コロナショックがあぶりだす、お金の本質

●初めてこのnoteを見た方へ

こんにちは。
大手金融機関に勤務しつつ、noteやtwitterで相場、経済について情報発信をしている上沢央(うえさわ おう)と申します。
こちらのnoteに自己紹介を書いたので、よかったら読んでください。

「なぜ一生懸命働いているのに、お金の不安が尽きないのか?それは『お金がないから』ではなく、『お金の知識がないからだ』」

https://note.com/uesawaoh/n/nbc1d8ddc4d18

今回はこの記事の内容から一歩踏み込んで、「何のためにお金を稼ぐのか?何のためにお金を貯めるのか?」ということを考えてみたいと思います。
このnoteにたどり着いた方ならきっと楽しんでいただけると思います。

●「働く」って何?

突然ですが、質問です。
「働く」って何でしょう?
「お金を稼ぐ」ってどういうことでしょう?

私達は、毎日、額に汗して働いています。
それでどうにか収入を得て、生計を立てる。
これってどういうことなんでしょうか?

よく私達は、
「こんなに働いたのに、この給料じゃあやってられない」
とか、
「先月は●時間残業したのに、残業代がつけられなかった」
と、嘆いてしまいます。

逆に言うと、
「こんなに我慢して、こんなに長く働いたのだから、たくさんお金が欲しい。」
って思ってしまうんですね。

お金を稼ぐことは
「頑張ること」「我慢すること」「長く働くこと」
の対価だと考えてしまう。

でも、(厳しい言い方ですが、)こう考えるのは間違いです。
「お金を稼ぐこと」と「頑張ること」、「我慢すること」は(あまり)関係ありません。

じゃあ、お金を稼ぐことって何でしょう?
働くってどういうことでしょう?

例えば私はプロレスが大好きで、高いチケットを買って会場に足を運んだりします。
そのチケット代が、巡り巡ってプロレスラーの収入になります。
これって
「プロレスラーが痛いのを我慢してプロレスをしているからお金を稼げている」
というのとは違いますね。
「プロレス観戦は、私にとって(エキサイトできる、ストレス解消になる等)『価値』がある。だから、私はお金を使うし、レスラーはお金を稼げる」
というのが正解です。

お金というのは、世の中に与えた「価値」の代償です。
大雑把に言うと、あなたが世の中に沢山の「価値」を提供すれば、その分沢山のお金を手にすることができるはずです。
「働く」とは世の中に価値を提供するために、知恵を絞ったり、体を動かしたりすることなのです。

●コロナショックがあぶりだすお金の本質

「お金とは、世の中に提供した価値の代償」
「世の中に価値を提供するために知恵を絞ったり、体を動かすのが労働」
これはとてもシンプルな原理です。

そして、働く人々が世の中に提供する価値には、実に様々なものがあります。

トヨタや、東芝といった製造業の企業であれば、車や家電といった「製品」がメインの価値になります。

ディズニーランドやUSJのように、「楽しい時間」とか、「エンターテインメント」という価値を提供する企業もあります。

国家公務員であれば「国民が安心して生きていける様々な仕組みやサービス」という価値を提供しています。

そして、世の中に提供する価値が大きければ大きいほど、沢山のお金を受け取れます。

例えば、美味しいラーメン屋さんは、まずいラーメン屋さんより提供できる価値が大きいので繁盛します。

人通りの多いところに店を構える飲食店は、誰もいない田舎にある飲食店より沢山の人に価値を提供できるので、繁盛しやすいです。

ここまではとてもシンプルです。
でも、コロナショックの中で、世の中を見渡すと、ちょっと違う景色が見えて来ませんか?

例えば、感染拡大防止のため、多くの飲食店が営業自粛に追い込まれました。
当然、営業自粛中は店の売り上げはゼロです。

いくら美味しいラーメン屋さんでも、どんなに楽しい時間を過ごせる居酒屋さんでも、売り上げはゼロ。

どれほどの価値を提供できるとしても、お金は1円も入ってこないのです。

一方で、私には国家公務員の友人が何人かいます。
彼らの得るお金(給料)は、コロナショック前と別に変わりません。
もちろん、きちんと仕事をして、国民に価値を提供しているので、給料が減らないのも当然です。

でも、これって少し不思議じゃないですか?

美味しいラーメン屋さんが提供する価値って、本当にゼロなんでしょうか?
国家公務員の提供する価値って本当にずっと一定なんでしょうか?

