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HSPのことをどう捉えるか?5つの視点から解説します。

こんにちは。宇賀神です。この記事では「HSP(Highly Sensitive Person)」の捉え方の種類について綴っていきます。HSPの事のみならず、何事も「言葉の捉え方」はそれぞれと思います。多岐に渡っているからこそ、情報や他人の意見に翻弄されたりするのではと思っています。僕自身がそうなので、僕のHSPに関するスタンスを文字に残していきます。

捉え方の種類(概要)

僕のHSPの捉え方は下記に分類しています。情報を見る時には、どの視点の情報なのかを理解した上で判断しています。

①エビデンスベース(論文・最新研究視点)

②提唱者ベース(エイレン・N・アーロン博士他専門家の臨床・神経身体学)

③主観ベース(日常に起こること、体感・経験からくる気づき)

④メディアベース(ネット・新聞・テレビ・SNS情報)

⑤専門家ベース(コンサルタント・カウンセラー・セラピスト目線)

下記で詳しく書いていきます。


①エビデンスベース(論文・最新研究視点)

HSPの概念は、日々研究されている分野となります。HSPが提唱されたのが1996年で、25年が経過します。日本でHSPの情報が本格的に広まったのが2020年からだと思っていますが、それよりもずっと前から、先人の皆様によって研究され続けているという事です。

研究内容や、論文については、難しい言葉で表現されがちなので、自ら情報を取りに行くハードルが高いと思っています。僕は文字をたくさん読むことは苦手です。でも、正確な情報は欲しいと思っています。

そんなHSPの最新研究や論文情報を上げてくれるサイトがあります。このサイトを立ち上げるためのクラウドファンディングを行っていた際、僕も応援させていただいたサイトをご紹介いたします。

東京大学・日本学術振興会特別研究員PDであり、環境感受性(HSP)を専門とする研究者である『飯村周平さん』が運営するサイト「Japan Sensitivity Research」です。(下記リンクからご覧いただけます)

noteでも飯村さんの記事がご覧いただけますので、こちらも併せてご覧ください。

HSPの「学術的・最新の研究の視点・エビデンスベース」な投稿をご覧になりたい方はご参照ください。飯村さんは、Twitterにて「#HSPの功罪」というハッシュタグで、研究者目線で発信もされていますので、紹介いたします。

https://twitter.com/Tokyo6Heart?s=20

また、HSP研究をしているマイケル・プルース博士が運営するサイトもチェックするようにしています。英語なので、Deep L等の翻訳サイトを駆使して見ています。


 ※マイケル・プルース博士は、発達心理学者であり、環境感度の理論に多大な貢献をしているだけでなく、感度測定の開発と検証に特別な専門知識を持つ環境感度の分野の主要な著者のお一人です。


②提唱者ベース(エイレン・N・アーロン博士他専門家の臨床)

HSPを提唱したアーロン博士の著書が続々と日本語訳されています。まずは、リンクでご紹介いたします。

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🟡敏感すぎる私の活かし方 高感度から才能を引き出す発想術 (フェニックスシリーズ:片桐恵理子 (翻訳):2020/08/20発売) ※『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。』(講談社、2000年)(SBクリエイティブ、2008年)の改訳版。

※今回の改訂版では「第9章:医療と薬とHSP」が加筆され、最新の研究内容のアップデートが必要と明記しています。


🟡ひといちばい敏感なあなたが人を愛するとき―HSP気質と恋愛(明橋 大二 (翻訳):2020/9/19発売)※世界15カ国で販売され、全米でベストセラーとなった『HSPinLOVE』の日本語訳版。

※この本にてHSS(High Sensation Seeking: 刺激追求型) についての詳細が記載されています。

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🟡ひといちばい敏感な親たち 子育てとHSP気質 (フェニックスシリーズ:片桐恵理子 (翻訳):2020/11/16発売) 

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どの本も400ページ前後あるボリューミーな内容となっています。あまりに膨大な情報量となるため、とっつきづらかったりもします。僕自身今だに頭の中が沸騰します。。。

詳細は下記に譲りますが、僕は「HSP外来担当」としてクリニックに入っているので、より詳細について理解しておく必要があります。

どんな経緯で、誰がどの視点で、どのような研究がされてきたのか?HSPが提唱されるまで一連のプロセス部分が全て書いてるので、僕にとっては「HSPの教科書」として活用しています。

一人で黙々と読むというよりは、たくさんのHSPさんと関わらせていただく中で、「この本の内容と繋がってるなぁ」と照らし合わせるときに本を開くことが多いです。(僕は本を読むのが苦手なので、いかに楽しく読めるかを意識しています!)

