③狐野彩人 Z世代のアナウンサーは「まずい」と言うべきか。
こんにちは。UHB・北海道文化放送に今年入社しました。
狐野彩人(このさいと)です。22歳。01世代(2001年生まれ)。
早生まれを除けば、21世紀生まれ最初のアナウンサーでございます。
入社前である今年の3月、UHBでは『ゴハット』という特番を放送しました。業界のご法度とされていることを検証するというコンセプトで、北海道民が思わず「えっ!そんなことテレビでしていいの?」となる内容でした。放送終了後に本編をフルでYouTubeに公開した点まで含めて、TV局が時代の流れに合わせて変化していこうとする気概を一視聴者として感じました。
番組の目玉は「(他局の)情報番組で数十年料理を作り続けた先生のレシピは本当に美味しいのか」の検証です。近所のおばさま達がしていた「☆澤先生の料理はおいしくない」という失礼極まりない立ち話を、小学生の時に耳にしたことがあったため斬新さとなつかしさを感じた内容でした。検証では先輩のアナウンサー2人が先生自ら作った料理についてコメントしました。
バラエティの悪意あるお笑い編集がある中で、さすがの先輩方です。『みんテレ』(夕方のローカル帯番組)でMCをやり続けているだけあります。味だけでなく食感や栄養バランスに注目するという技は盗んでいきたいです。
この文章を書いている入社前の3月現在、大学生である私はテレビのコメントに求められる要素について大きく2つだと解釈しています。
どちらも満たしていないコメントは論外として、どちらか片方に偏ったコメントはどんなものでしょうか。ここで極端な例を出してみます。
①「正確だが視聴者を不快にさせる」の例
これはパリのパン屋さんの前です。私は卒業旅行の様子を「勝手に内定者研修inパリ」と題して動画をYouTubeに投稿する予定です(現在調整中)。その1シーン。“内定者研修“ということで当然、日本とは異なるパリの空気を日本の皆さんに伝えるコメントをしなければなりません。
帰国した今、コメントするならこんな所でしょうか。しかし、カメラを回していた時に考えていたのは、
「クサっ!!!!!下水道の臭いやべぇぇええ!」
パン屋の匂いはとても良かったのに、その道中は鼻をつまみたくなるほどのしつこい臭い。
上記のコメントをもしロケで言ってしまったら…。①の要素である正確性はしっかり満たされている内容です。しかし、これを聞くと視聴者はどう思うのか。
視聴者の憧れがパンくずとともにパラパラと散ってしまい、せっかくのクロワッサンも台無しです。この店のパンは滞在中、最もおいしいパン屋さんでした。(お口ならぬ“おめめ直し”に載せておきますね。Snowmanはめめ担です。)
続いて「➁視聴者を不快にさせないけど正確ではない」の例です。
ルーブル美術館に行きました。
Tシャツを買うほど好きな「サモトラケのニケ像」を初めて生で鑑賞。羽の裏に同色の金属で固定されているところに「本物だ…!」と感じてしまいました。感動した私がとったポーズがコチラです。
ニケポーズです。同じことをやっている人は見当たりませんでした。笑っている人はたくさんいました。似たことをモナリザの前でもやってきました。髭面のおっちゃんが「A ha ha ha, nice guy!!」と言ってきた時はさすがにびっくり。
これらのポーズは世界中の人を笑顔にできるみたいなのでぜひ流行らせたいところ。ですがこれを「今巷で話題のニケポーズ!」「指ハート、イトシナモンの次は手モナリザ!」なんて発信するのは正確性を持った情報ではないのです。当然ニケやモナリザを売り出したいスポンサーがバックにいるわけでもありません。
くだらなかった話から大きな話へ。
(視聴者、共演者、スポンサー同率で)一番偉い人へ。私は、今何をするべきでしょうか。テレビは何を求められているのでしょうか。「人を不快にさせない程度の正確さ」を追求するべきなのでしょうか。朝からどんよりした気持ちになりたくないからとバラエティ色の強い朝番組がヒットする一方で、ガザ地区やウクライナ問題の報道が日本ではあまりされていないという声も聞こえます。過熱した報道は“マスゴミ”と呼ばれる一因になる一方で、真偽不明のネットの情報に「なぜ日本のテレビは取り上げないのか」と書かれる。“見ていない視聴者”を気にしながら番組を作らねばならないと先日のドラマでは言っていました。
私は常に中立でありたい。賛否両論を持ち続けて話し続けていたい。
正義感を己の快感のためだけに振りかざすようなことはしないように心がけます。
まずいので。
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