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邪魔をするネコしないネコ

ネコに作業の邪魔をされたくない場合、小部屋入口のカーテンを引く。これだけでけっこう効果がある。ネコによって対応は違うが、中が見えないのが怖いのか、入ってこなくなることが多い。

もっとも、図太い野郎の場合は、行きつけの店ののれんをめくるかのように気軽にカーテンを押しのける。たとえば影千代は図体がでかく神経も図太い。人は常に自分のことを求めており、自分の来訪はあらゆる状況において歓迎されると確信している。

ある日の影千代の邪魔しぶりである。

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そこに手をやられると邪魔だという位置に、見事に手を置くわけだ。こうなると私も即座にあきらめて、写真撮影を始めることになる。もはや読んでいた文章のことは頭から消え、いかにして邪魔されぶりの全容をおさえるかに意識が移ってしまう。

しかし、影千代のような図太いネコは例外である。初音のほうは非常に遠慮がちになる。おそるおそる中をのぞくようになる。カーテンで隠されるだけで、いつもは平気で入っている部屋が未知の空間になるらしい。

このあいだの夜は怖かった。ふと後ろを振り返ると、こんな光景が目に入ってきた。

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これは、ちょっとしたホラーだった。それなら図太く中に入ってきてほしい。平気で机に飛びのってきてほしい。いつから背中を見つめられていたのか、どんな気持ちで見つめられていたのか、それを思うだけで怖ろしくなるので。

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初出:2014年〜2017年

ネコたち(と同居人)が登場する回をまとめたもの

めしを食うか本を買います