[読書] 60分でわかる! SDGs 超入門

SDGs という言葉を良くきくようになりました。恥ずかしながら、どのようなものかわからなかったのでネットで評判の本を読むことにしました。
この1冊ですべてとは言わなくても、かなりの部分を理解できると思います。

SDGsとは
SDGsは(Sustainable Development Goals)持続可能な開発目標の略称で2015年に国際サミットで採択された、国連加盟193カ国が達成を目指す2016年から2030年までの国際目標で、17の目標とそれを達成するための169のターゲットを設定している。目標1は「貧困をなくそう」であるように、目標に無縁な人は誰もいないようなものになっている。
毎年、調査団体が各国の状況の調査状況を発表していて、日本は現在15位となっている(1位デンマーク、35位アメリカ、36位中国)。
SDGsの実現にはさまざまな活動(社会的、経済的)の中心である政府や企業の果たす役割も大きいが、個人でも達成に貢献することができる項目も多い。また、SDGsを知り、自分が商品を購入したり、サービスを利用したり、投資をする企業の取り組み状況を知ることで企業に更なる取り組みを促進させることができる。

SDGsにどのような項目があり、日本がどのような対応をしているのかは、以下の外務省のリンクが詳しい。


企業とSDGs
2017年の世界経済フォーラムにおけるビジネス&持続可能開発委員会(BSDC)は、実体経済の約60%を占める分野で2030年までに「企業がSDGsを達成することによって年間12兆ドルの経済価値が創出される可能性がある」と発表。それに応じ欧米諸国はビジネス機会としてSDGsに取り組むようになったが日本の動きは遅く、中小企業に至っては84.2%の企業がSDGsについて全く知らないという状態になっている。SDGsには実現が困難な事もあるが、すぐにでも取り組むことができる事も多い。企業は実際に計画をたて実施し、活動内容を消費者や投資家へ取り組みを説明することが重要になる。

サプライチェーン
利益重視のサプライチェーンは環境破壊や発展途上国の人権無視の上になりたっていた。それらを是正する環境社会に配慮する消費をエシカル消費といい欧州を中心に広がりを見せている。日本は環境やオーガニック視点を持つ消費者が増えてきてはいるが、欧州にくらべると人権問題を是正するフェアトレードに関する認識が遅れている。
これらの環境問題、人権問題をクリアにするには1企業だけでは不可能で、取引先をふくめたサプライチェーン全体の構築が必要になる。これらの未整備は将来的なリスクとなるため投資家から敬遠される可能性が高まっている。

ESG投資
2006年国連事務総長のアナン氏(当時)機関投資家に対し、E(Environment環境) S(Social社会) G(Governance企業統治)を投資対象の決定に取り込むことを求めた (責任投資原則 PRI; Principle for Resoponsible Inverstment)。SDGs実現に積極的な企業へ投資が集まるようにしようとした動きになる。法的拘束力はないが、この発表により投資対象の企業がESGへの配慮に積極的になってきた。実際にESG投資残高は年々増加しており2018年度には30兆ドルを突破し、全体の1/3以上になっている。日本は欧米諸国に対して遅れていたが、2018年にいは240兆円 全体の18.3%と急激に成長している(2014年の300倍)。

感想
多額の費用がかかる、言ってみれば理想を求める施策を実現するのに対し、ペナルティではなくビジネスチャンスの創出を促す方法はすばらしいと思いました。本書には日本の企業の実際の活動例も豊富なので企業でSDGsの対応を求められる人も参考になるのではないかと思います。
昔ならIT業界で起業をしていたような優秀な人材が環境の方へ流れているとは聞いていましたが、30兆ドルの投資がまだまだ伸びていると言われれば納得できる話です。


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