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デニスHCインタビュー要約①


ショーン・デニス ( Shawn Dennis ) 
Bリーグ・名古屋ダイヤモンドドルフィンズのHC
彼の目指すバスケットはどんなものなのか。インタビューの要約を備忘録として残していきたい。


1回目は、以下のpodcastより。翻訳は怪しい部分も多々あるので、その点はご容赦ください。
時期は2021年の12月なので、名古屋DのHCに就任して1年目の数か月経過時点と思われる。

the basketball podcast
with Chris Oliver
Episode 193より
2021.12/8


・オーストラリア、ニュージーランドで若い時代、よく怒るコーチだった。日本にきて、文化の違いをすぐに実感。日本人は攻撃的に怒ると心を閉ざす。自分のコーチングを変化させる必要があった。
現代では選手がコーチに質問をする事が正しい事だと思っている。昔はコーチの独裁的な世界だった。今は違う。
選手は指示を求めているし、尊敬を得なければならない。
滋賀時代に日本の教育システムを研究した。発言をする事は大事で、自信を与えなければならない。
常にコーチに従う必要はない。ゲーム中にはルールに背く判断をするシーンも出てくる。ルールではなくガイドラインを設定するようにした。
より選手たちに質問を促すアプローチに変更した。
選手が答えを出すのに時間がかかるが、学んだ教訓が持続して、ゲームにも生きていく。
今正しくなくても学ぶことが重要。自分がコーチとして良くなっていると感じる。
名古屋でGMにあなたはベンチでよく怒っていると言われたことがあるが、怒りではなく情熱だと答えた。

・長年バスケに人生を捧げて、バスケが好きで情熱を持っている。
選手が上手くプレイするのを見るのが好きで、選手が気付きを得る瞬間を見るのが好き。
例えばレイ。才能があるが、指導が必要な選手だった。
最初、厳しいコーチングで彼の自信を失わせた。しかし2週間経ち、彼はコーチの意味意図に気づき、とても良いプレイができるようになった。
選手たちは自分にどんどん話しかけやすくなっていると感じる。とてもいい事だと思う。
昔の選手から連絡があり、人生について相談される時は嬉しい。

・タイムアウトについて。
コーチと選手が話す時に重要なのは、どれだけ情報を記憶しているか。
練習前、ロッカールームで話しても、詳細を確認しすぎては選手は多くを覚えていない。
情報が多すぎる問題。タイムアウト時に1つに絞るようにした。最も重要な1つについて話す。1つに絞る事で選手たちはしっかりと覚える。
その上で選手たちに質問することもある。
不機嫌に問題を指摘することもあるが、だいたいうまくいかない。しかし感情を制御するのは難しい。
タイムアウトで大事なのは、今試合で最も重要な事は何なのかを考える事。
言葉の壁があるので通訳の時間も余分に必要。時間が短くなる。
その中でやるべき事が分かってきたが、
本当にフラストレーションが溜まる時があるから、その制御が難しい。
タイムアウトの様子を録画することがある。評価のために。
目で見えることが実際と一致しないことがある。
選手たちがタイムアウトに注意を払っていたかどうか、タイムアウトが効果的だったか、与えた情報がその瞬間に適していたかどうか。
大事なのは印象的なスピーチではない。
例えばディフェンスのカバーで不備があった時。原因が2つ前の別の選手のディフェンスが原因であることもある。
カバーできなかった選手が原因とは限らない。それが瞬間的には気づかないこともある。瞬間的に怒るのは避けなければいけない。どこにポイントがあったのか。
自分の態度がポジティブかネガティブかもチェックする。自分に対して厳しくチェックする。
タイムアウト時にチームの感情を読み取ることについて。
まずは選手の様子を見る。
時として選手が責任逃れをする事もある。ポジティブでなければいけないと言い、コーチが怒っていると言う。それを見極めて適切な指示が大事。

・オーストラリアやニュージーランドでも、高い位置からのディフェンスとトランジション、オフェンシブリバウンドに取り組んでいた。
オフェンシブリバウンドのタグアップについて。
トップの位置からスリーを打って、外れる時に、シューターはリバウンドに走り込んではいけない。リバウンドを取られた時に、速攻をくらうとイージーバスケットになる。
タグアップを選手たちが理解していくのが大事。しなくてもよいシチュエーションもある。
それは練習から反復し続ける必要がある。
シューティングドリルでも選手たちはタグアップと叫んでいる。

・日本人の空気を読む修正は重要なポイント。外国籍選手に注意が必要だとよく伝える。こちらが怒りすぎると心を閉ざす。共感したり、理由を説明する必要がある。
宇都宮でチャンピオンになった時に、信頼の重要性を学んだ。

・正しいスペーシングの練習をしている。
正しいスペーシングがあれば、ドライブからオープンショットが打てる。ヘルプディフェンスが発生したら、ディフェンスは1人で2人は守れない状況ができる。
ピボットの重要性の発言。ピボットの練習している。
判断を下すためのドリルを繰り返し行う。
プレイオフを引き寄せるための練習をしている。
片足でのジャンプよりもピボットが重要。よい判断を下すのは両足が付いている時。ターンオーバーも減らせる。

・アグレッシブなディフェンスをするチーム。ラインを上げる。
ターンオーバーを誘う。
ピックアンドロールに対して、ドロップディフェンスをするチームではない。
(トライアングル? フラットトライアングル?よく分からないが、ディフェンスでそれが重要との発言。アグレッシブのディフェンスには大事)

・ピールスイッチについて。
ボールがとのサイドからペネトレイトしてくるかが大事。
ストロングサイドからのヘルプになるとコーナースリーが空く。スイッチの距離が長い。
ストロングサイドからのヘルプはしない。
ボールをサイドラインにピン留めすることがディフェンス哲学。
逆のウィークサイドのディフェンダーがいつローテーションが必要かを認識する事が重要。
中央にボールが来た時に、それが良いシューターであれば、1番難しい。

・日本では上下関係の文化がある。しかし全員がリーダーのようであることを求める。それがチームに私が植え付けようとしている事。選手1人1人が理解をしている必要がある。
我々は進歩しているが、まだ時間がかかる。そして1人では出来ない。
もし私が常に怒っていたら、ただの背景の雑音になる。
プロのコーチで4年間同じチームにいたら、それは素晴らしいことで、かなりの成果である。

・私たちは勝利の文化を形成する。しかしただ試合で勝つだけでは勝利の文化ではない。
私たちは三菱電機に所属している。工場のそばで練習している。何百人もの従業員が駐車場を歩いている。選手たちの所有する高級車が停まる駐車場を。
最低賃金で働く人もいる。清掃員もいる。トレーニング環境を整備してくれる。
選手たちはそれを認識する必要がある。
そういう人たちがいるから、我々は好きな事をしていられる。
新人からベテランまで全ての人が、その文化を推進しなければいけない。
私たちにはアイデンティティとテーマ、そして文化がある。
それを3週間ごとに評価する。私たちはこれに応えられているか。それを異なる選手に運営させる。
それで、全ての選手が話す事に慣れていく。特に若い選手には挑戦。
短期の成功は望んでいない。優勝できたら幸運だが、それよりも次の年に続いていくこと、4年目に次のステップに進むこと。長期的なプログラムを作りたい。
人々が参加したいと思うプログラムを作りたい。離れたくないと思うプログラムを作りたい。
NBAのスパーズのようなチームを。

・選手たちは練習に来るのを楽しんでおり、ハードワークが仕事だと理解している。
彼らはどんどん上手くなり、責任を持つようになっている。今年のどこかで本当にうまく行くと確信を持っている。


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