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※僕はこんな感じで、付箋を貼って必要な項目がすぐ見られるようにしています。

HSPがどのようにして提唱されるようになったのか?の根底部分が知りたい方は、とても深い内容となっているので、購入されてみると良いと思います。


③主観ベース(日常に起こること、体感・経験からくる気づき)

おそらく、一番多い形態が、HSP特性を「日常の体感・経験ベース」で発信することであると思っています。

HSPが提唱されるまでのプロセスを見ていくと、世界各国の脳神経学者、人間発達の専門家、大学教授、動物生態学等のさまざまな研究者の臨床結果を集めたものが、HSPということが分かります。

でも、僕が生きているのは日本社会の中です。文化背景や価値観が違うのもそうですが、実際に生きる「今」しか見ていません。今目にしていること、触れていること、感じることが全てです。なので、日常に起こることや体感・経験に紐づくことでしか、ピンとこないと思うのです。

僕のHSPとの出会い

HSPが提唱された1996年といえば、僕はまだ8歳。その当時はHSPの情報がないので、気づくことができないのは当然です。

では、僕がなぜHSPのことを伝えているのか。それは、今まで抱いていた「孤独感・閉塞感・しんどさ」の根本原因が明確になったからでした。自分の特徴を知ることによって、すごく楽になったからでした。

HSPのことを深く学ぶきっかけとなったのは、HSP/HSC才能発掘プロデューサー・国家資格キャリアコンサルタントの皆川公美子さんです。(詳細は、下記リンクからご覧いただけます。)

「だって、HSPは才能だから」

そんな公美子さんのお言葉が響いたから、公美子さんの元で学ぼうと決断ができました。

僕が初めてHSPという言葉に出会ったのは、2017年の11月。心理学を学んでいる最中だったので、東京のある書店に本を見にきていました。その時心理学分類の棚を見ていたときにある本が目に止まりました。

🟡鈍感な世界に生きる 敏感な人たち (Highly Sensitive Person (HSP) ) (心理療法士イルセ・サンのセラピー・シリーズ:2016/10/22発売)

清々しい青の背景。帯に書いてある内容に一気に引き込まれるように購入しました。実際にチェックリストを行った結果、全部当てはまっていた僕はその時、「HSP...なのかな?」と思うようになりました。

そこから、「HSP」のことをネット検索したときに出会ったのが、公美子さんのブログだったのです。公美子さんの記事「HSPさんへのまとめ記事」は、2016年より3000名以上へのセッションやセミナー講演等で出てきた傾向をもとにまとめられています。

初めて公美子さんのブログに出会って2年間ずっと、ことあるごとに記事を見ていました。特にまとめ記事は、公美子さんの想いが詰まった集大成であると感じています。

公美子さんが主催している「HSPメッセンジャー講座ベーシック」に参加したのが、2019年11月下旬でした。初めてHSPという言葉を知ってから、参加するまで2年間もかかったのには理由がありました。

それが、僕自身が持っていた固定概念や捉え方

男は強くあるべきである⇨繊細・敏感であることは弱いこと⇨男は繊細・敏感であってはいけない。そう思っていたからです。

HSPはHighly Sensitive Person=とても敏感な人と直訳をされるように、「敏感」とか「繊細」という言葉が出てきますね。

僕が「敏感・繊細」という言葉を見ただけで、全身が震え、拒否反応が起こっていたんです。それが上記で言った固定概念からきていると気づいたんです。

エアコンのそよっとした音、電車満員電車内で新聞ページを変えるときにでるカサカサした音、隣の2〜3人のゴニョっとした声、ものが落ちた時のコツっという音。白熱灯の強い光。セーターのチクチク。仕事帰りの電車内に漂うお酒の匂い。

