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[12] わたしの性歴 高校生

<高校生>

高校生になり、自分の携帯電話を買ってもらった。自由にネットを使えるようになり、Yahoo!知恵袋のアダルトカテゴリ(略してアダカテ)を見るようになる。今まで知り得なかったアダルトな知識がわかり、おもしろくてよく見ていた。その中で「幼稚園くらいからしているアレがおなにーで、幼少期からしていることは変だ」という事実に気づき本気で悩み始める。当時、純真無垢だったわたしは早速アダカテで「幼稚園くらいのときからたぶんオナニーというものをしています。これはおかしいことなんでしょうか?」と質問を投稿した。すると、数え切れないくらいの大人の男達から気味の悪いメールが大量に届いた。その中にあった、大学生で家庭教師のバイトをしているという男が添付してきた陰茎が、生まれて初めて見たモザイクなしの勃起した陰茎だった。白くてすごく太くてデカかった。初めて見たときはキャッ!と携帯を布団に投げつけるくらい驚いた。初々しい反応であった。

陰キャだったわたしは、同級生の男子と何の接点も持っていなかったので、はじめは気味悪がっていた大量のメールもだんだんと嬉しくなってきていた。女として興味を持ってもらえるだなんて興奮した。女子高生、JKということもとても価値のあることのようだった。大量のメールの中からおもしろそうだなと思ったおじさん何人かとメールのやりとりをするようになった。エッチの知識をたくさん教えてもらい、進学校で勉強するわたしにとってはいい息抜きとなった。(学校の新しい校舎のトイレに反対向きに座り、ウォシュレットでおなにーする技も覚えたりしながら)


そして高校3年生の夏休み。毎日必死に大学受験のために勉強している最中、夏期講習の帰り道にわたしは襲われた。2012年7月21日くらい、時刻は20時25分くらいのことだったか。

夏期講習のあと、学校は20時まで開放されているのでわたしは友達と居残って毎日勉強をしていた。そして20時に学校を出て音楽を聴きながら帰るのが日課だった。夜の帰り道は薄暗くて通りすがりの人の顔もあんまり見えなくて、空想に浸るのにぴったりの環境だった。その空想を書き殴った文章が、随筆文学賞で佳作を頂くくらい、大好きな帰り道だった。

約2キロの距離、4車線の大通りをまっすぐ歩き、ほんの100メートルほど曲がった小道に自宅がある。曲がってすぐ公園があるのだが、その茂みにぼんやり人影があった。なんとなく若い男の人だということはわかり、無知なわたしは「こんな遅い時間に草むしりをして偉いなぁ」とのんきなことを思い、でも何かこちらをみられているようなきがしてたので公園の向かいの小学校側を歩くようにしてその日は帰った。それから、不定期で2,3度ほどその男が茂みに立っていたような気がしたがある時ぱったりいなくなったのですっかり忘れていた。

わたしは古典が苦手で、おまけに古典の先生が意地悪な先生でいい成績がとれずに悩んでいたので、帰り道に音楽を聴くことを諦め、古典の単語帳を街頭の光に照らしながら帰っていた日。大通りを曲がり公園を通り過ぎ家まであと50メートルもないくらいのとき。古典の単語帳でいっぱいだった視界にわっと大きな手のひらが現れ、口を塞がれたと同時に、左首筋にスッと冷たい線が当てられ、それと同時に右耳から低い声が聞こえた。「声出したら殺すぞ。お前ん家知ってるんだからな、逃げたら家族全員殺すぞ。おとなしくこっち来い。」その声は聞いたことのあるような気もしたが、それどころか、手で口だけでなく鼻も塞がれてしまったために息が完全にできなくて頭が真っ白になってしまった。わたしは家と反対側にある真っ暗な砂利の駐車場へ連れていかれた。

わたしはなぜ自分が狙われてこんな目に遭っているのかわからなくて「わたしは重大な秘密なんて知らないのに!お父さんが韓国人だから?何かの陰謀?」などととんちんかん的外れな予想をしていた。頭が真っ白だったので仕方ない。

