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研究者じゃないキャリアを選んだ私が大事にしている”自分の物差し"

株式会社POL
服部明日希

こんな人の参考になるかも

・文理選択を控えた高校生、
 受験する大学の専攻に迷っている理系選択の高校生

・就活に不安を持っている大学生・大学院生

・研究が自分に合わなくて悩んでいる大学院生

# 自己紹介


はじめまして!服部明日希(アスキ)といいます。

この記事では、大学院に進学するも研究をする道でなく、研究者の方々の支援をする会社に入社する道に進んだというちょっと変わった私のキャリアのお話をできたらと思います。

そもそもどんなヒト?と思われるかと思いますので最初に簡単に私の経歴について紹介させてください。



*経歴*
・1994年 愛知県に生まれる
・2014年 名古屋大学農学部に入学
・2018年 名古屋大学院生命農学研究科に入学
・2019年 大学院を中退し株式会社POLに入社。広報/PRを担当
・2020年 CS(カスタマーサクセス)に部署異動


# この記事を読んでいただいた方に伝えたいこと

・何がやりたいかわからないのは自分の世界が狭いから。
 行動する勇気を持つのが大事。

・一方で、自分がやりたいことだけでなく、
 世の中で求められていることにもアンテナを立ててみるといいかも。

・涙が出るほどしんどいことも乗り越えたら人生のスパイスになる。

・”自分の物差し”を持つことで人生の満足度が変わるかも?


ここからは少し時系列で私のキャリアを紹介したいと思います。

# 高校入学〜大学進学


高校入学したころは実はCAになりたいと思っていました。科目としても英語が好きで英語を活かした仕事に就きたいなと。
ただ、1年生の時に勉強をサボりすぎて英語に自信がなくなり、その中で他にやりたいことがないかなと思って、化粧品の研究職に就きたいと思うようになりました。

化粧品は好きだったものの、割となんとなく好き、仕事も楽しそうというくらいの気持ちでした。これが後から少し私を苦しめます(笑)

そうしてなんとなく理系の中でも生物を選択し、高校で2年、浪人もしたので追加で1年勉強し、なんとか入ったのが名古屋大学の農学部でした。
自分の価値観(あるいは周りの価値観)として偏差値・大学名を重視していて、そこで何がやりたいのかは全くと言っていいほどないまま入学しました。

もしも昔の自分に今の自分が声をかけられるなら
「何がやりたいのかという問いから逃げずに、自分の世界を広げるためにもっと行動してみて!調べたり、人に話を聞きにいったりできることたくさんあるよ!」
と伝えると思います。

# 大学進学〜大学院進学


そんなこんなで入学した大学で入学早々先生から言われた言葉がショックで今でも頭に残っています。

「君たちは偏差値が高い農学部に苦労して入ってきたと思うけれど、就職では同じくらいの偏差値の工学部より苦労することになるよ」
この言葉は先生の意地悪ではなく(ただ、入学したばかりの学生には言わなくてもいいんじゃと思いますがね笑)、本当だったなと思います。

実は今、理系学生の就活を支援するサービスの事業部で働いているのですが、市場のニーズが高いのは、情報・機械・電気電子系の専攻というのは明らかです。

だからみんなこの専攻を選んだほうがいいよと言いたいわけではありません。最後は”好き”・”やりたい”が勝つ世界がいいなと思うので、好きなことが明確な人には好きを極めて欲しいです。

しかし、なんとなく進路選択をしてしまう私みたいな人も少なからずいると思うので、そうした人には「自分のやりたいことだけでなく市場で求められていることにもアンテナを貼った方がいいよ」というのを伝えたいです。

と、こんなことがありつつも1-2年生はバイトやサークルに明け暮れているうちにすぎていきました。3年生になり、毎日必修で実験の授業があるハードな日々がスタート。

ここで自分は研究に向いていないなと思うようになり(毎日のように実験に失敗するので本当に向いてないんです)、かつ元々大学院に進みたいと強く思っていなかったのもあり就活を始めました。

この時は、やっぱり化粧品関係の仕事に就きたいと思い、化粧品やちょっとそれに近い食品業界の企業の総合職を受けていました。(今の仕事をしていても思うのは、こういった花形業界は本当に内定をもらうハードルが高い!!!)

案の定、就活はあまりうまく進まず、4年生になっても内定は1社もない状態で、何がやりたいのかもわからなくなってズタボロの状態でした。

ひどい時は毎日のように泣いていました。
就活失敗は本当に本当にしんどかったのですが、今思い返すと
この時があったから今の自分があるなと思います。
辛いことも乗り越えられたら強くなれますね!

すごく悩んだ結果、大学院に進んで、その2年の間に

①自分に自信を持てるような経験をしよう

②本当にやりたいことを見つけよう

ということを決心しました。
そこからはとにかく人に会って話を聞くというのをしてました。
今までの自分の世界が狭かったのでいろんな人と話して世界を広げようとしてました。

その中でたまたま友人の友人がPOLというスタートアップでインターンをしている、それも名古屋でというのを知り、その人に話を聞きに行ったのが今働いている会社との出会いです。

その会社でリモートでインターンをしつつ、大学院に進学しました。
また、この頃から理系女性のキャリアってなんか狭い!と思うようになり、周りの友だちを誘って小さな理系女子団体を作ったりもしてました。

# 大学院進学〜大学院中退

大学院に進学してからは、研究に専念!...するということはなく笑、就活とインターンと研究とという生活を送っていました。
(全然研究に力が入ってなかったので先生には本当に申し訳ないことをしました)

