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自由で自律した組織文化に欠かせない、コーチングという補助輪

「世の中の時間をつなげて、世界中の人々がより良い明日を選択できるようにする」をミッションに掲げ、コミュニケーションを前提としたカレンダーシェアアプリ・TimeTreeを開発・運営する株式会社TimeTree。同社では今後の組織づくりにおいて「組織のハブとなるリード層の育成」が欠かせないと考えmento for Businessの導入を決めていただきました。

導入を推進した代表・深川泰斗様と、コーチング対象者の取締役・松田駿一様、プロジェクトリード・吉本安寿様に導入の背景や効果についてお話を伺いました。

株式会社TimeTree
「予定って相手がいることがほとんどなのに、どうして個人用のツールばかりなんだろう?」という疑問から「予定管理を、共有するという前提で考え直してみよう」というコンセプトで生まれたカレンダーシェアアプリ・TimeTree(タイムツリー)の運営会社。家族やパートナーでの利用を中心に2020年7月には2500万ユーザーを突破。急速に利用者を増やしている。

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理想の自分像が明確になればなるほど、ギャップを埋めるために頑張れる

前回インタビューの中で、「リーダーシップに関わる人は受けると良い」と感想をいただいていました。実際にプロジェクトリードへの導入を決めた背景にはどのような期待があったのでしょうか。

深川さん(以下、深川):今回対象とした6名のプロジェクトリードに求めていることは、まず何よりもプロジェクトが成功するように遂行していくことです。そしてそのためには目標・課題の整理が不可欠だと考えています。このプロセス支援を検討した時、コーチングが適切だと行き着きました。それは私自身の実感値として、頭の中のイメージを高い精度かつスピーディーに具体化していく効果が期待できたから。またコーチングには自問自答を外出しするという側面もあるので、自身の思考やコミュニケーションを客観視することにもつながりますよね。組織をまとめていくうえで、他のメンバーとの関わり方にも良い影響があるのでは、と期待していました。

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吉本さん(以下、吉本): 私は広告事業の統括をしているのですが、比較的人数の多い事業部で、職種としても営業・開発・企画・サポートと様々なメンバーが集まっています。彼/彼女らにはチームとしても個人としても納得感をもって仕事をしてほしいと考える一方で、今までにメンバーを率いた経験がないため、どう振る舞えば良いかがわからず、もどかしさを感じていました。そのため、とにかくリーダーシップについて考えを明確にしたいと考えていました。
ただコーチングを通して、内面と対話することにはある種の怖さも感じていたんです。自分が覆い隠していたところに触れていかないといけない印象が強かったので。しかしコーチとの関わりの中で理想の自分像が明確になればなるほど、ギャップを埋めるために頑張りたいという意識の変化がありました。ちょっとした些細な瞬間でも「あ、コーチングの時に話していたな」と脳裏によぎる。ポジティブな言葉を使うようにしたり、意図的なコミュニケーションが増えていると思います。

深川:コーチングの影響だけではないかもしれないけど、吉本さんは以前と比べて考えが及ぶ範囲が広がったような印象がありますね。Slackでのコミュニケーションも変わった。もともとの企画推進力に、チーム視点が加わっているよね。本人を前に恥ずかしいけれど(笑)

松田さん(以下、松田): 私もこれまでメンバーをまとめた経験がありませんでした。それが今は取締役。リーダーシップってなんだ?というところからのスタートでした。そして長らくプレイヤーとしてエンジニアのキャリアを歩んできたので、今求められている経営やプロダクト企画・ディレクションの役割に振り切れていなかったことが課題の一つでしたね。エンジニアとしての自分を捨て切れていなかったんです。
セッションを通じて、コーチには得意を捨てて「覚悟」を決める作業を一緒にしてもらいました。スタンスや気持ちがはっきりと変わったと感じています。エンジニアとしての仕事を手放して、マネジメントとプロダクト企画等、やるべきことに注力できています。

深川: 松田さんは、これまでの迷いが晴れたような雰囲気はありますよ。以前は目標を定めるにあたって、課題を把握するのが得意だぞ、というのが前面に出ていた。今は「課題はこれだけあるんだけど、その中でも目標達成にインパクトがあるのはこの課題。だからこうするのがいと思うんだけど、どう」というスタンス。ニュアンスが難しいけど、目線の切り分けができるようになっているんではないかな。