砂利の駐車場の奥へ連れて行かれ大きな車の陰に座らされると、やっと手を口から離してもらえたのでわたしは必死に息をした。ここに来るまでの間に既に窒息するかと思ったし、うまく口だけを塞げよ、と思った。全身でとにかく息をしている間に、犯人はカチャカチャとズボンを脱ぎ下ろし「舐めろ」と言われた。まず真っ暗でなにも見えないし、わたしの前に突っ立ってなんなんですか?と思ったが、しばらく考えてこれは性的なことをされると悟った。わたしは正直に「したことないです。わからないです。」と言った。犯人は「えっ?お前処女なの?」と嬉しそうに言い、今度はまた低い声で「口開けろや」と言った。ナイフがキラッと光りすぐそこにあることを知り、わたしは口を開けた。芯は硬いのに人間の皮膚と薄い肉で纏われた意味のわからない熱いものが口いっぱいに入ってきた。言うことを聞かないと死ぬと思ったのもあるし、とにかく頭が真っさらすぎる白で、今も思い出せるくらい白で思考停止していた。考える気力もなかった。頭を持たれ前後に移動させられ、「もっと舌で舐めながら動け」などと指図されできるだけそうしたが息ができなくて苦しくなって歯が当たってしまった。「お前今噛んだだろ?!殺すぞ!」と言われた。そんな無茶なと思った。

しばらくその行為が続き、やっと終わったと思うと今度はそこに寝ろ、と指を指された。思考は停止しているのでおとなしく仰向けになった。するとわたしの両足の間に犯人が座りわたしの肩の横あたりにナイフを置いたように思う。「パンツ脱いで脚開けや」と言われた。なんで?と意味がわからなくて怖くて黙っていると勝手に脱がされた。勢いよく脱がすもんだから片方のローファーがどこかへ飛んでいった。パンツは足首に宙ぶらりんになったまま脚を広げられ熱いさっきの棒をわたしの股にあてがわれた。「俺の、おっきいんだよな~~」ご機嫌に犯人が言った。それが大きいのかどうかも、大きいと何がよいのかわからないまま怖くなって顔を両手で塞いで耐えようとした。が、真っ暗すぎるのか初心者なのか股にこすりつけられるだけで一向に状況は変わらない。「クソッお前の小さくてどこにあるのかわからんのや!」犯人は怒っている。怒りながらも探り続け、ついにぐいっと中に押し込まれた。痛くて思わず「痛ッ」と声が出た。メリメリという音も聞こえた気がする。犯人は「処女は締まりがいいなぁ~~!」と嬉しそうな声だった。ご満悦のようだった。楽しそうな声の時と指図するときの怖い声の時の落差が激しくてそれも怖かった。

今でならわかる感覚だが、膣の中は硬くこわばっていて入れられた棒をまったく無視していた。奥を突かれる度激痛が走り、その度に背中に砂利が刺さり、でも声を出すとナイフを首に当てられ、耐えるしかない時間が続いた。

目の前にずっと犯人の顔があり、大量の汗が降ってきた。それが口に入るとしょぱっくてそれが嫌で顔を横に背けた。息が荒いのに顔が近くて気持ち悪かった。思えばそんなに息を吹きかけられるのだって初めての経験だ。

「キスしていい?」また優しい声になって尋ねられた。思わず首を左右に振る。だってまだキスしたことないのに...なぜかそんな気持ちがあった。何回か尋ねられ何回も断ったのに普通にキスをされた。唇ってこんなにやわらかくて生温かいのか、初めて知って涙がこぼれた。なぜ今ファーストキスをしているのか理解できなかった。

しばらくして胸を触られ「なにカップ?」と尋ねられた。たぶんCくらいだと思ったけど本当に知らなくて「わかりません」と正直に答えると「殺すぞ」とまた怖い声で言われた。

つぎは優しい声になって「舌、出してみ?」と言われ、は?と思いながら数㎝出すと舌で舌を舐められ、あまりにぬるぬるした感覚になんじゃこりゃと思った。犯人の口が離れた途端、制服の袖で唾液を拭った。マジでやめろよ、と思った。

途中、自転車を押しながら歩く大学生がすぐ前を通った。犯人はわたしの口を手で塞ぎ「ぜってぇ声だすなよー?」と満面の笑みを浮かべていた。すぐそばにレイプされているわたしがいることも知らず、他愛もない会話をしている大学生を見て犯人はますます興奮していた。わたしは冷静な気持ちでなにがそんなに楽しいんだろか、などと考えていた。

とにかくずっと暗闇で、ずっと頭が真っ白で、ずっと湿っぽくて、ずっと痛かった。「中に出していい?」と聞かれ、首を勢いよく左右に振ってしばらくすると、それから、ばっ!と犯人がわたしの身体から離れたかと思うと、出したばかりの棒をわたしの太ももになすりつけているようだった。一瞬のことだった。