挙げたらキリないですが、それらの感覚の敏感性が全部嫌でした。他の人は全く気にしていないことが、僕は気になってしまう。一人だけ冷や汗かいて、全身が震え始めて... 駅1区間も乗っていられないくらいしんどかった時もあった。

物心ついた時から、なんか周りとは違う感じがしていました。考えていることが友達と全く合わなくて、一度意見した時には場が凍りついていた。「お前めんどくさいな」と何度言われていたことか。

そんな経験から、頭ではHSPを深く学びたいとは思っていても抵抗があったんです。

でも公美子さんの「だって、HSPは才能だから」というお言葉に深く救われた気持ちになりました。そこから、その当時は男性が1人もいなかったけれど、HSPのことをリアル講座で学んでみよう。そう決断したのです。

上記で記載した主観的体感や経験を、HSPメッセンジャー講座内で話してみたんです。心臓がバクバクしながらも、「この場なら大丈夫かも?」と思えたから。

そうしたら、皆さんが首がもぎれるんじゃないか?と思うくらい頷いてくれて。共感してくれたんです。人生で一度もそんな反応を見たことがなかった(あったかもしれないけど見た記憶がなかった)ので、驚きと同時に、すごく嬉しくなりました。

「分かり合える場所に出会えた...!」そう思えたんです。

ただ、主観を言うだけではなくて、なぜそんなことが起こるのかを講座内で深く学ぶことができた時。腑に落ちました。

それは、感情論ではなく、身体論であるということ。(神経学ということ)

敏感性・繊細性を持つ人間は、これまでも、そしてこれからも繁栄するために一定数いるということ。同じような人間がいるということ。(男性:女性=1:1。生物学的に、100種類以上の動物も同様、敏感種は2割ほどいるということなど)

そして、敏感性・繊細性は、「神経生物学的・先天的・遺伝的」要素+「発達性トラウマ・愛着形成・ビリーフ(思い込み・信念)」で出方が変わるということでした。

僕自身のHSPの捉え方について、詳細をこちら🔽に記載しています。

こんな感じで、一人一人HSPに対する捉え方は違うと思います。

少なくとも、僕自身はHSPのことを深く知ったことで、引っかかっていたものが取れて、自分の特徴を自分で理解できるようになりました。人間関係や仕事のあり方が大きく変わりました。そして、僕という人生を自分で舵取りしながら過ごせるようになりました。

こうした一人一人の日常で起こることや体感・経験の視点が一番わかりやすいと思っています。なので、TwitterやYoutube等では芸能人や有名人の方々をはじめとして、さまざまな視点で発信されるようになったと思います。

僕はこうした主観ベースも大切にしていきたい。そう考えています。


④メディアベース(ネット・新聞・テレビ・SNS情報)

一番影響力の大きい場所。一番情報が拾いやすいプラットフォームが、各メディアかと思っています。僕自身も情報取得する視点として、いろんな方の動画や記事を見るようにしています。例えば、

🟢中田敦彦のYouTube大学より 【繊細さんの知恵袋①】仕事や人間関係の悩みが軽くなる知恵(2020/11/10配信)

🟢ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんのYouTube(2020/09/29配信)

🟢HSPアドバイザーココヨワチャンネル リョウタさん(HSPメディアに特化した方で、一番登録数が多いと思っています)

また、HSP専門のカウンセラーさんの活動もメディア露出を通して紹介されています。

🟢HSP専門カウンセラー武田友紀さんインタビュー記事(2021/02/01)

https://www.minnanokaigo.com/news/special/yukitakeda1/

武田さんは「世界で受けたい授業」にて2度講師としてHSPについてお話しされている方でもあります。

武田さん著書の「繊細さん」の本紹介の動画🔽


🟢HSP専門キャリアコンサルタントみさきじゅりさん(日本人初アーロン博士HSP専門家プログラム修了している方です)