ここから考えないといけないのはこういう事実です。

「実際に受け取るお金の量は、『世の中に提供した価値』と『立場やポジション』の両方で決まる。」

例えば美味しいラーメン屋さんは、「世の中に提供した価値」でいうと大きいです。
だって美味しいんですから。
でも、「立場やポジション」でいうと、残念ながら、コロナショックの中ではとても弱い。
美味しいかどうかは関係なく、飲食店という立場がある以上、営業自粛、収入ゼロに追い込まれてしまうのです。

国家公務員の友人は、コロナ前もコロナ後も同じく世の中なら価値を提供してくれています。
そして、「公務員」という立場から、コロナ前もコロナ後も同じ給料を受け取っている。

私達が稼ぐお金は、「世の中に提供した価値」と「立場やポジション」の両方で決められるのです。

●お金を貯めるシンプルな理由

そうすると、私達が貯金をする理由も明らかになってきます。

今の私の立場は
「金融機関に勤務するサラリーマン」
です。

この立場と、世の中に提供する価値(金融仲介機能、信用創造機能、決済機能等)の対価として給与を受け取っています。

今、人事異動で、ものすごく嫌な人が上司になったとします。
私は会社を辞められるでしょうか?
辞められなくはないですが、ものすごく迷うと思います。

何故なら「金融機関に勤務するサラリーマン」という立場を失うから。

そりゃ、会社を辞めた後も世の中に価値を提供して稼ぐ努力はしますよ。

他の企業に勤めたり、こうしてnoteで情報発信をして、世の中に価値を提供していこうと思います。

でも、「金融機関に勤務するサラリーマン」という立場を失うと、稼ぐ力は半減してしまう。

「立場やポジション」によって収入に格差ができてしまうコロナショックを目撃した分、会社を辞める等の「立場やポジションを失う決断」はハードルが上がってしまいました。

でも、ここで充分な蓄えがあったらどうでしょう?

例えば、私に1000万円くらい貯金が有れば、「立場やポジション」を失ってもしばらくは大丈夫そうです。

家族を養いながら、しばらくは暮らせるし、その間に再就職する等して、新たな「立場やポジション」を手に入れれば良い。

会社でパワハラやセクハラにあった時
自社が不正や反社会的な行為を行なっていた時
充分な蓄えが有れば、そんな会社はやめてしまえば良いのです。

逆に言うと。蓄えのない人間は、嫌なことがあっても、「立場やポジション」にしがみつかないといけない。

これが、私達が貯金をする理由です。

●いくら貯めれば安心?

では、具体的にいくらの貯金があれば安心でしょうか?
これは、一概には言えません。

その人の事情で必要な金額が変わるからです。
結婚しているか?独身か?結婚しているとして、共働きか?
子供はいるのか?
持ち家か?賃貸住宅か?
生活費はどのくらいかかるか?
今後どのくらいの出費が見込まれるか?
こういったことを丁寧に見ていかないと、適切な貯金額はわかりません。

私は個人的には、一年分の生活費を貯金しておけば安心かなと思っています。
一年くらいあれば、仮に会社を辞めたとしても次の勤務先を探すのに充分だと思うからです。
また、万一怪我や病気で多額のお金が必要になっても、一年分の生活費があれば大抵間に合うと思うのです。

ですが、この辺りの感じ方も個人差があるものだと思います。
私の感覚が正解だと言うつもりは全くありません。

また、私はマーケット関係業務をしているので、こんなことも気になります。

「インフレ下では、銀行預金等の実質的価値は目減りしてしまう。今、仮に100万円の貯金をして、『これで安心だ』と感じたとして、今後インフレが起きるとこの金額で安心できなくなるかもしれない。」

(詳細な説明は省きますが、インフレとは「物の値段が上がること」。100万円の車が、インフレ下で来年110万円に値上がりすると、貯金が100万円あれば、今年は車が買える。来年は買えない。つまり物の値段が上がった分、貯金の価値が減ってしまうのです。)

「いくらの貯金があれば安心か」
という疑問に答えるには、自分の生活スタイルや家族構成等の他、インフレ・デフレ等、経済知識がないといけないのです。

●もう一度、知識、情報について

お金とは、「世の中に提供した価値の対価」。
ただし、実際には、「立場やポジション」によって受け取れる額が変わります。
逆に言うと「立場やポジション」を捨て去る時(会社を辞める等)は、一旦収入が減ったり、途絶えたりする覚悟が必要です。
そのために、ある程度の蓄えがあると有利になります。

「ある程度」とは具体的にどのくらいか?
10万円か?100万円か?1000万円か?
それは「正しい情報」や「知識」から各自が算出するしかないのです。

ここで、前回書いたnoteと同じ結論に行き着きます。

「なぜ一生懸命働いているのに、お金の不安が尽きないのか?それは『お金がないから』ではなく、『お金の知識がないからだ』」

https://note.com/uesawaoh/n/nbc1d8ddc4d18

今、私達の暮らす世の中は、経済はどう動いているのでしょうか?
インフレに向かっているのでしょうか?
デフレに向かっているのでしょうか?
元本保証の預貯金が有利な情勢でしょうか?
それとも、株や外貨預金等、投資を始めるチャンスなのでしょうか?

こういうことを判断するには、正しい情報、お金の知識が不可欠なのです。

私のnoteやTwitterでは、こうした情報、知識を紹介していこうと思います。

「そもそも投資って何?」「インフレって何?」
という基礎的な知識から、
「今週の株価がどう動いて、どんなことに注目して投資をすれば良いの?」
といったタイムリーな情報まで。

どこよりもわかりやすく紹介していこうと思いますので、良かったら今後もお付き合いください。

最後までお読みいただきありがとうございました。
上沢央でした。

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