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[読書] 辺境・近境 / 村上春樹


村上春樹さんの本は小説も読むけど、エッセイもよく読む。
しかも何回も読み返している。
その中でもお気に入りの1冊が「辺境・近境」だ。

どの話も面白いけど、特に面白いのが「讃岐・超ディープうどん紀行」だ。
「ハイファッション」という女性誌に連載された文章だけど、ファッションのショーの記事を書いてほしいという依頼に「うどんのことなら書いていい」と答えたら実現してしまったらしい。
今でこそ香川県民のうどんへの異常(?)な愛情は全国的に知られていることだけど、この記事がでるまではそこまで有名ではなかったそうだ。

「ひとことで言えばかなりディープなのである。ちょうどアメリカの深南部へ行って、小さな町でなまずのフライを食べているようなそんな趣きがある」

という一文がある。これは僕にとって呪いの言葉となった。それ以来、僕はどこかでアメリカ南部に心を奪われている。音楽も、公民権運動への興味も、Netflixの料理番組にも引き寄せられ、鉄腕ダッシュで多摩川で捕獲したアメリカなまずのフライでハンバーガーを作っていたのが頭から離れずという感じになっている。

この本で特に有名になった「中村うどん」は、そのあと超有名店になったそうだ。

特定の地域て、特定の食べ物を食べるというのは文化を感じる。
以前、餃子をたべるためにわざわざ数日間をかけて浜松まで行った時があったけど、とてもよかった。
あのひとたち本当に餃子屋へ行くとひたすら餃子ばかり食べてる。文化だ。
香川県にはなかなか縁がなくて、いまだに行けていないが絶対にうどんをたべるだけの旅をしたい。

香川のうどんについては「水曜どうでしょう」や「サニーデーサービスのドキュメンタリー」もよかった。
アメリカ南部へ行ける気がしないけど、南部料理は食べたい。


イースト・ハンプトン

マンハッタンから少し離れた作家が多くあつまる町の話。
村上春樹さんのエッセイのアメリカは旅行本ではでてこない場所が多いので面白い。短めの文章。

無人島・からす島の秘密

子供のころから何故か無人島生活に妙なあこがれがあった。
そういう人は割と多いのではないかと思う。
しかし現実は甘くないことを教えてくれる。

メキシコ大旅行

長文のメキシコ紀行。メキシコの治安状態は分からないけど、おそらく同じ旅をするのは難しいのではないかと思う。
武装強盗団が出没する区間のバスの移動が緊張感あふれる。

讃岐・超ディープうどん紀行

上記のとおり

ノモンハンの鉄の墓場

ノモンハンは小説の題材になったので村上春樹さんにとって大きな題材。しかし、村上春樹さんは中華料理と羊料理がダメという、中国側、モンゴル側両方からノモンハンをめぐる旅には全く向かない食事嗜好。食べ物が合わないということの辛さがにじみ出る文章。
狼の話が印象深い。ここだけ小説のような文章だった。

アメリカ大陸を横断しよう

車でアメリカ横断も憧れがありました。有名なルート66コースではなく北回り。別の本の読書感想で少し紹介しています

神戸まで歩く

これは小説風。しかも少し鼠三部作の雰囲気を感じる。

<追記>

書いているうちに更にナマズ料理がたべたくなった。
noteに素晴らしいまとめがありました。

やはり麻布のソウルフードハウスは試してみたい。

<追記おわり>

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