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【医学的視点】扁平足の理学療法士が、運動靴を選ぶポイントを語る


1.靴を履く意味とは


靴を履く文化はいつ頃から始まったと思いますか?

実は、調べてみると紀元前3500年前(5500年も前)と言われています。
(イランとの国境に近い洞窟で、靴が発見されたそうです)

ちなみに、西洋の革靴が日本で履かれたのは江戸時代と言われています。

そして、革靴を最初に履いた有名な人物が…

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坂本龍馬です。

びっくりしませんか?
剣豪と言われた坂本龍馬が革靴…
剣術に影響はなかったのでしょうか??


さて私たちは今、当たり前のように靴を履いています。

その理由を改めて考えてみると、

1.外を歩く時に、石などを踏んでケガをしないために靴を履く

2.地面の衝撃から足を痛めないために
靴を履く

3.足を踏まれたり、ぶつけたりしてもケガをしないために
靴を履く

4.足の温度を一定に保つために
靴を履く

5.スポーツの競技力を高めるために
靴を履く

などが挙げられます。


今回は「2.地面の衝撃から足を痛めないために靴を履く」という視点で、偏平足である私(理学療法士)が運動靴を選ぶポイントを紹介したいと思います。

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2.扁平足と靴


私は体力維持の1つとして、週に1回は必ずランニングを行っています。

ランニングなど、走ったときに体に加わる衝撃は体重の約3倍と言われ、体重が70㎏のランナーであれば210㎏の衝撃が加わることになります。

この衝撃を和らげるために、ヒトの足にはアーチ(内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチ)が存在し、下の図のようなドーム構造をしています。

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衝撃を和らげる役割のあるアーチが低下する代表例が扁平足です。
そして、私は理学療法士であり扁平足です(^-^)

足の裏に絵の具を塗って、紙に足型をとるとどうなるか。
本来は、土踏まずの部分に色はつかず、鮮明な線が描かれます。
足の真ん中がくびれているように見えるのが特徴です。

扁平足の場合、この線が不鮮明で、くびれがなく、内側に広がっているのが特徴です。

また、踵が内に倒れることで偏平足のような形になる場合を、外反扁平足と言います(母指球への負担が強くなると言われています)。

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(イラストは立った時の、足裏の体重圧を表現しています)

私は扁平足(イラスト真ん中)なので、アーチ機能を十分に発揮することができていません
このため衝撃を吸収する能力が、他の人より劣っています

体力維持や気分転換としてのランニングでは、地面からの衝撃を吸収する能力が弱く、体のいろいろな所に負担をかけやすい特徴があるわけです。

じゃあ、どうするか。

扁平足で低下した能力を補ってくれる靴」を履くことが大切です。

そうすれば、負担もかからないし、能力を維持したり、高めたりすることができると考えています。

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3.靴の機能と扁平足における運動靴


靴の役割は8つ
あるとされています。

①衝撃緩衝性:足がついた時の地面の衝撃緩和
②安定性  :関節の過度な動きを抑える
③通気性  :温湿度をコントロール
④フィット性:はき心地の向上
⑤軽量性  :重さの軽減
⑥グリップ性:スリップによるケガの防止
⑦耐久性  :使用期間の増大
⑧屈曲性  :蹴り出すときのスムーズさ

この機能のどこを重要視するかで、出来上がる靴が異なります


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8つの細かな機能は置いといて、扁平足である私は「衝撃を吸収して、関節の負担を減らす靴」を履いて運動しようと考えました。

いろいろ調べた結果、靴の踵が私にとって肝心でることが判明しました。

関節を持たない靴に、衝撃を吸収する機能を持たせるには「樹脂フォーム(樹脂の中にたくさんの気泡を発生させたスポンジのようなもの)」という素材が必要だということが分かりました。

衝撃を受けた際に、樹脂フォームが大きく変形することで、衝撃を緩衝させて、体をケガから守ってくれます。
(アスファルトに飛び降りるより、柔らかいスポンジの上に飛び降りたほうが、体に負担がかからないといったイメージを持ってください)

このため踵部分の樹脂フォームをより柔らかくしたり、たくさんの切れ込みを入れることで、変形しやすくするといった工夫がされているようです。

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さらに、運動靴について調べていくと…

マラソンシューズ、レーシングシューズ、ランニングシューズなど、様々な運動靴があることに気づきました。

簡単に言うと、マラソンシューズは④フィット性と⑥グリップ性を重要視し、ランニングシューズは①衝撃緩衝性と②安定性を重要視し、レーシングシューズは、マラソンシューズとランニングシューズの中間的な特徴を持っています。

「全部ほとんど一緒で、形が少しだけ違うもの」と思っていましたが、それぞれ機能が異なり、意味があるのだと勉強になりました。

ということは、ウォーキングシューズとランニングシューズの機能も違うと言えます。奥が深いですね…


さて、話を戻します。

これまでの内容から、扁平足である私が履く運動靴は、ランニングシューズの中でも踵部分の①衝撃緩衝性の機能が高いものと言えます。
(踵部分の樹脂フォームと言われるクッション性のある部分が工夫されているかをチェックします)

そして、ベストな選び方は、お店で実際に履いて歩くことです。
(私は人がいない時間帯を見計らって少し小走りします;定員さんすいません

これは機能が良くても、自分の体に合わないことがあるからです。

私は「踵部分に意識を向けて、違和感なく勝手に体が前に進んでしまう物を選択する」ようにしています(これは理学療法士として、臨床で患者さんを診る時も同じことを意識しています)。

最初は面倒だし大変ですが、合う物が分かれば、あとは通販で同じものを購入することができます(^-^)

私と同じ扁平足で、自分に合う運動靴を探していたら、是非参考にしてください。


その他カラダのことで相談ごとがあれば、当院へお気軽にご連絡ください。

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