_ワイルドライフ_パブ写真

『ワイルドライフ』このビジュアルの意味がわかる瞬間、ポール・ダノの意図にハッとする 公開中

原題:Wildlife  ★★★★☆

俳優ポール・ダノの初監督作品。1990年に発売された同名小説を基に、脚本をパートナーでもあるゾーイ・カザンと共同執筆。

事前に、なかなかしんどいお話と聞いていたので、心して見ました。

俳優が自ら撮ると、しんどい話になりがち説、あると思います。

1960年代のモンタナ、仕事が長続きせず、各地を転々としてきた一家の父ジェリーが、命の危険が伴う山火事の消火隊として働くように。それをきっかけに結婚生活が破綻していく夫婦の姿を、14歳の息子の目線から描いています。

キャリー・マリガンが孤独と寂しさから変容していく妻を好演し、ジェイク・ギレンホールもまた、思うようにはならない人生で葛藤を抱えた夫を繊細に演じています。

すれ違う両親たち、だんだんと壊れていく母親を、息子の視点から見つめていくことが実につらい。

この少年に、いつのまにか感情移入してしまうのです。

親とはいえ、大人になり切れていない大人たちではあります。決して人様のことはいえませんが、子どもにあんな思いはさせないで…。

なんて思いつつも

ポール・ダノがまず書き、ゾーイ・カザンが手を入れて、さらに彼が書き直して、を繰り返してできあがったという脚本。救いの見えるラストに唸りました。

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