけてね」

「うん」

「約束よ?」

「うん。約束する」


なぜ僕は彼女と出逢ったのか

未だに僕はその答えを探している


確かに僕は彼女を幸せにできなかった。


重ねた夢を叶えられず

描いた理想も伝えられず

別々の道を歩むことになってしまった。


もし、この世に生まれ変わりというものが存在するとしても、僕がまた彼女を見つけだせるかどうかは分からない。

だけど今一つだけ約束できるのは、今世であろうが来世であろうが、僕が彼女の幸せを願わない日はないということだ。


あれから20年という月日が経った


目を閉じれば今も浮かぶ笑顔

決して忘れることのない日々


それらは掛け値なしに僕の宝物だ


また出逢えるかは分からない

そして約束を守れるかも分からない


だけど僕は願っている


彼女が幸せでいられるように

彼女が笑顔でいられるようにと

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