旅とホスピタリテイ 第2話

この話を書いている人


 旅が趣味。
元客室乗務員、現在客室乗務員希望の方々を教える立場になって、29年目。
旅に出ると、どうしてもそのサービス、接遇、おもてなしが気になり、
分析して、Noteに書くことを趣味としている。

何かのお役に立てたら幸いです。


ある接客で、新人が成長するポイントを考えた

第1話で登場した、残念な30代男性レストランスタッフを見て

思ったことがありました。


焦っていて、余裕がない。

アイコンタクトも取れない。

笑顔がない。

お客様を見ないで、目の前の仕事をこなすことを
考えている。

この方の様子を見て、ふと思い出しました。


「私も、客室乗務員新人時代、そうだったじゃない!!」

と・・・

ノロマなカメで、(スチュワーデス物語引用)
仕事ができなかったため、先輩に怒られまくって
いました。


そのため余計に焦ってしまって、
動作もぎこちなく、笑顔は引きつっていたと
思います。


だからこそ、この男性の方の気持ちはわかるのです。

ということは、私が新人時代に接したお客様たちもきっと
私が感じたことと同じように感じていたんだろうな、と
思うと、とても申し訳ない気持ちになりました。

何かが違う

でも。

でも、やっぱり引っかかるのです。


「私は彼と同じではないと思う」

のです。

それを考えてみました。


確かに、私は仕事ができなかった。


確かに私はいつもドタバタしていた。


確かに私も笑顔は引きつっていた。

でも、


「私は先輩たちにガンガン怒られて、怒られたくない
ため、なんとか先輩たちから言われたことを、
全てできるようにしなければならない、と思って
素直に聞いていた」

と思うのです。


先輩たちに逆らったことはありません。

だって、先輩たちの指摘は全て正しかったから。

余計なことで怒られなかったから。

私ができていないことだけ、怒られたから。


質問すれば、ちゃんと先輩たちは答えてくれたから。


でも、この30代の男性には誰も言う人がいないと思います。

20代の女性スタッフは、彼よりも立場が下なので
上司にいうことなんてできません。

仮に、この方の上司がいたとして、果たして彼に
注意をするだろうか?


と考えました。


「多分、注意しないだろうな」

それは

「素直に聞いてくれない気がする」


のです。

私の印象だけでいうのは、申し訳ないのですが、
彼がもし新人時代からちゃんと素直に周りの
人の言うことを聞いていたら、きっともっと
仕事はできるようになり、笑顔で接客して
くださっていたでしょう。


仕事も好きになっていたでしょう。


どうしたら感じの良い接客になるのか


つまり、


①「素直に上司の言うことを取り入れる」からこそ
「仕事ができるようになる」

② 「仕事ができるようになれば、仕事はさらに楽しくなる」

③「お客様に、その楽しさが伝わってお客様も良い
気分になる」


この順番なのではないでしょうか?

と言うことは、

「新人が成長するポイントは、素直さ、素直さだけでいい」


と思ったのです。


「そんなの知ってるよ」

と思った方もいらっしゃるでしょう。
私も、成長するのには素直さが必要、とは
思っていました。


でも、この方を見ていて、改めて思ったのです。


簡単なことです。

シンプルなことです。


でも、自分のできなさを素直に認め、
相手の言うことを受け入れるって難しい、と
思うひとは、たくさんいるなと思いました。

簡単です。


シンプルです。


素直になるのは。


たった一つだけ、

「自分の成長意欲>自分のプライド」

が成立すれば、です。

若い人も、中堅も、ベテランも、全ての人が
忘れてはいけないことではないか、と自戒を込めて
書きました。


第3話に続きます。


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