呼吸

呼吸を制する者は運命を制す

日常において、呼吸を意識することはあまりないかもしれない。わざわざ気にしなくても、身体は勝手に吸って吐いてを続けてくれる。

走ったり泳いだり踊ったりと、ジムなどで身体を動かす習慣のある人は、多少は呼吸に注意を向けているだろう。ヨガや武道をやっている人ならば、その重要性を日々実感しているはず。瞑想や座禅などはまず呼吸ありきだ。

精神を調えるためには、呼吸を整えなければならない。ヒトがこの世に生まれ落ちて初めてすることは、胎内から押し出され肺に入り込んだ空気を使って高らかな産声をあげ、呼吸を始めることだ。我はここにいる!という誕生の表明。すべては呼吸から始まる。

ヒトの身体は、生命維持のために本人の意思とは関係なく24時間休みなく活動している。自律神経が循環器・消化器・呼吸器の働きを司り、内臓を動かして血液循環や体温の調節・消化と排泄や生殖・免疫などの機能を無意識に調整してくれる。何も考えていなくても身体はオートマチックに制御されていて、その点においては干渉の余地などない機械のようなものだ。

そんな自律神経系のなかで、ヒトが自分の意思でコントロール可能な唯一の働き、それが呼吸である。

無論、意識をしなければ、何か異変が起きない限りは他と同じように自動制御されたままで、あえて呼吸を気に留めることもないだろう。起きて、1日をすごし、眠る。波はあるものの、基本的には大きく変わりのない毎日が訪れ、つつがない日々が送られる。

呼吸が乱れるのは、体調を崩したり、精神的に緊張したり、病に倒れたり、または反対に心が踊るような喜び事があったりなど、何かしら生活に変調をきたした時だ。変化が訪れ、生活が、さらに言えば運命が動く時、呼吸が変わる。

どうだろう、自分の力ではどうにもできず、こちらの思惑など一切通用しない、ただ流れに身を任せて従うしかない「自律神経の働き」と「運命」の姿は、限りなく似ていやしないか。

ならば、意識的に呼吸を行い自律神経をコントロールすることで、逆に運命にもアプローチすることが可能なのではないだろうか。深い丹田呼吸により腸では幸せホルモンと呼ばれるセトロニンが分泌され、それが脳に伝わり幸福感ややる気が高まり、同時にストレスなどの浄化が行われる。自律神経のバランスが取れた、精神的に良好な状態を作り出せば、同じように運命のリズムも穏やかで幸福に満ちたものになると考えられる。

呼吸を操るのは簡単だ。道具も手間もお金も、何も必要ない。ただ意識を向ければ、意識を向けて集中すれば思い通りに操れる「運命」を、自分の意思の力でより満たされたものへと変えるために、まずは深呼吸から始めていこう。


(呼吸法について参考・転載)

https://cocoromi-cl.jp/knowledge/other/selfcare/breath-control/


お福分けのひとしずくをありがとうございます!この波紋を大きく広げていきたいと思います。