《ショートショート》白だけの花束
パソコン画面に広がる白い背景と黒色の文字。
カタカタと音をたてて打つキーボードの音。
タン! エンターキーを押して、男は息を吐いた。
背もたれに身体を預ける。
明日までに仕上げないといけない書類があるから、こうして休みの日に家で仕事をしているというのに、いまいち進まない。
男は頭をかきむしった。
原因はわかっている。俺の気もしらないではしゃいでいる、あのガキだ。
男の部屋の窓の向こうには、秋らしいコスモスが一面に咲いていた。
さっきから、女の子が、そのコスモスを見てはとびは