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あなたは何を「深く」学びたいですか?

大変僭越なのですが、勤務先で教務委員長代理としてゼミ選びのお話をしなければならなくなったので、ここにその原稿、話す内容の大筋を書いておきます。

ゼミ・研究室選び

とっても大事です。このゼミ・研究室選びで「あなたが何を深く学ぶのか」それが決定するといっても過言ではありません。

何となく

誰かにやりたいことを見つけてもらう

そんな受け身の姿勢はもう終わりです。

何を「深く学びたいのか」

それを決める時期が来ました。

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経営情報学部に入って1年半

様々な科目を取ってきたと思います。経営、総合政策、観光マネジメント、データサイエンス、英語、その他の全学共通科目。

あなたは何に興味を持ちましたか?

その事を考える時です。

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そもそも大学で学ぶ意味は何でしょうか?

大学という組織の歴史は古く最古のボローニャ大学は1088年、オックスフォード大学1096年、サラマンカ大学1134年と11世紀から大学は存在しました。そして日本最古の大学は東京大学1877年です。*大学の創設年は諸説あります。

もちろん、今とは形態は異なりますが、学問の拠点であったことに変わりはありません。在野ではなく大学という中で学問する意味は何でしょうか?どのように考えたらよいのでしょうか?

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大学は束縛されず、自由に思考できる場所です。そして利害関係なく実験的な試みが出来るのも大学の魅力です。

自由であること

それが大学のアイデンティティであり、それが失われたとき、大学は大学ではなくなり、どこかの所属の研究機関となるでしょう。

社会に出たら、組織の規則に従わなければなりません。そして組織のオーダー(命令)に応じた行動が求められます。

もちろん、フリーランスという手段もあるかもしれませんが、それでもクライアントの依頼に応じなければならないのは同じです。あらゆるプロフェッショナルであってもこの点は変わりません。

だからこそ、この自由な空間で学ぶ、実験的なことを試みる、ということに大学の価値と意味があるのです。

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ゼミ・研究室選びの基準は何でしょうか?

教員の人柄、研究分野、教育・活動方針、研究室の雰囲気、様々あるでしょう。

一番大事なのはこれらの要素が、自分がやりたいことと合っているか?そのことを考えなければなりません。

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あなたと教員の関心事

これがどこまで合っているか。

そのことを注意深く観察し、考えなければなりません。

これはあなたの基準です。

誰かの基準ではありません。

友達が言っていたから、

ではないのです。

あなたが何を学びたいか?

その問いかけを忘れてはいけません。

ゼミ・研究室には定員があります。

全員が希望通り行けるわけではないです。残念ながら。

出来る限り多くの教員を知り、あなたとやりたい事が合致している教員をリストアップしていくことが必要でしょう。

ですが、あなたのやりたい事は変える必要はありません。

なぜならば、あなたがやりたいことは、『あなたがやる』のであって、教員がやるのではないからです。

雰囲気に流されずにあなたが学びたいことを考えて、行きたいゼミ・研究室を慎重に整理していきましょう。

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大学の4年間は、社会に出て、主体的に思考し、行動するための準備期間です。

1年生の時は卵です。そして2年生になってようやく歩き始めて、ようやく色々なことが分かってきた、というところではないでしょうか。

3年生、4年生のゼミ・研究室の活動を通じて、「あなたのやりたい事」はますます明確になり、主体的な学びが引き出されていくでしょう。

そのつもりで学んでください。

教員に何かをやってもらおう。

そうした受け身の学びではなく、「あなたが何を学びたいのか」それが問われているのです。

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道は間違えることはあります。ゼミ・研究室の選びにも失敗はあります。その時に支援するのも教員です。指導教員だけでなく他の教員に相談する勇気を忘れないでください。

決してあなたは一人ではない。教員はいつでもあなたちを助ける手を差し伸べることが出来ます。しかし、あなたたち自身が手を伸ばさない限りは助けることは出来せん。相談する勇気を忘れないください。

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色々と難しいことを言いましたが、「楽しむ心」を忘れないでください。楽しむ心こそがイノベーションを生みます。

「人間活動の本質は遊びであり、文化の根源には遊びがある」

オランダの歴史文化研究者のヨハン・ホイジンガの言葉です。

楽しむ、遊び心がなければ、人間活動ではない、私は常にそう思っています。

あなたたちはまだ「なにもの」でもないかもしれません。ですが、それは無限の可能性を秘めているということです。

自分自身の可能性を考えるとワクワクしませんか?

充実したゼミ・研究室選びを。

迷った時は、道を誤りそうなときは、いつでも相談してください。

誰かにしゃべることで、語ることで悩みが整理され、解決することもあります。

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