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【UGIP地域滞在型】巨大市場、中国のリアル

こんにちは。地域滞在型中国チームのインターンに参加していました辻です。この記事では昨年のスケジュールに沿って私が中国で体験した内容を紹介します。グローバル・インターンシップへの参加に関心のあるみなさんに、実際のプログラムのイメージを持っていただければ幸いです。

はじめに-プログラムの概要

まず、この中国コースのプログラムをざっくりと説明します。中国コースは地域滞在型のプログラムの一つで、「巨大市場中国について学び、日系企業がいかに戦うかを考える」というテーマでした。
抽象的で、目標がはっきりとあるわけではないこのテーマは、地域滞在型プログラムの中でも特異的な内容でした。今振り返るとダイキン中国の独特な企業風土を反映したテーマであったと言えると思います。

そこで私たちは、それぞれが仮説を設定し、ブラッシュアップさせていく方法を取りました。仮定をより良いものにしていくプロセスの中で、私たちは2週間、現場を目で見て、耳で聞き、肌で感じることで、巨大市場中国のリアルに触れ続けました。

中国で何をしていたのか?

私たちは上海を中心に蘇州、深圳、武漢、北京にあるダイキンの事務所や工場、販売拠点を訪問しました。2週間の期間中に7回の移動で計5都市を視察するというのはハードなスケジュールでしたが、気候や需要、空調文化が少しずつ異なる各拠点を訪問し、実際のショールームを見学しながら地域の空調事情に精通した現地社員の方々に直接お話を伺うことができたのは素晴らしい経験でした。

各拠点では、2週間の間、様々な方とお話をさせていただきました。

・顧客に直接営業を行っている社員
・現地に駐在している日本人社員
・各拠点の経営者

また、様々な観点から中国についての理解を深めていきました。
・中国政府が運営するハイテク技術展示場の見学
・中国におけるダイキンの状況や経営戦略
・中国国内の競合他社の現状について勉強
・利用者の視点から見る中国社会へのテクノロジーの浸透

印象に一番残っているのは、武漢事務所での総経理との対話です。話題は、武漢地域におけるダイキンの事業の変遷を皮切りに、中国の抱えている課題とそれに対する政府の方針、そして空調事業にとどまらない中国における消費・収益構造の最新のトレンドへと及び、さらには中国の将来像とその中でダイキンの担うことのできる役割へと広がりました。

内容の深さはもちろん、彼の熱意と鋭いまなざしは、中国で経営者として事業を運営するのに必要不可欠な姿勢を体現しているように感じられました。

武漢にて総経理らとの食事会

もちろん、仕事ばかりではありません。平日はインターンの活動に打ち込む一方、休日には上海市内を観光したり、南京まで移動して名所を巡ったりと思い思いの過ごし方で楽しんでいました。観光だけではありません。本場の中華料理はもちろん、タピオカなどのスイーツも美味しい店が多く、食に関しても中国を満喫することができました!

現地社員の方と火鍋を囲む

日系企業が中国市場で生き残るために

日系企業が中国市場で生き残るためには何が必要なのか。

各自の視点からこの課題に対する答えを探究してきましたが、チームメンバー全員に共通した認識がありました。それはいわゆる「伝統的な」日本企業の処断のスピードでは、中国社会の潮流の速さには到底ついていくことができないということです。

日本の多くの企業では、企画を実現するためには会議を繰り返し、稟議書を上げて上層部の承認を得る必要があります。しかし、そのような決済方法では競合相手に2歩も3歩も後れを取ってしまうのが現在の中国市場の厳しさなのです。

ダイキン中国に駐在する日本人社員の方々はよく「日本のダイキンと中国のダイキンはまるで別企業」と口にしていました。ダイキン中国には、優れた企画を即座に実行へと着手することのできる組織風土が根付いています。

日本流のやり方に固執せず、必要とあれば現地社会に適合した文化を社内にも導入していく。

これが、日系企業が中国市場で戦っていくための前提条件ではないでしょうか。

インターンから学んだこと

このインターンを通じて、私は中国という国の原動力に迫ることができたように思います。

今回のプログラムでは、様々な人から、彼らの視点から見た中国という国についてお話を聞く機会がありました。新進気鋭のベンチャーを立ち上げた人、日本に長年住み通訳を務めて外から中国を見つめる人、実力で経営層へと成り上がってきた人…。

彼らの言葉から共通して感じ取ることができたのは、中国社会の変革の速さ、それについていくことができなければ第一線から脱落してしまうという危機感、そして、流れが速いからこそ機先を制することができれば必ずチャンスがあるという信念でした。

日本社会では感じられないような中国社会全体の勢いと、それに乗り遅れまいと懸命に努力する人たちの熱量。この実感は、旅行ではなくインターンで中国を訪れたからこそ得られたものだと考えています。

おわりに

この記事に書いてある内容は私がこのインターンを通して得たものの一部です。中国チームには10人のメンバーがいましたが、このプログラムを通して考えたことや得たものはまさに十人十色、各人が独自の視点からの学びを得ていました。

このプログラムには、ここでしか得られない経験、学びが詰まっています。興味を持った方は是非参加してみてください!

アルムナイ紹介

辻悠基
インターン参加時は文科一類で、現在は東京大学工学部マテリアル工学科ナノ・機能マテリアルコースの学部3年生。インターン中に中華料理に目覚めるも、辛いものを食べすぎてお腹を壊す。

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