わたしはすぐに足首のパンツを履き、飛んでいってしまったローファーを探していると、「はい」とローファーを取ってきてくれた。履こうとするが手が震えてうまく履けない。手間取っているとバッ!とあたりが強い光に照らされた。眩しくて目が開けられない。そばの車の持ち主が戻ってきて車のヘッドライトが点いたのだった。目を細めてぼーっとしていると若いカップルのうちの女性のほうが「え...?大丈夫?大丈夫...?」と何度もつぶやいていた。あちらも状況が把握できていないので尋ねるというよりぼそぼそつぶやいていた。

わたしはただぼーっと白い光の中を見つめて座りこんでいたので犯人は焦って駆け寄り、「行こ?立てる?大丈夫?」などと介抱し始めた。そのカップルに助けを求めたらよかったのだが、すべてにおいて理解ができなくて何にもわからなくてできなかった。「行こ?」と言われたとて、そのときのわたしは腰が抜けて身体のどこもかしこも力が入らなくて動けなかった。それでも「大丈夫です!大丈夫です!」と言いながら必死にわたしを砂利の駐車場から連れ出させた。「おんぶしよっか?」と言われ首を左右に振り、なかばひきづられながら民家の庭の通路に座らされ「ここで待ってて」と言われた。待っててていうか動けないんだけど、などと思いつつぼーっとしていた。犯人がナイフやわたしのリュックなどを抱えて戻ってきた。お気に入りのハート型のリボンを縫い付けたリュック、触られちゃったな、等と考えていた。

「俺のこと知ってる?」そのときはじめて街灯に顔が照らされ、わたしはそれをまじまじと見た。声を聞いたとき、知ってるとうっすら思っていたけどやはり知っている人だった。わたしはこくんとうなずくと「え?だれ?」と聞かれ知ってる名前を言った。すると「え~~俺そんな奴知らねぇよ!誰それ~」とわざとらしくごまかしていた。なんて下手な演技なんだろうと思った。わたしのリュックにとん、と手のひらを置き、「ケータイ見ていい?メアド教えて」と言われた。ちょうど充電を切らしているしなどと思いながら、首を左右に振った、「セフレになれない?」せふれって何だろうと思いながら首を左右に振った。無表情で首を縦か横にしか振らないわたしを、犯人はつまらなさそうにしていた。しばらく経って、「もう歩ける?」と聞かれ、わたしはうなずいた。家に帰らなきゃと思った。立ってリュックをしょうと、さっきまで優しい声だった犯人が急にわたしの顎をくいっと掴み、至近距離で睨みながら「このこと絶対に誰にも言うなよ」と言い放った。わたしの家と反対方向を歩く後ろ姿を眺めていると犯人は靴を履いておらず、靴下であることに気がついた。だから足音がしなかったんだ...急に悔しくなった。わたしはわずかな力でとぼとぼと家に向かった。50メートルもない距離だったがひどく疲れてしまい、家の隣の駐車場の車止めに腰掛けた。何度かため息をついていると涙がこぼれてきた。数少ない通行人が心配そうに夜に泣いている女子高生を見ている。見ているだけだった。

家に帰るといつもより帰宅の遅いわたしを母が怒った。「なんで今日いつもより遅いん!」わたしは平然と「友達と喋ってた」と言った。わたしの脱いだ制服のカッターシャツを、母が洗濯機に入れようとした時、「なんでこんなところに血ついてるん!しっかりしなさい!」と母が言った。顔を上げると確かに手首あたりに直径3cmくらいの真っ赤な血がついていた。母はわたしの経血だと勘違いしているのだろうが、わたしは生理ではなくて、わたしも何でだろうかと思ったけど正直どうでもよかった。

とりあえず、その日着ていた下着はゴミ箱に捨てた。身体は入念に洗った。砂利が刺さった背中の傷にお湯がしみる。シャワーと一緒に涙も流れたけど感情はなかった。お風呂を済ませベッドに入り横たわると、自分の身体が犯された事実を再認識する。ふとパンツの中に手を入れ、膣を触るとぽっくり穴が空いていた。前は閉じていたのに、と涙が流れた。口の中に違和感を感じると思ったら太い陰毛が出てきた。わたしのじゃない。最悪だと思った。

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