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五感を使う

対話というと、声が聞こえるイメージがある。でも、実際は沈黙も対話であるのかもしれない。黙っているけど同じ場所にいる、でもお互いに何かを感じている、それも対話なのかもしれない。

写真 東京都 新宿御苑

対話は言葉の交換だけではないと思うことがあります。

地域の高齢者向けの場を作っているときに、その場所の参加者に「この場は何もしなくてもいいからいい。」ということを言われました。何かするために集まる場ではなく、定期的に、目的もなく集まり、何気ない会話をする、何もしなくていいので、逆に楽しい、とお話されていました。

その時に思ったのは、ただ集まって、同じ空間を共有するだけでも対話になっているのかもしれないということです。対話の場では、自分の中に湧き上がってくる感覚・感情を言葉に出します。しかし、その「出す」という作業は、言葉だけではないのかもしれません。その人のちょっとした行動、気配の変化でも相手に伝わることもあるかもしれません。

また、喋っている言葉と本当に伝えたい言葉は違うのかもしれません。なにげない日常会話でのあるちょっとした行動や気配が本当に伝えたいことかもしれません。対話では、言葉だけでなく、五感を使って感じることで、相手から発せられること、その場で起こることを感じることができます。言葉以外の形で自分の感じたことを外に出す、他人から発せられた言葉以外のことも、言葉と同様に、テーブルに並べて、眺めることで、よりもより多く意味の流れを見つけることができます。そのことは、対話をより豊かな時間にします。

言葉だけでなく、五感を使って対話をすることができれば、対話はより豊かになります。

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