学部生の時の就活を経て、若い時はとにかくハードワークでもいいから力をつけたい、しかも給料も結構欲しいと思うようになりコンサル業界を目指すように。

3月頃に内定をいただいたのですが、今度は本当にこの会社に入社でいいのかなと思うようになりました。
そこで悩みに悩み、自己分析をしなおすことに。参考までにこんなことを考えましたという内容を紹介します。


・会社選びの軸に大切だと思うことの優先順位
私の場合は、以下のように大きな優先順位をつけて、自分の内面から発生する動機に向き合うようにしました。
自分の内面から発生する動機(何を成し遂げたいか)
> 一緒に働く人・組織
>> 制度・環境などの外的な要素

・モチベーショングラフ
自分の人生を振り返り、その時々のモチベーションをグラフ形式で記入してモチベーションが上がるタイミング・下がるタイミングを整理しました

▼当時作成したモチベーショングラフ(恥ずかしいので色々ぼかしています笑)

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・「自分にとって幸せとは」「働く理由は」という問い

・数年後、数十年後、定年退職後になっていたい姿

・自分の強みとそれぞれの会社でできること

上記のようなことを整理した結果、「優秀な人がその力を最大限発揮できる仕組みを作る」というのを自分のビジョンにしたいと考えて、そのビジョンを実現できるか、同じ想いと熱量をもった仲間と働くことができるか、私じゃないとダメな仕事ができるかという軸で企業を比較しました。

その結果、自分が当初重要視していた給与というのは、自分が思っていたよりも重要じゃないことだなと思えるようになりました。

逆に「なんで給与が高いことって自分にとってそんなに魅力的なんだろう」という問いも立ててみたのですが、給与はじめ、数字やランキングであらわれるものってわかりやすいじゃないですか、それが理由なんだなと思いました。

自分の物差しがないときは世の中の物差しで会社の良し悪しを測ってしまう。

給与、認知度、会社の売上高 etc…って自分だけじゃなくって家族とか友だちとかそういう人からも評価されやすいですよね。
でも、逆にいうと世の中の物差しで測れるものってわかりやすく序列がつくと思うんです。
すごい単純なのだと業界2位の企業より業界1位の企業がいいよね、とか。その物差しだと2位の企業に入ったら劣等感を感じますよね。

給与なんかで言ったら、給与がいいとことに入れたと思っても世界の長者番付1位にならない限り、自分の上にはさらに上の人がいるのでいつまでも満たされないよなって笑。

じゃあ逆に、めっちゃくちゃ考え抜いて自分だけの物差しをつくって、私にとっての1番を作ればハッピーじゃんと思ったわけです。
その物差しとして「自分の目指すビジョンに近づける会社かどうか」というのを作ったのです。

私は研究が苦手であまり好きでなかったのですが、一方で研究に取り組む周りの優秀な先輩、同期、後輩、そして何よりこんな私を見放さずにいてくれた尊敬する先生の少しでも役に立つことができたらと思っていました。

それが「優秀な人(=研究者)がその力を最大限発揮できる仕組みを作る」というような形でリンクしたのです。

そうして大手志向・給与志向だったところから一転、上場もしていない、10人も社員がいないスタートアップに飛び込むことを決心しました。
3月中に中退して4月から働こうと決めたはいいものの、両親祖父母からは大反対を受けて毎日喧嘩をしていました。
(ここで良くも悪くも自分の物差しは折れませんでしたね笑)

最後は喧嘩別れになるのはよくないという母の言葉でなんとかまとまり、中退とPOLへの入社が決まりました。
(ここまで手間暇かけて育てた娘がよくわからない会社に入った両親のショックは計り知れません。なので会社を大きくして安心させたい!)

# 入社〜今


こんな感じで一大決心して入社した会社で今もまだ働いているのですが、入社してから1度も後悔をしたことはありません。

大学院の友達が入社したどんな会社より小さくて制度なども整っていないですが、会社が大きくなることや、自分が成し遂げたかった「優秀な人(=研究者)がその力を最大限発揮できる仕組みを作る」に向かっていると思えること、良い仲間と働けること、スタートアップだからこそ自分にしかできないことができていることにとても満足をしています。

私のキャリアは突飛なものですが、同じキャリアでなくても人と違う道を歩むことに不安を感じるという点で共通する人は少なくないかと思います。
日本だと博士に進まれる方も今後のキャリアに不安がある方が多いと聞きます。そんな時に大事なのが自分がハッピーになれる自分の物差しなのかなと思います。

周りと比較できるもの(給与や認知度、制度面など)ほど測りやすく指標にしやすいですが、最後に自分を支えてくれ、満足させてくれるのがそうとは限りません。
自分と向き合って自分がやりたいことをすることでみんながハッピーでカラフルなキャリア・人生を選べたらいいなと思っています。


私の会社のビジョンは「研究者の可能性を最大化するプラットフォームを創造する」なのですが、私が今取り組んでいる理系学生のキャリア支援では学生のキャリアの可能性が広がっていく出会いを作れたらいいなと思っていますし、今は中途事業や新規事業にも裾野が広がっています。

この記事では、私のキャリアについてお話をさせていただきましたが、もしキャリアでお悩みの方で私がお役に立てそうなことがあればTwitter(@asuki_pol)などもやっているのでお気軽にメッセージをいただけたらと思います!


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