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パリジェンヌたちの間で密かに人気の日本の雑誌!その理由は…

FIGARO、ELLE、CLEA、FUDGE…、日本のパリ特集の雑誌は年に3、4冊は出版されているのではないでしょうか。最近はdマガジンというアプリで、デジタル版で読むようになりましたが、以前は、毎回出る度に買っていました。dマガジン、海外在住の方々、日本の雑誌がすぐに読めてオススメですよ!気になった記事はスクリーンショットで残していけるので、場所も取らないですし。
さて、パリ特集。とにかく情報が多いので、どこが特にいいのかをフランス人のオシャレな同僚パリジェンヌ達に聞こうと、重いのを何冊も持って職場に行きました。
みてもらうと「この雑誌、超凄い!情報が早いし、写真も地図も載っていて、何より正確!営業時間に定休日の情報も!」「私も読みたい!」「私も!」「私も!」
あっという間に古いバックナンバーも全て、誰がいつ借りるかという話を始めました。日本語で書いてあるけど「店名はフランス語だし、地図はみたらわかるから大丈夫!」と。これをきっかけに、日本書籍が買えるオペラのジュンク堂書店まで、パリ特集を買いに行く人も出てきました。

パリで買うと高いので、一度、日本にいる母に送ってもらいましたが、到着した封筒は、検閲のためか破かれていて、雑誌が3冊入っていたはずのうち1冊がありません。無くなっていたのはPOPEYEのパリ特集。日本に帰った時に買い直し、フランス人の友達に見せたら「確かに、これは盗みたくなっちゃうぐらい良い本ね」といっていました。

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どうやら、フランスには、雑誌のパリ特集は存在しないどころか、パリのガイドブックですら、文字情報のみの味気ないものしかないようです。そして、本によってはその情報の質も怪しいという。フランス人の友達が、通りの名前を聞いただけで、場所がパッとわかるのも、文字情報だけのレストランガイドなどで、鍛えられてきたからかもしれません。

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私がフランスのガイドブックで唯一参考にしている、ルイ・ヴィトン発行のものでも、こんなに文字がちです。最近は、アプリになったので、地図と連動するようになりましたが、写真は載っていないので、文字情報だけで、どんな場所かを想像するしかありません。セレクトはルイ・ヴィトンなだけあって、ちょっと穴場の素敵な場所を紹介しているので、既にパリをひと通り回られた方にはオススメです。仏英表記あり、パリ版は無料でダウンロードできます。

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あと、日本のガイドブックに「3日間で回りきる!」というようなタイムスケジュールバッチリのページ、よくありますよね。それをみた同僚パリジェンヌ達は、あまりに効率主義で情緒がないと口では言いつつも、テーマに沿って回るというアイデアには感心しているようでした。確かに、旅の教科書、ガイドブックが良いというものは外せない日本人の真面目さが出てますね。これだけ押さえておけば間違いなし、という安心感。旅のトレンドは、団体旅行から個人旅行にはなってきてはいるけれど、私達はまだ何かに縛られているような気もします。

さて、情報の正確さに関して。先日、とあるフレンチスターシェフの料理番組をみて、後から自分でも作ってみようと思い、番組公式サイトで録画されたものを見直していました。すると、広告の多いこと、全く先に進めません。一時停止して再生する度に、また長い広告が始まってしまいます。痺れを切らして、誰がレシピまとめてないかなー?と検索。検索トップに、仕事が早いフランス人ブロガーさんが出てきました!
見ながら作っていくと、何かが違います。再度確認すると、材料も少しずつ違うし、手順も異なります。でも、確かにタイトルはその料理番組の私が作りたいメニューです。うーん、フランス人特有の自分流の解釈が入ったのでしょうか…。他にもいくつかサイトを探してみたのですが、どれもイマイチ適当な感じ。結局、諦めて長い広告に耐えつつ、作り方のメモを取ったのでした。日本人のサイトであれば、たとえ個人のブログであっても、情報はそこそこ正確なものだと思うのですが。

あと、この料理番組、冒頭に、前回のメニューを再現した視聴者のインスタグラムが取り上げられるコーナーがあります。素敵な仕上がりの人のインスタ画像は、シェフに講評してもらえるのです。私も選ばれたい!と頑張ってみましたよ。もちろん、ダメでしたが。悔しかったので、紹介された人はどんな人たちなのだろう?という向学心(好奇心)から、インスタのアカウントをいくつか検索してみました。すると、どれも実在するアカウントではあるけれど、なぜか紹介された料理の写真が載っていないことが。もちろん、ちゃんと作っている人が大半ですが、ハッシュタグが番組の制作会社に向けられていたり、最近始めたアカウントもいくつか。
毎日放送されている番組です。番組をみた視聴者が、実際に同じメニュー作るために材料を買いに行って、料理して、インスタにアップして、そこから番組制作者側が良いものを選んで、というのを、翌日の放送に向けて準備するのは、時間的にちょっと無理がありそう。
きっと事前に何人かには、お願いしていたのではないかと。日本だったら、即、視聴者に見破られそうなものですが、今のところ、フランスでは炎上してなさそうです。誰もそんなこと気にしないんでしょうね。どんなに良くできたとしても、選ばれない仕組みじゃ仕方ない!と、負け惜しみつつ、気が晴れました。

話は戻り、フランスでは、情報の正確さ云々よりも、個人の解釈というものが、尊重されているように感じます。料理のレシピぐらいなら問題はないのですが、法に関わってくるようなものになってくると、それでは非常に問題です。
そこは、フランス政府も自覚しているようで、生活する上で大事なこと、例えば、免許更新、児童手当、住宅補助などの情報は、政府のサイトservice-public.frで、とてもわかりやすく一元管理されています。こういった類のものをネットで検索すると、トップには必ずこのサイトが出てきます。
日本だと、レベルの高いハウツーを載せたわかりやすいブログが、政府系のサイトよりも上位に出てくることありますよね。政府のサイトも省庁ごとに分かれていますし。フランスでは法律や規則が頻繁に更新されていくので、一個人では追えないということもあると思いますが、間違った二次情報が蔓延しないための対策になっています。

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個人のブログの情報精度は日仏雲泥の差。同僚パリジェンヌ達の反応をみていると、もしかしたら出版物レベルで見た場合でも、差があるのかもしれません。特に「地図が正確」ということを、何度もいっていました。確かに、フランスでみる地図って、抽象的でオシャレなグラフィックになっていることが多いので、精度というか、わかりやすさがないんですよね。
日本の雑誌、ことにパリ特集に関しては、世界中のどこよりも情報が早く、正確だといえるのではないでしょうか。日本の出版社の方、フランスでも日本式のパリ特集とガイドブック、きっと売れますよ!

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