ほんの一部の紹介となりましたが、さまざまな方の発信を容易に視聴することができます。

僕がどんな情報を選択しているか、という話をさせていただきますと。「発信者がどんなスタンスで、どんな思いで、どんなバックグラウンドで」HSPを発信しているかを見ています。

上記は、それが僕視点で明確な方をピックアップしています。

どう明確にしていくか?については、

しっくりくるか否かで決めています。

僕の場合ですが、HSPのことをビジネス視点で伝えているのか?心から伝えているのか?などを目にした瞬間に察知します。たくさん情報を見る中ですぐに感覚疲労が起こってしまう特徴があるので、初めにパッと見た印象で詳しく見るかを選択していきます。また、その時の体調だったり、興味のある内容に沿ってみたり、あえて見なかったりを決めていきます。

誰を選択するかは「主観」の要素が大きいと思います。特にメディアは、一つの視点を切り取って配信される特徴があると思います。

僕自身もこうして発信する中で、同じ価値感や方向性の方へ届いたらいいなぁ、と思いながらパソコンに向かって文字を打っています☺️

僕はこうしてHSPのことを「全体俯瞰」目線で見ています。


⑤専門家ベース(コンサルタント・カウンセラー・セラピスト目線)

上記で少し触れましたが、僕は2021年1月より、クリニックの「HSP特別外来担当」として現場に入り、クライアントさんと関わっています。その経緯はこちら⏬

僕の一番のスタンス軸は、カウンセラー・セラピストとしての立ち位置です。

HSP外来を担当している理由と、具体的にセッション内でそういうことをしているかは、下記ブログでまとめています。気になる方は下記ご覧ください🔽

各情報の信頼度やイメージをまとめるとこんな感じであると考えています。

・研究者         :最先端の1次情報

・医師・医療従事者    :現場の最前線

・カウンセラー・セラピスト:現場と医療の中間に位置

・一般の投稿や情報    :個人の主観的視点

どの位置にいるかで、どんな言葉が使われるのか、どんな視点かが大きく変わっていきます。

僕が一番意識しているのは、各視点を隈なく理解し、目の前の方(クライアントさん)にとって、どの視点で関わったらいいのか、ということです。

僕がクリニックと連携して、HSP外来を担当している大きな理由の一つとして、横連携ができることが挙げられます。

医療現場で対応しきれないところを、僕が担当できること。逆にクライアントさんと関わる中でフェーズが変わった段階で、他の担当(医師・機械治療・温灸・他セラピスト・各種外来等)へ引き継ぎができること。

そんな体制が図られていることが大きいのです。今の医療業界のイメージとはかけ離れた新しい仕組みであると思っています。これからもカウンセラー・セラピストとしてできることを広げていきたい。そう考えます。

今の日本社会では、カウンセラーやセラピストのイメージがまだまだ曖昧なところがあるなと僕は感じています。僕自身は、歯が痛くなったら歯医者に行くのと同じように。心が痛くなったら心理セラピーを受ける。それくらい当たり前になったらいいなぁ、と思っています。

カウンセラー・セラピストの役割は、クライアントさんの「今起こっていること」をフォーカスすること。その出来事に紐づいた背景や気持ちや捉え方の部分を明確にすること。
そして、置いてけぼりにしていた「未完了の感情」を消化し完了させること、と考えています。

今までしんどいと思っていたことが、気にならなくなったり。嫌だと思うことが好きになったり。違和感を抱いていたことがしっくりきたり。こわばった顔が一気に緩んで笑顔になったり。

そんな変化を見るのが、僕にとっての喜びです。

これからも僕は一セラピストとして活動していますので、これからもその1視点をお届けできればと思います👍

最後に

この記事では、5つの視点からHSPの捉え方について書きました。いかがだったでしょうか?HSPの捉え方について、確固たるものがない今の状況を踏まえて、僕視点でつづっていきました。

この記事をご覧になって、ご意見やご感想あれば、コメント等で教えていただけたら幸いです☺️

また、HSPさん向けへ個人・グループセッションを実施しております。ご希望の方は下記詳細ご確認の上、お問い合わせください。

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長文お読みくださり、ありがとうございました。

また書きます。

宇賀神

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