倫理観と自律性

さてさて、これまで自律性の重要性について考えてきました。倫理観との関係を考えていきましょう。

倫理的に行動するためには自律性はどのように作用するでしょうか?

倫理的な行動とはなんでしょうか?

意外なことに「倫理的な行動」とは何か?ということについて明確な定義はないように思われます。

そもそも倫理という事が非常に定義しにくいものだからです。

非倫理的な行動についてはいくつか記事が見つけられます。


または上記の様な倫理諸則を定めている場合もあります。会社としてはオラクルはきちんとこの辺りを明文化していますね。

専門職内の団体、会社内においてこうした倫理規則を定めていたとしてもそれだけでは不十分でしょう。内在化の理論に結び付けて考えれば、それを単に「受け入れ」るのではなく、「消化する」、もう少し具体的にいえば「理解して自分事化」するプロセスがなければなりません。

倫理規則は時に「上からの統制」になってしまいがちですが、それをどのように内在化し、自律的に機能するようにすればよいのでしょうか?

これは難問です。なぜならば、規則はその組織にいる人間は従わないといけないものであり、選択の余地がないからです。

ただし、倫理規則の多くは、包括的で常識的な事しか、書いていないと思うので、倫理規則に準拠すること事態に大きな問題はないかもしれません。

とすると、個々の倫理規則に対する解釈、考え方が重要になってきます。すなわち、個別に非倫理的な行動のケース検討、倫理的なジレンマ状況を想定したトレーニングが必要なことは明らかでしょう。

倫理的行動においては、自律性が深くかかわってくるでしょう。なぜならば、倫理的行動とは、最終的には「何が正しくて、何が間違っているのか」ということを自分自身で判断していかなければならないからです。個人の価値観が問われますし、時に組織の不利益になる行動であったとしても、それを実行しなければならないことがありえます。

倫理規則を単に受け入れるだけではなく、それを個人の価値観の中に落とし込んでいくプロセスが重要です。それは自律的な人間でなければできないことでもあるでしょう。

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