決断することが自分の仕事であり、使命だということを理解した

ープロジェクトリードとして、特に変化を感じた部分を教えてください。

吉本: やはりリーダーとしての振る舞いですね。チームのモチベーションを高く維持するためには、リーダーとして適切なタイミングでの適切なコミュニケーションが欠かせないですが、以前より意識して行動できるようになったと感じています。ただ「適切さ」は職種ごと、人ごとに違うので難しく...まだまだ試行錯誤が必要ですね。コーチングによってメンバーに思いを馳せる時間を、定期的に持てたことが大きく作用しています。

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松田:まだまだ苦手ではありますが、覚悟を決めたことで決断することの精神的な負担はずいぶん減りましたね。うだうだ悩まずに決めるとか、とりあえず決めてやっちゃうとか。決断することが自分の仕事であり使命だということを理解した行動が増えていると思います。一方で、矛盾するようですが「迷ってもいい」という言葉をコーチからもらったんです。確かに迷わずバンバン決めていくリーダーもそれはそれで違うな、と。だから時には「今決めれないから待ってほしい」とスタンスをはっきりさせたうえで、自信を持って悩みます(笑)もともと優柔不断な性格だったので、明確なスタンスはチームにとってもいい影響を与えていると思います。

ーコーチングの価値はどのようなものでしたか。

吉本:ある程度の年齢になって役職もついてくると、純粋なフィードバックを貰えること自体に価値があると感じています。感覚としては会社と家族の中間あたりにコーチが居る。バランスがとても心地よく、フラットに向き合うことができています。
また若く様々な経験を持ったメンバーが増えているなかで、コーチング技術のエッセンスは参考になりますよね。意見を引き出したいときに参考にしています。

松田: 立ち止まる時間を確保できるのがありがたいですよね。目の前の課題やタスクに追われていても、セッションで立ち止まれると分かっているので余裕があるんです。長い目で見ると、じわじわと効いてくる。あとはやはり技術として、コーチングは勉強になりました。メンバーとも1on1をしていますが、こういう引き出し方があるのかと。特に相手に解決策を出してもらうような質問ですよね。これまでは自分が答えを与えようとしてしまっていたんです。

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自由な風土に補助輪は必要。そのひとつがコーチング

ー今後の組織づくりの構想を教えてください。

深川:メンバーが自ら仕事をつくって、自らをマネジメントする。そのうえでチームとして連携できる状態が理想ですね。指示を受けてこなす仕事は、ディティールに対してこだわりが生まれないので。指示で繋がっている限り、発案者の頭の中にあるものが最大値になってしまう。結果として最終的な成果物は薄く、モヤモヤしたものになるんです。
理想の組織を実現するには、まずミッションを掲げ浸透させることからはじまります。ミッションが浸透したら、さらにブレイクダウンして「この時期にはこれが重要」と戦略として伝えていく。そのうえで、戦略に沿った発案をメンバーができるような環境をつくっていく必要があります。

ー組織づくりにコーチングはどう活用できそうですか。

深川: ミッションを掲げ浸透させること。さらにブレイクダウンして、戦略として共有すること。どの段階でも言語コミュニケーションが肝になります。頭の中にどれだけイメージがあっても伝達はできないので、伝えるためには言語化するしかない。繰り返しになりますが、言語化の精度とスピードを高めることはコーチングの得意分野ですよね。対象としては経営層だけでなく、組織のハブとなるリード陣にも有用だと改めて感じています。彼/彼女らがモヤモヤしている状態が長く続けば、コミュニケーションが断絶してしまうし、メンバーにもモヤモヤが伝播する。ほうっておけば大きな損失ですから。
あとはコーチングは受けていると、引き出し方や対話の仕方を学ぶことができます。自身の振る舞いを機会としても効果がある。うまくいけば、メンバーの意見を引き出して自ら仕事をつくることに繋がると考えています。

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松田:私もコーチの傾聴の仕方や精神性に触れて、スキルの特殊さを実感しています。リード陣がコーチングスキルを身に付けることは重要ですが、コーチングの質は社内情報を知っているかどうか、同等の経験を持っているかどうかと全く関係がないとも感じていて。その意味で、外付けしやすい施策ですよね。

深川:これからのフェーズでは「ウチの会社自由だから自由にやって」というだけでは立ちゆかない。強いマネジメントやヒエラルキーを設計していないのは、個々人が自身の特性を踏まえてマネジメントしていくことが前提にあります。課題や目的、アイデアを言語化して打ち出していくことを求めているんです。なので自由に動ける風土を醸成しつつも、補助輪は必要だと考えています。そのひとつがコーチングだと今は感じています。

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